芸能人の薬物逮捕時に「芋づる式」報道が毎度登場する理由

芸能人の薬物逮捕時に「芋づる式」報道が毎度登場する理由

自宅で覚せい剤約0.083グラムを所持していたという(時事通信フォト)

 歌手の槇原敬之容疑者(50)が、2月13日に覚せい剤取締法違反と医薬品医療機器法違法の疑いで警視庁に逮捕された。こうした芸能人の薬物関連の報道があると続報として決まって登場するのが、「芋づる式」という言葉だ。

 今回も東スポWebが「槇原容疑者シャブ人脈芸能人“芋づる式”3人連鎖逮捕あるか 決定的証言を入手」という記事を公開。ここでは、槇原容疑者と関連するルートで「ベテランの人気タレントXやバラエティー界の大御所Y、おネエタレントZ」の3人が登場する。東スポは槇原容疑者逮捕3週間前に「ミリオン歌手を内偵」という記事を出していただけに、信頼する人もいるが、「芋づる式報道」については毎度ネットで懐疑的な声が出る。

 今回も「清原の時も瀧の時も沢尻の時も、いつも芋づる式って言ってたけど全然だよな。芋づるが可哀想だ」「芋づる式といいながら、芋づる式で捕まる事がない」「毎回思うけど、芋づる式に捕まったことって過去あったっけ?」などとネットには書き込まれた。

 確かにこの指摘の通り、「芋づる式」記事は毎度のように登場する。2008年8月3日の押尾学と酒井法子の夫(当時)の同日逮捕のときにも、そうした声が上がったが、特に2人に関係性はないため「芋づる式」とはいえない。

 だからこそネットでこの手の記事を見た人は「また芋づる式報道か…」と呆れ気味に、半信半疑でこの報道を傍観するのである。それにしてもなぜいつもこうした記事が出るのか? あるウェブメディアの記者はこう語る。

「まず、この手の記事はよく読まれます。こちらも“怪しい”と睨むような人物にまつわる情報は複数筋から聞いていますので、それが、そのとき逮捕された人物と関連していたりすると、その人物の逮捕に合わせて記事を出すということになる。『芋づる式』という言葉については昔からメディア業界にある定型句のようなものでして、それがネットでは信頼感のない言葉のように扱われているのでしょうね(苦笑)」

◆誤解された「誰もが知る国民的タレントのF」

 とはいっても、こうした記事は、書かれた“疑惑の人物”は誰なのか?という「正体暴き」的な盛り上がりをネット上で毎度見せる。当サイトでも、ピエール瀧がコカイン使用で逮捕された直後の2019年4月4日に「芸能界の薬物疑惑 マトリがマーク、逮捕秒読み国民的タレント」という記事を掲載。こちらはピエール瀧の逮捕による「芋づる式」というよりは、その当時、捜査の手が及んでいた複数の芸能人の情報を取材した続報だ。ここには以下の人物が登場した。

■ヤクザ映画に引っ張りだこの強面俳優A
■大物音楽プロデューサーのB
■バラエティー番組に引っ張りだこで、結婚後もグラビアアイドルとして活躍を続ける30代のC
■海外進出も果たしてマルチに活躍する元男性アイドル歌手のD
■“若者のカリスマ”として国内外で高い人気を誇るミュージシャンのE
■誰もが知る国民的タレントのF

 こうした報道があると「A」「B」「C」や「X」「Y」「Z」といった名前であれば、単に記号として使われているとわかるのだが、「D」以降のアルファベットの場合はイニシャルだと誤解されることもある。

 この記事が掲載された後も「F」の正体暴きがネットで開始。「ふ」で始まる芸能人の名前が軒並み登場したのだが、あくまでも記事中では「6人目の疑惑の人物」といった意味合いで「F」を紹介した。

 だが、記事全体の一部分が切り取られた形でSNSや匿名掲示板に書き込まれるとそれをイニシャルだと勘違いしてしまう人も出てくる。薬物事件後の「芋づる式報道」や続報はメディアの側の慎重さも求められるだろう。

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