『BG』名古屋で視聴率が高い理由は木村拓哉との「相思相愛」

木村拓哉主演『BG〜身辺警護人〜』が名古屋で高視聴率 大雪影響で在宅率高かったとも

記事まとめ

  • 木村拓哉主演『BG〜身辺警護人〜』の視聴率が名古屋では関東に比べ4〜7ポイントも高い
  • 今期は平昌五輪と重なり左右される連続ドラマが多かったが『BG〜』には影響しなかった
  • 視聴率が高い最大の理由は朝帯の情報番組『ドデスカ!』(メ〜テレ)での番宣の力とも

『BG』名古屋で視聴率が高い理由は木村拓哉との「相思相愛」

『BG』名古屋で視聴率が高い理由は木村拓哉との「相思相愛」

いよいよ最終話を迎える『BG』(公式サイトより)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、いよいよ最終話を迎えるドラマ『BG』の、あるエリアでの高視聴率の理由を分析。

 * * *
 1月18日オンエアの第1話=20.6%、以降、第2話=22.9%、第3話=19.6%、第4話=17.9%、第5話=18.7%、第6話=19.2%、第7話=19.1%、第8話=19.9%…。どこから見ても絶好調に推移している視聴率であることがおわかりいただけるだろうが、「今期、そんなドラマがあったっけ?」と不思議に思われる方も多いだろう。

 実はこの数字は、メ~テレ(名古屋テレビ放送)での木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』各話の平均視聴率なのである(ビデオリサーチ調べ)。

ちなみに関東地区のテレビ朝日の平均視聴率は第1話=15.7%、第2話=15.1%、第3話=13.4%、第4話=13.6%、第5話=14.0%、第6話=14.8%、第7話=15.8%、第8話=16.4%。つまり、名古屋のメ~テレでの数字は4~7ポイントも高いのだ。

 視聴率というと関東地区のそればかりが取り沙汰されるものだが、“現場”は全国の結果を共有しているもので、それが演者に伝わることも多い。

 概ねそれは、関東地区より際立って高い数字が地方で出たときに伝えられるもの。そして『BG~』に主演する木村拓哉本人も名古屋の高視聴率情報を把握していることが「第2話=22.9%」のタイミングで実現した木村へのインタビューの際に判明した。

 木村主演のドラマといえば、朝ドラや大河ドラマ、月9、紅白などと共に、数字の推移が毎回のように取り沙汰されるもの。「腹割ってお話しちゃうと『(数字の良し悪しを)気にしない』って嘘だと思うんですよ」と木村は正直だ。

 名古屋の高視聴率を知った瞬間は、「出演者もスタッフも 気持ちがグッて上がるんです。これが、ものすごい推進力になってるんです」と。さらには「関東にその勢いを伝えてほしいですね」とも言っていた。名古屋の高視聴率のニュースが関東に伝わったからではないと思うが、最終話に向けて関東地区でも2週連続で最高視聴率を更新したことが話題になっている。

 放送作家として日々、視聴率の分析は、かなり細かくやっている。その高低には、横並びの番組の強さや当日の天候、曜日の特性や時間帯など多数の条件が関わってくるものだ。特に今期は平昌五輪開催と重なっていたため、“実力”以外の要素に左右される連続ドラマが多かった。

 そんな中、なぜ名古屋の『BG~』視聴率がここまで高いのか。メ~テレでは第3話までの視聴率が出た後、「初回から第3話までの平均視聴率は21.1%」なる見出しを付けたプレスリリースを出していて、その際、筆者はコメントを依頼された。

「名古屋の視聴者は新しいものを取り入れるのが上手」「完全オリジナルの『BG』とスタイリッシュな木村拓哉さんとは相思相愛の関係」などと理由を挙げさせてもらったが、正直なところ、芯を食った答えを見つけるまでには至らなかった。第2話の視聴率が突出して良かった背景には前夜に降った大雪の影響で在宅率が高かったことも挙げられるのだ。

