CMにドラマ、起業も… 山田孝之を支える男友達力

CMにドラマ、起業も… 山田孝之を支える男友達力

小栗旬と山田孝之のCM「割れない刑事」(公式HPより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ますますマルチな活躍を見せる山田孝之に注目。

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 12日からオンエアされている『富士通』「arrows」のCM「割れない刑事(デカ)」は、プライベートでも親交のある小栗旬と山田孝之の“CM初共演”が開始前から話題になっている。

“相棒”の二人が容疑者を追跡中、山田のケータイが手から滑り落ちる。慌てた山田に気を取られた小栗が足を止めたことで容疑者は逃走。「逃げちゃったじゃないか」と山田を叱責する小栗に対し、「割れちゃったじゃないか」と逆ギレする山田のカットでオチている。

 WEBサイトでは「読めない刑事」を始め、別ストーリーが展開している。CM発表会見で小栗は「長く続けて、しばらく(容疑者を)捕まえられない日々を愉しみたい」と笑顔だった。

 そして撮影中の山田について、「あぁ、やっぱり、この人、面白いな」という感想をもったとも言い、「ひたすら、いろんなアドリブをしてくれる」山田の演技を改めて評価した。

 年末にかけて、さまざまな賞やランキングが発表されているなか、『日経MJ』が識者のアンケートを元にランキングするCM回顧企画において、山田孝之は2年連続で「今後、売り上げ増やイメージアップに貢献しそうなタレント」の1位とか2位にランクインしている。恐らく、これから発表される今年の同企画でも彼の成績は良いと思われる。

 だが、「20代の頃はCMのオーディションに何十本も落ちていた」とバラエティー番組で本人が振り返ったように、若い頃の彼のCMというのは、ほとんど記憶にない。

 果たして、3年前、コカ・コーラの缶コーヒー「GEOGEA」のCMで、さまざまな働く男に山田が扮し、「世界は誰かの仕事でできている」なるコピーが印象的だった作品が、いきなり好感度調査ランキングの上位に躍り出たのである。

 子どもたちを差し置き、ブランコなど公園の遊具を独占するも、実は安全点検をしている作業員だったという微笑ましい作品も印象に残っているし、ここ2作はガテン系に扮したり、職場のライバルに扮したりしている新井浩文との共演も話題だ。

 さらに、ソニー・インタラクティブエンタテインメント「PS4」のシリーズCMでは、ゲームに熱中するが余り、キャラクターのコスチュームで酒席に現れたり、ゲームの登場人物名や用語を会社のプレゼン中に連発したりするビジネスマンの役。また、子供のようにオモチャ売場のフロアに寝転んで「やりたい」「やりたい」と駄々をこねる父親役も好評だった。

 そうかと思えば、ストーリア「MARO」ではアフロヘアで踊りまくっている。15秒とか30秒というサイズのCMにおいては、山田の瞬発力が物を言い、濃くて毛深くて小顔とは言えない彼がキメる表情には強いインパクトがある。

 こうしたCMでのブレイクと共に、ドラマや映画では、あらゆる役に憑依するように演じることから「カメレオン俳優」と呼ばれ、後に映画化もされる『闇金ウシジマくんシリーズ』(毎日放送・TBS系)や鬼才・福田雄一氏の監督・脚本による『勇者ヨシヒコシリーズ』(テレビ東京)の主演が大きな話題を呼ぶ。さらに、プロの批評家が「いま、もっとも面白い取り組みをしている」と高く評価するテレビ東京のドラマ班と共に『山田孝之の東京都北区赤羽』、『山田孝之のカンヌ映画祭』、『破獄』などを業界が認める話題作にのし上げたことでも注目されている山田孝之。

 そんな彼の20代のときの評判というと、特に取材記者の間では「難しい人」「暗い人」「喋らない人」などと、もっともインタビューしづらい若手俳優の一人だった気がする。

 そこには映画『電車男』で得た評価を急降下させてしまうほどのスキャンダルが絡んでいたことは、大人の業界関係者なら覚えていることだろう。

 因って、バラエティー番組の出演はほとんどなく、ドラマの番宣で情報番組に出て来ても、サービス精神の欠片も感じられない彼の言動に、数字はなかったと記憶する。

 そんな山田が結婚したのは2012年、妻の出産は翌年で、そこから彼のイメージがいっきに変わり始める。山田夫妻が、親友の玉山鉄二に一般女性を紹介し、トントン拍子でゴールインしたことも、“意外なエピソード”として広まった。ちなみに玉山には、それより前、結婚間近とウワサされた某女優との破局劇があったのだが、彼も結婚によって運気が上がったクチ。いまも玉山家で朝まで飲むことが度々あると聞く。

 そしてトーク番組などで「山田孝之は実は面白い男」と言い出したのは、その玉山や小栗旬を始め、プライベートで飲んだり、演劇論を交わしたりする同年代の俳優たちだった。

 特に、年齢は一つ上だが仕事では後輩にあたる綾野剛が俳優としてブレイクし始め、トーク番組で“お約束”のように語る山田のチャーミングなエピソードはどれも爆笑モノであり、「そんなに面白いのなら」と企画会議で「山田孝之」の名前を出すバラエティー班のスタッフが激増したのである。

 とは言え、20代の頃の「喋ってくれない」山田をよく覚えているので、最初は恐る恐るの起用だった。が、番組からのアンケートやVTR取材に快く協力してくれる小栗や綾野、そして玉山鉄二らの破壊力に溢れるエピソードによって、山田孝之はバラエティーやトーク番組でも成功を収めていくのだ。

 そして今年の山田孝之と言えば、トランスコスモスと共同で新会社『ミーアンドスターズ株式会社』を設立し、取締役CIOに就任したことも大きなニュースになった。ライブコマースサイト「me&stars」は動画の出演者が売り手となって商品やサービスを勧め、視聴者が買い物をする、「『とんねるずのハンマープライス』(フジテレビ系)を想像していただければ」と同社の関係者から聞いた。なかでも「スターとの体験」は、「芸能人とツーショットでの食事」や「アスリートとの対決」、さらには山田孝之自身が稼働し、「会社や結婚披露宴の受付をする」などといった企画が提案されている。

 実はこれも、山田と長年の友人であり、同事業にも中心になって関わっている一般男性が声をかけ、イノベーション担当として山田が積極的に参加することが決まったというもので、決して“お飾り”のCIOではないのである。

 先月、AbemaTVの『72時間ホンネテレビ』でSNSの先輩の一人として稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾に“インスタ映え”の極意をレクチャーするため、早々に出演が決まっていた山田孝之。そんな彼に対し、『サンデー毎日』のインタビュー内で草なぎは、「山田くんも新しいことに挑戦するタイミングなんだね」と言い、彼のチャレンジ精神と決意に背中を押されているようだった。

 CM、ドラマ、そして起業と、まさにカメレオンのように変幻自在な活躍をみせ、多くの人たちから、ますます愛すべき存在となりつつある山田孝之の傍らに“山田孝之をこよなく愛す男友達”の存在あり。山田孝之と彼らが織りなす様々なコラボという名の“化学反応”に来年も期待したい。

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