BJカップル破局 蒼川愛の闇は久保裕丈には濃すぎたか

BJカップル破局 蒼川愛の闇は久保裕丈には濃すぎたか

破局の真相は(イラスト/ヨシムラヒロム)

 アメリカで十年以上続く人気リアリティーショーの『The Bachelor』が、Amazonプライム・ビデオによって昨年、日本版の『バチェラー・ジャパン』として制作、公開された。1人の理想的な独身男性をめぐり25人の女性が争奪戦を繰り広げるのが基本プロットのこの番組は、もうすぐ第2シーズンが公開される。ところが突然、第1シーズンで誕生したカップルの破局が発表された。番組を見るうちにバチェラーファンになったイラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、理想的なカップルのこれまでを振り返った。

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 2月22日、Yahoo!ニュースを見ていたら、衝撃的な記事が目に飛び込んできた。「バチェラー・ジャパン初代カップルが破局報告『申し訳ない気持ちでいっぱい』」。想像していたこととは言え、思わず「うぬ……」と唸ってしまった。遂に、初代バチェラー久保裕丈と蒼川愛の離別が世の中に出てしまったのである。まるで内情を知っているような書き方をしてしまったが、もちろん2人の私生活については何も知らない。ただ「別れているだろうなぁ……」とは幾分か前から予想はしていた。

 2017年2月17日より「Amazonプライム・ビデオ」で配信をスタートさせた『バチェラー・ジャパン』は、金持ちの独身男性(バチェラー)が25人の女性から運命の相手(決して嫁ではない)を選ぶ番組。すったもんだの末、4月28日に配信された最終12話でバチェラー久保が”真の愛”を紡ぐ相手として選んだのが蒼川。特にこれといった攻勢もハイライトもない女性だったが、早大生の知性と若さを存分に発揮。いつの間にかポールポディションをゲットし、ゴールしていた。(ちなみに、久保を奪い合った女性は、基本的に売れていないタレントが多い)

 膝をつき「こんなに大好きになるなんて思っても見ませんでした」と蒼川に婚約指輪を捧げた久保。その後、配信されたエピローグでは久保と蒼川は「結婚を前提に交際をしています!」と堂々宣言。久保が誰を選ぶかを楽しむ『バチェラー』、もちろん出演者によるネタバレ厳禁。番組終了後に書かれた蒼川のブログによると「1月頃に撮影が終わった」とのこと。よって2人の交際事情が解禁された4月28日頃には、交際3ヶ月を超えていた計算となる。

 自分の恋愛がおざなりだからこそ、他人の情事を応援したくなるもの。また番組を通して僕は、紳士的態度を保ちつつ、合法的ハーレムを築く久保の大ファンとなっていた。

 久保と蒼川のツイッター、インスタグラムをフォローし2人の動向を追いかける日々が始まる。とにかく自分が好きな2人は、自身の写真を頻繁に更新。しかし、肝心の久保と蒼川の2ショットが公開されない。待望の日は2017年5月11日の蒼川23歳の誕生日にやってきた! 久保のインスタには#hbd(※ハッピーバースデーの意味)のタグとともに、仲睦まじく並ぶ2人。結婚へ向けた交際は順調そうに見えたのだが……。

 しかしである。それ以降、久保と蒼川の2ショットが自身の手でSNSに上がることはなかった。同じ場所にいる様子は見られるものの、互いを語る描写が一切出てこない。交際を隠す必要はない2人、公にした方が反響集めそうなのに……、いやいやそんなのは素人考えか……、静かにしておいて結婚会見でブチ上げるのか!? なんて余計なことを考えていた。

 そんな日々のなか、バチェラーによって名声を得た2人は、ヒップスターへの道を邁進していく。久保は小学館から『その恋はビジネス的にアウト』を上梓。ビジネスの手法を恋愛で生かす指導者として、ホリエモンとも対談。蒼川は、講談社の個性派アイドルオーディション「ミスiD2018」にエントリーし、主宰である小林司から個人賞が贈られた。

「ミスiD2018」に応募する際に蒼川が書いた自己紹介文を読み、そして驚く。文面に描かれていたのが蒼川の孤独と闇について。人に憧れられる存在でありたいという想いと共に「結局どこにいても孤独に感じてばかりだったし、その分他者からの承認欲求に飢えていたと思う」と綴られる。その一方で、小林司のコメントには「最終面接でのエピソードでいちばん痺れたのは『お仕事で会う大人の男のひとのほとんどが口説いてくる』でした」。もちろん、男のひとからの誘いに蒼川が”乗っていない”前提で書かれている。

「ミスiD2018」のエントリー動画で蒼川は、「23年間生きてきて、クソみたいな男もいたし、女もいたし、いっぱいいたけどそれが今の自分を形成しているものだし」と雄弁に語る。その姿は『バチェラー』で見せた、しおらしさとは真逆の強さがあった。

 2人の交際がいつ頃終わったのかは分からない、蒼い恋の炎がなぜ鎮火したかも分からない。ただ蒼川の闇は、久保の想像を超えるほど深く、濃い色に包まれていたと思う。彼女は美貌を備える。ゆえに願えば、凡人よりも容易く願いが叶う。叶うという事実は、更に欲望の濃度を深める、それは罪となり自身を苦悩させる。久保という他人が羨むパートナーを得ても、満ちることがない業が蒼川にはあったのだろう。

 世界をまたにかけ”真の愛”を探したバチェラー久保。しかし、”真の愛”で蒼川愛の心を赤く染めることはできなかった。

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