 手前ミソになるのだが、名古屋で『BG~』の視聴率が高い最大の理由は、朝帯の情報番組『ドデスカ!』(メ~テレ)での番宣の力ではないか。

 愛知、三重、岐阜の東海3県の朝6時台と7時台、民放各局は『ZIP!』『あさチャン』『めざましテレビ』をオンエアしている。つまり他局は在京局の番組をそのままネットしているなか、唯一、自社制作の番組を届けているのがテレビ朝日系列のメ~テレなのである。

 2時間の番組中、エンタメコーナーは、スポーツ紙の芸能面を紹介するコーナーが6時台と7時台に2チャンス、テレビ朝日から配信された芸能のVTRを7~8本紹介するコーナーが6時台後半に1チャンス、そして7時台後半には毎日独自の芸能ネタをオンエアしている。

『BG~』がある木曜日は初回の朝から「見どころ」VTRやキャストの相関図などを長尺で流し、第1話の視聴率を待った。

 結果は20%の大台超え。以降、毎週、「見どころ」をオンエアすると同時にメ~テレの宣伝部とメ~テレの東京編成部が連携し、テレビ朝日に「木村拓哉インタビュー」のオファーをしていた。

 系列局とはいえ、このハードルは、ひじょうに高い。ただでさえドラマの現場は、そうそう取材を入れないものだ。テレビ誌など、ペンの取材ならまだしも、別カメラで現場を撮るとなると別班スタッフは最低でも3人。正直言って「邪魔」だし、多くの現場は取材をシャットアウトしているものだ。

 とはいえ、テレビ朝日の宣伝部からネット局に温かいお声がかかることも。たとえば米倉涼子主演『ドクターX~外科医・大門未知子~』オンエア時にもメ~テレは現場取材や米倉へのインタビューを実現している。エンタメコーナーを仕切る同局の上坂嵩アナが東京まで出向き、院長回診やカンファレンスの場面で白衣を着て「御意」の台詞をもらった経験ももつ。

 だが、俳優の中でももっともっとハードルが高い一人、「木村拓哉」である。単独インタビューができるかどうか、なかなか「決定」が出なかったのだが、22.9%という最高視聴率の“お土産”をもったタイミングでかなったのである。

 素地として、3年前に木村がテレビ朝日で初主演した連続ドラマ『アイムホーム』オンエア中にも『ドデスカ!』MCで木村と同い年の佐藤裕二アナが独占インタビュー。初のパパ役に挑戦した木村のドラマを見るため、名古屋のパパたちが早めに帰宅する「アイムホーム現象」について伝えていた。

 さらに昨年は、木村の主演映画『無限の住人』の名古屋キャンペーンの際に行われた東海地区のテレビ局のインタビューでメ~テレが幹事局になったことなど“縁”が続いた。

 あとは今回インタビューを担当した上坂嵩アナによる“強火な木村拓哉愛”がストレートに伝わったことも大きい。上坂アナは、ローカル局のアナウンサーならではのいい意味での腰の低さや、芸能人を相手にしたときの緊張からくる取っ散らかりぶりが見ていて面白く、『無限の住人』の際も木村の印象に強く残ったようだ。

『BG~』インタビューのラスト、「じゃあもう、いつでも来てください、取材に」と締めた木村は、席を離れた直後、スタッフに上坂アナの“出演”を提案。なんと7行もの台詞をもらい、第7話への出演が実現したのである。

 実はそれより前、上坂が木村への“お土産”として渡したメ~テレのキャラクター、ウルフィも“出演”させてもらったし、上坂アナが事件リポーター役で出演した様子に密着するカメラを出させてもらうこともできた。

 すべては座長・木村拓哉の提案から始まり、テレビ朝日ドラマ班の理解によって実現したことだが、それをまた長尺にて『ドデスカ!』でオンエアし、『ドデスカ!』自体も横並びトップの視聴率を記録した。もしかして名古屋の視聴者と木村拓哉が「相思相愛」という分析は当たっていたのかもしれない。

 いずれにせよ、ローカル局ならではの番宣方法で地道にアプローチした結果の高視聴率。在京局の朝ワイドではやれなかったことばかりだったことは間違いないのである。

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