これでネタ切れ? タモリ来訪で名古屋の今後を心配する声

タモリがNHK『ブラタモリ』で名古屋を訪問 名古屋に今後のネタ不足を心配する声

記事まとめ

  • タモリは1980年代に『名古屋いじりネタ』を連発し、名古屋嫌いと噂されていた
  • そのタモリがNHK『ブラタモリ』で名古屋を訪問し、全国的にも反響を呼んだ
  • しかし、『誰もが記憶する名古屋ネタ』はなく、今後の名古屋を心配する声が出ている

これでネタ切れ? タモリ来訪で名古屋の今後を心配する声

これでネタ切れ? タモリ来訪で名古屋の今後を心配する声

タモリの名古屋訪問に地元は沸いたが…

 過去に名古屋をいじるネタを披露していたことから、“名古屋嫌い”と噂されていたタモリが名古屋を訪れたことで話題を呼んだ『ブラタモリ』(NHK)。前編、後編にわかれて放送された番組は、全国的にも大反響を呼んだ。しかし、なぜか名古屋の今後を心配する声が…。名古屋育ちのコラムニスト・ペリー荻野さんが綴る。

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 最近は芸能人が出身地や出身地じゃなくても○○観光大使などになって、地域を盛り上げるのは当然になっているが、観光大使でもなんでもないのに、名古屋を大変なことにしてしまったのが、タモリだ。

 先日放送されたNHK『ブラタモリ』名古屋編前後編。地元では新聞が大きく取り上げ、中心地にそびえるテレビ塔のボディはタモリのシルエットと「ブラタモリin名古屋」「ついに名古屋へ!」などのイルミネーションでピカピカと輝く。どんな答弁も名古屋弁の河村たかし名古屋市長も記者会見で「和解にお見えになった」と語るといった具合。

 その結果、名古屋地区の視聴率前編17.5%、後編18.3%とこの番組では過去最高を記録。関東地区でも前編13.9%(視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ)。ひとつの番組がこれほど地元で話題になり、その沸騰ぶりが地元以外にも伝わるというのは珍しい。 

 それというのも、1980年代、タモリがメディアで「名古屋ではエビフライのことをエビフリャーと言う」とか「言葉の端々に『みゃー』をつけてみゃーみゃー言う」などと「名古屋いじりネタ」を連発したからだった。当時、名古屋で深夜放送やタウン誌に関わっていた私は、東京の新聞・雑誌・ラジオなどから「名古屋の人はどれくらいの頻度でエビフライを食べるのか」「みゃーと言うのか」と何度も問い合わせを受けた。時には、「『行こうよ』を名古屋弁で言うと『行こみゃー』でいいですか」などとまじめな名古屋弁翻訳の問い合わせまできて、その影響力に驚いたものだ。

 そんな中での『ブラタモリ』。どんな内容かと思ったら、前編ではタモリも相方の近江友里恵アナも初めて訪れたという名古屋城へ。金のしゃちほこや石垣、巨大な堀をチェックした後は城下町の成り立ちについて専門家に聞きながら歩く。

 後編は、年間700万人が訪れるという熱田神宮で信長、秀吉、家康直筆の手紙を見てから門前町、船着き場などを見て回る。エビフライを食べる写真なども出てきり、前編の冒頭、「知っとられる?」などネイティブ並みという名古屋弁を披露したが、基本は名古屋の町づくり歴史探訪だった。

 これが市長の言う「和解」かどうかはよくわからないし、そもそも和解するようなことだったのかとも思えるが、心配なのは「名古屋の今後」だ。考えてみれば、タモリ以前もタモリ以降も、「誰もが記憶する名古屋ネタ」はないのである。東京、大阪、横浜、神戸のように全国的に知られるご当地ソングもない。30年以上、タモリの悪口で語られてきた街ともいえる。

 昨年は、主要8都市で「行きたくない街No.1」にも選ばれてしまった。これを逆手にとって図々しく売り出すなんてことをしないのが、名古屋らしい気もするが、タモリという最強カードを失った今、次にどんなカードを持ってこられるか。いっそ、番組で「名古屋の人と仲がいい」と発言したタモリ本人に聞いてみるのが一番いいのかも。新たなタモリ×名古屋伝説、それしかない。

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