あなそれ 他の不倫ドラマとの違いは行動への後悔のなさ

波瑠主演のTBS『あなたのことはそれほど』は後悔のなさなどが他の不倫名作との違いか

記事まとめ

  • 波瑠主演のTBS『あなたのことはそれほど』は衝撃的な展開がSNSなどで話題を呼んでいる
  • 不倫名作は、鈴木京香『セカンドバージン』や上戸彩『昼顔』等、葛藤や後悔が軸だった
  • しかし、『あなそれ』の波瑠は後悔がなく、夫役を務める東出昌大の対応もすごいという

あなそれ 他の不倫ドラマとの違いは行動への後悔のなさ

あなそれ 他の不倫ドラマとの違いは行動への後悔のなさ

話題を呼んでいる”あなそれ”(ドラマの公式HPより)

 昨今のゲス不倫騒動もあって、初回から注目を集めている波瑠主演の不倫ドラマ『あなたのことはそれほど』(TBS系)。毎回、衝撃的な展開がSNSなどで話題を呼んでいるが、他の不倫ドラマとの違いはどこにあるのか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 そんなわけで、盛り上がってきた『あなたのことはそれほど』。先日放送された第8話では、主人公・美都(波瑠)の夫・涼太(東出昌大)が、なかなか離婚届にサインせず、名字の渡辺をひらがなで書いたり、さんずいだけ書いたり、「涼太」を「涼犬」と書いたりと、笑えそうで笑えない行動を連発。一方、浮気がバレた有島くん(鈴木伸之)は妻の麗華(仲里依紗)との暮らしにへとへと状態。そんな中、美都が妊娠!? 
 
 ますます怖い展開だが、このドラマには、これまでの不倫名作ドラマとは違う特長がある。まず、一線を越えるまでの垣根の低さ。エロや愛欲も感じられず、思い出作りのような不倫関係。伝統的に「よろめきドラマ」ともいわれる(由来は三島由紀夫の『美徳のよろめき』から発したとされる)不倫のドラマは、事に至るまで、またはその後の葛藤や後悔が軸になってきた。

 どっぷりベッドシーンが話題になった鈴木京香の『セカンドバージン』然り、全編涙目の上戸彩の『昼顔』然り。ところが美都は、中学時代の同級生有島くんとにこにこと関係を続け、妊娠かもと思っても「有島君。私なんとできてしまったんです!って今度は趣味じゃなくて子供だよ」とうっかりLINEしそうになったりする。

 すごい文面だ。彼女が葛藤しているのは、異常な行動をとる涼太と結婚したことと別れられないことで、自分がしたことにはあまり後悔もない感じ。美都が次に何を言い出すのか?と目が離せない仕組みなのだ。

 また、配偶者に裏切られた涼太と麗華の対応もすごい。事情がわかった後も美都に執着し、「みっちゃんはこんな汚いところで寝ちゃだめ」などと彼女を気遣い、責めない涼太。一方、無表情に「あたし、つらいよ」と夫に冷ややかな態度をとる麗華。この不気味な息苦しさもまた視聴者をドラマの引きずり込む要素といえる。

 このドラマのもうひとつの特長は、登場人物がやたら飲食すること。第8話だけでも、美都が筑前煮を作り、涼太と夕食。別日には涼太がパエリアを作ってワインを選ぶ。家に帰りづらく、夜な夜な後輩と飲んでいる有島くんは、妻子と同じマンションの横山智美(中川翔子)一家と動物園でお弁当。涼太も親友真吾(山崎育三郎)と焼肉屋でジュージューと煙を浴び、最後は美都に蕎麦をふるまう。ついでに言うと、真吾は、美都のママ(麻生祐未)のスナックで一杯やり、美都の勤め先の眼科の先生(橋本じゅん)美女とバーで飲んでます。

 飲むわ食べるわ。そこで長年、「昼ドラ」を見てきた私は思い出した。かつて昼ドラの過激な愛憎劇には、驚くべき「食」の場面が出てきたではないか。皿の上でサクサクに見えたたわしコロッケ、財布をこんがり焼いた財布ステーキ、生クリームたっぷりの携帯ケーキ…。「あなそれ」にも部屋の床一面にカニが敷き詰められているという衝撃シーンが出てきた。

 これは有島くんの「悪夢」で、夢か…とがっかりしたが、今後、昼ドラに負けない強烈フードが出てくる可能性はある。もしかして、これまでの食のシーンは、誰かの胃袋への恐るべき復讐劇の前触れではないか? 気になる。

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