好調の相棒、科捜研の女、ドクターX 若者言葉使わぬ魅力

好調の相棒、科捜研の女、ドクターX 若者言葉使わぬ魅力

『相棒』ほか好調3作は若い世代に媚びないセリフ回しも秘密(番組HPより)

『ドクターX』『相棒』『科捜研の女』(全てテレビ朝日系)は再放送を繰り返しながら、レギュラーの時間帯でも放送される3作品は、いずれもシーズンを重ねる長寿ドラマだ。今クールではそんな人気ドラマがそろい踏み。長寿番組にもかかわらず、全ドラマの中で視聴率トップ3を独占する週もあるなど、衰えない人気ぶりを見せつけている。いったいどうして、何度も何度も見てしまうのか。その秘密に迫った。

『ドクターX』『相棒』『科捜研の女』は、それぞれ回を重ねていくことで人間関係に深みが出るのも長く見続けるポイントだろう。『相棒』の大ファンの麻木久仁子が熱く語る。

「杉下右京さんの相棒が亀山薫さん(寺脇康文)から神戸尊くん(及川光博)に代わったとき、すごくびっくりしたし、亀山さんとのバランスがとてもよかったから神戸くんのキャラは合うのかな?と正直心配もしたんです。

 でも、それは杞憂。神戸くんとタッグを組むことで右京さんのキャラに変化が出ました。それはその後、甲斐享(成宮寛貴)や今の冠城亘(反町隆史)に代わっても同様です。違うキャラと組むからこそ、知性の塊のような右京さんの隠れた人間性というか情のようなものが見えるようになってきている気がします」

 作り手も意図しない変化。視聴者との呼応でもある。『科捜研の女』の藤崎絵三プロデューサーはこう語る。

「脚本などであえて変化させているわけではないのです。言うなれば自然発生的なもの。キャストのかたがたの役に対する捉え方も変わっていくからこそでしょう」

『ドクターX』の生みの親である内山聖子ゼネラルプロデューサーも登場人物の“成長”についてこう言う。

「制作側も(大門未知子役の)米倉涼子さんもファンのかたに反応して変わってきたところはあります。大門未知子は当初に比べ本音をぽろりと見せたり少し柔らかい性格になってきました」

 3作品を見ていて思うこと。それは言葉のわかりやすさや、せりふの聞き取りやすさだ。「若い世代に媚を売る気はさらさらない」とコラムニストの今井舞さんは分析する。

「どの作品も中高年、具体的には50代の女性をターゲットにしています。配役については前述の通りですが、せりふなども若者言葉などは出てこない。ある意味古くさいせりふ回しですが、だから見やすいんですね。大門未知子にしても今時の女性っぽい言動はありません。これはテレビ朝日さんが確立したセオリーに基づくものだと思います」

 データもそれを裏付ける。

「ドラマ開始当初はF3といわれる50~60代が圧倒的に多かった。中高年層に特化していたんです。でも、そこから“お母さんが見ているから”と子供が見てくれるようになったり、話題にしていただくことで若い層にも広がっていって、今では30~40代にも拡大しています」(内山さん)

 事件解決までのプロセス、変化する主人公の心情…それらと並立する見どころが「組織の対立」だ。コラムニストの亀和田武さんは『相棒』の魅力をこう伝える。

「昔の刑事ドラマは警察が一丸となって、巨大な闇組織や凶悪な殺人事件と闘いました。『相棒』はそういった要素を織り込みつつ、組織内部で繰り広げられる“公安部VS刑事部”や“警視庁VS警察庁”といった対立構造、権力者の暗躍を描いたことで緊張感が生まれ、おもしろ味が増しています。組織内の圧力にひとりで立ち向かう杉下右京のような主人公は、かつての刑事ドラマにいませんでした」

 大学病院という古きシステムにメスを入れる大門未知子、刑事第一主義の捜査現場で臆することなく独自の見解を主張する榊マリコ…それは時に組織内で軋轢、対立を生むが、それが“裏テーマ”になっている。

“いったいどこまでが本当なの!?”と思わずにいられない権力闘争や、ドロドロとした人間関係にハマってしまうのだ。まだまだ書ききれないヒットの理由。それはそのままドラマの魅力ということでもある。

※女性セブン2017年12月21日号

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