2番手、3番手ならではの魅力『かりそめ天国』久保田アナ

2番手、3番手ならではの魅力『かりそめ天国』久保田アナ

ベテラン久保田アナに期待(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、遅咲きブレーク、テレ朝の久保田直子アナに注目。

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 就任後すぐに“カラコン装着問題”で物議を醸したものの、丁々発止のやりとりが、歴代の女子アナより「面白いかも」「芯を食っている」と評判なのが、テレビ朝日の久保田直子アナウンサーだ。

 近年、在京局のどこよりも美人度が高いと言われるテレ朝の女子アナだが、久保田アナはチャーミングな小動物タイプ。明るくて元気なキャラクターが買われて、情報番組の2番手、あるいは3番手というポジションを長年、務めてきたように思う。

 テレ朝の女子アナが務める番組で、もっとも華やかと言えるのは、タモリの横に座れて、毎週、人気アーティストが集う『ミュージックステーション』だろう。

 次に花形番組というと、系列局にネットされる帯のワイドショーやニュースショー。先輩の中には、下平さやかアナや上山千穂アナのように、ニュース番組のメインを張っている人たちもいる。

 でも久保田アナが担当してきたのは、『やじうまプラス』や『題名のない音楽会』『週刊おかずのクッキング』など、長寿番組なれど、局内では、やや地味めな番組が多かった。

 そんな久保田アナに35才にして白羽の矢が立ったのが『マツコ&有吉 かりそめ天国』のアシスタントだった。

 同番組は、大人気で、6年間も続いた『マツコ&有吉の怒り新党』と同じ枠でスタートした、“新・御意見番”マツコ・デラックスと有吉弘行の看板番組。『〜怒り新党』は、「総裁秘書」なる肩書で出演していた夏目三久の人気再燃のきっかけを作った番組としても有名だった。

 その夏目が惜しまれつつ卒業したのは16年3月のこと。その後、やってきた「庶務」役の青山愛アナも、二人に即ハマり、視聴者人気も高かったのだが、今年6月、同局を退社。夏には渡米し、ジョージタウン外交大学院へ進学することを発表した。

 夏目は『あさチャン!』(TBS系)や『真相報道バンキシャ!』(日本テレビ系)のキャスターとして、さらには女優としてドラマやCM出演も多い、近年ではもっとも成功したフリー女子アナの一人と言っていい人。そして青山アナも大学院卒業後のキャリアアップは約束されたようなものだ。

 いま、巷には「マツコ売れ」という言葉があり、マツコが冠番組で扱った商品は大ヒットするというジンクスがある。夏目三久と青山愛アナは、「マツコ売れ」した女子アナと言えるのかもしれない。

 そんな『〜怒り新党』が終了し、マツコ&有吉が次なる番組のスタジオセットに入っていく…という自然な流れで始まったのが『〜かりそめ天国』。

 そのセットに既に板ついて、マツコ&有吉を手招きして迎えたのが久保田直子アナ…。一瞬、目を疑った。というのは、まず、女子アナがタレントに手招きをしたこと。本当に、手のひらを上下させ、「おいで、おいで」とでも言っているかのように手招きしていたのである。そして、もう一つは、もっと若い女子アナが担当するものと思っていたからだ。

 青山愛アナと似たタイプだと、久冨慶子アナや新人の桝田沙也香アナなども適任だったのではないか。

 タイミング的にまだ時期尚早という気がしないでもないけれど、あの田中萌アナをマツコや有吉にイジッてもらって、いっきに再生するという手もあったように思う。ちなみに、『〜新党』に採用された頃の夏目三久には、日テレ退社前の“写真誌”がチラついていた。が、それを一応はイジッた後、有吉が一言で封じ込めたのは有名な話だ。

 が、番組が採用したのは今年9月で36才になる久保田直子アナ。同局の女性アナウンサーズの中では、もはや上から数えたほうが早いベテランアナだ。

 その年齢とキャリアがあったからこそ、マツコ&有吉を手招きで迎えられたし、新セットの前で悪態をつく二人に対し、それほど時間や段取りを気にするようでもなく付き合えたのだろう。

 番組名や内容は異なるが、夏目や青山アナを前任者とするならば、まず夏目は、自分のことをほとんど話さず、ずっと姿勢を正したまま、表情もほとんど崩さないことがウリだった。

 一方、チャーミング笑顔が魅力的な青山アナは、終始、笑顔だったような記憶がある。

 では久保田アナはどうかというと、必要とあらば、自分のことをぶっちゃけるし、アラフォー(と言っていいだろう)女性としての悲哀のようなものを出すことにも恐れがないようだ。

 立教大学時代、のちにフジテレビアナウンサーになった本田朋子がグランプリに輝いたときの「ミス立教」で、準ミスだったのが久保田アナということで、ここでも二番手ではあったものの、美人であることには間違いない。東京生まれ、東京育ちという、いい意味で「前へ、前へ」と出るタイプではないことも大きな特徴だ。

 でも、入社後もずっと2番手、3番手として仕事をこなしてきた久保田アナには、周囲を見渡して、絶妙のタイミングで自分を出す術が身についているのだと思われる。

 とはいえ、元気で明るいキャラクターゆえ、弾けるような笑顔とトークが得意技。マツコ、有吉も、久保田アナには最初から全く遠慮がないようで、これまでの夏目や青山アナとは異なるトーク展開となっている。

 そうかと思えば、『スーパーモーニング』や『ワイド!スクランブル』で、メインの女性キャスターや女子アナが「お休み」するときには久保田直子アナがピンチヒッターとして務めることも多いのである。

 特に、『ワイド!スクランブル』の大下容子アナの代わりに橋本大二郎氏の横に座った際には、過去のピンチヒッターの誰よりも久保田アナはハマっていた気がする。

 つまり、アナウンサーとしての立場をわきまえながら、周囲に目配りができて、でも大下アナより若いので、多少のキャピキャピ感もある…というのが久保田直子アナの魅力。
 
 久保田直子アナには、“カラコン装着騒動”を恐れることなく、『〜かりそめ天国』で、さらに輝いてほしい。久保田アナの2番手、3番手ならではの持ち味がもっとも活かせるのがこの番組だと私は思っている。

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