真矢ミキ「タートルネックと心の温活」について語る

真矢ミキ「タートルネックと心の温活」について語る

真矢ミキが語るタートルネックと心の温活

 情報番組『ビビット』(TBS系)のMCなどを務める元宝塚のトップスター真矢ミキさんが、『タートルネックと心の温活』について語った。

 * * *
“冬”といえば。私の装いはもっぱらタートルネック。首元を温める、私なりの“温活”でもあるのだ。

 先日クローゼットの衣替えをしたら、お出かけ用、普段着用と実に多彩なタートルネックが20枚以上もある事に改めて気が付いた。カジュアル以上フォーマル未満の装いと言いますか…なんか、懐かしの友達以上恋人未満を思い出した(笑い)。

 そう、タートルは絶妙のバランスの持ち主なのだ。時代、流行に関係なく、いつだって着られちゃう服ランキングがあれば毎年堂々のランクイン。もしかしたら殿堂入りだ。

 特に黒のタートルは70年代のモードなパリジャンを彷彿…黒以外では、深いボルドーとか青みがかったグリーン、バーガンディ(レンガ色)と、どことなくヨーロッパを感じる、原色よりもう一捻りある色合いのものが好き。そして出来れば、なるべく自分で洗えるものを選ぶようにしている。

“洗えます”なんて表示も最近多く、便利な世の中になったものだなぁとしみじみ。洗濯機の“クリーニングコース”でゆる~く洗って、ひら干しをする。冬の日常の一コマだ。

 タートルにジーンズで冬を過ごし、Tシャツにジーンズで夏を過ごす…20代からの私のファッションレギュラーメンバーだ。いやMVPだ! 実にシンプルな組み合わせ。なのに、家のクローゼットは生きてきた分たまってきた洋服の数、数、数。

 かつてドラマの撮影で名古屋のマンスリーマンションに4か月くらい滞在していたとき、洋服はインナーやデニムやパンツ、羽織りものなど、上下各5枚程度だけで出発した。何故ならお借りするワンルームのクローゼットが幅1mにも満たないから。足りなくなれば、その土地で買えばいいか、と忙しさを理由に物が増える思考…。あぁ…これだ。

 しかし、結果、4か月それで何の不自由もなく、むしろ十分で過ごした。数が少ないから、コーディネートを考える事も少なく、急ぎの朝などは特にスムーズに運ぶ。普段、家では何年も着ていない洋服達が責めるように「出番なし」とハンガーにぶら下がり私の朝の時間を割いていた。

 …結局、東京から(自分のクローゼットから)離れてはじめて、私はそこまで洋服を必要としていないのだと気付いた次第。クローゼットの中の服が増えるのは、テイスト違いの服を着る自分への期待枚数? 又は、今年の流行りを着た自分を、チョイと見たいからではないのか。…なんて自己分析している。

 食事もほぼほぼ質素でいい。勿論外食は美味しいのだけど、京都の撮影でマンスリーマンションに一人暮らしした時は、少ない品数で自炊を楽しんだ。沢山あるに越した事はないのだけれど、自分だけだから2、3品の新鮮野菜で十分。万願寺とうがらしとおじゃこをサッとごま油で炒めてみたり、九条ねぎとお揚げを薄味で煮たり、地味な自炊にかえってウキウキしたものだ。

 数枚しかない洋服、品数の少ない食事。小さな幸せが見えてくる、こんなシンプルな生活をいつかしたいと憧れる。

 3か月滞在から、凄い時だと10か月滞在と、撮影で各地にお邪魔してきた私。長期の場合はホテルではなくマンスリーマンションを選ぶ。空気が入れ替えられて、炊事洗濯が出来るから。まるで妻に向いているかのような物言いだけど(笑い)。そうでもない。

 ただ、ただ人間らしい生活がしたい。そしてホテルに泊まる楽しみも、ちゃんと休みにとっておきたい。しかし、知らない地となると、誰も知り合いはいないから必然的に一人で行動する。それがなかなか心地よい。

 地元の方と話すきっかけにもなる。普段聞けない話が飛び出し実に楽しい。スッとその土地の暮らしに馴染める体質は、幼い頃親が転勤族だったからかもしれない。柔軟性、順応性は半端なく高いと思う。…多分。…多分、人並みちょい上。

 前世、粘土か水だったのではないかと思うほど形を変える事がわりと楽しい。むしろある一定の時期がきたら自分の生活場所や生き方を変えたい衝動にも駆られる。

 宝塚を退団する時も1ミリも未練はなかった。勿論、宝塚には一生感謝している。でも1度きりの人生、本気で取り組めることなんて2、3度が限界かと。だから私の好奇心はやっぱりとまらない。色んな人と関わり、刺激を頂き、自分の伸びたい方向に思い切り枝を伸ばし、出来るならそこに実をつけたい。まさに他人様から刺激を頂く心の温活だ。

 さぁ、この冬は、どんな温かい思い出を作れるのだろう? 先ずは、お気に入りのタートルネックで、お鍋でも食べにいきますか!

■撮影/渡辺達生

※女性セブン2018年1月1日号

関連記事(外部サイト)