『グッディ!』終了の影響は?ワイドショーと視聴率争いの歴史

『グッディ!』終了の影響は?ワイドショーと視聴率争いの歴史

『ミヤネ屋』独走に待ったをかけた『グッディ!』だったが(安藤優子キャスター。時事通信フォト)

 7月9日、フジテレビの午後の情報番組『直撃LIVE グッディ!』が終了すると複数のスポーツ紙が報じた。フジテレビからの正式な発表はなく、同日の放送でも触れられなかったものの、『グッディ!』の後枠には、現在11時55分から放送中の『バイキング』が1時間延長され、その後はドラマの再放送になると伝えられている。テレビ局関係者が話す。

「今は新型コロナウイルスの影響でスポンサーを集めづらい状態ですし、経費削減は局にとっても大きな課題です。しかし、せっかく長年掛けて育てたコンテンツを終わらせることは、テレビ局にとって死活問題。報道が本当だとすれば、悲しいことですね」(以下同)

 午後のワイドショーを制すれば、視聴率争いで先頭に立てる──。テレビ界の歴史を見れば、それは明白な法則だった。1970年代のTBSには『3時にあいましょう』、1980年代のフジテレビには『3時のあなた』、1990年代の日本テレビには『ザ・ワイド』という名物番組が君臨し、各局は同時代のテレビ界で頂点に立っていた。

 その風向きが変わったのは、2000年代に入ってからだった。フジが経費削減のため、1999年4月から1年間放送された『2時のホント』を最後に午後の情報番組から撤退。それでも、2004年から2010年まで7年連続視聴率三冠王に輝いたのだ。しかし、その時代は長く続かなかった。

「2011年に東日本大震災が発生したこともあって、午後の生番組の需要が高まりました。その頃、民放では日本テレビの『ミヤネ屋』(読売テレビ制作)しかなかったため、視聴率が集中し、10%前後を取っていた。平日の5日間、安定的に数字を獲得できる効果は大きく、日テレは2011年に8年ぶりに『視聴率三冠王』(全日帯、ゴールデン帯、プライム帯)に輝きました。

 以降、日テレはゴールデンやプライム帯はテレ朝に首位を奪われた年もありましたが、全日帯はずっと1位を取っていますし、2014年から昨年まで『三冠王』を継続中です。やはり、午後のワイドショーを制する局は強いんです」

 日テレにトップの座を明け渡したフジは、2012年4月から午後の情報番組を復活させ、元NHKの住吉美紀アナをMCに据えて『知りたがり!』をスタートさせた。だが、1年で終了し、2013年4月からは元日本テレビの西尾由佳理をアナ起用して『アゲるテレビ』を始めるも、今度は半年で幕を閉じた。当時『好きなアナウンサーランキング』で上位に名を連ねていた他局出身のエースで捲土重来を図ったものの、ともに短命に終わった。

「帯番組は視聴者が根付くまで時間が掛かりますから、半年や1年で結果を出すのは難しい。しかも、フジは12年間もドラマの再放送で乗り切り、午後の生番組を放送していなかったため、ノウハウを持っているスタッフも少なく、視聴者はフジでワイドショーを見るという習慣もなくなっていた。つまり、経費削減に目を向け、一時的には成功したように思えましたが、長い目で見ると必ずしも良かったとは言い難かったわけです」

 2013年10月からもう一度、午後2〜3時台が再放送のドラマ枠になったものの、『ミヤネ屋』の独走状態は続いたままだった。そこで、2015年に『グッディ!』が誕生した。

「ずっと夕方や夜のニュースを担当してきた安藤優子キャスターを持ってくることで、局内には反対の声もあった。昼のワイドショーで安藤さんを生かせるのかも疑問視されていました。確かに最初は1%台の時もありましたし、数字が伸びませんでした。そこから少しずつ視聴率を上げていき、最近は5%近くを取っており、同じ時期に始まった『ゴゴスマ』(TBS系、CBC制作)とともに、『ミヤネ屋』の1強状態を崩した。

 帯番組は最初苦戦しても、一度視聴者を取り込めば定着してくれる。だから、今回の番組終了報道が本当なら残念でならない。ドラマの再放送をしても、数字だけ見れば『グッディ!』と同じくらいかもしれないし、場合によっては高くなる可能性もある。でも、長い目で見ると、人材の育成も含めて局には損失が大きいのではないでしょうか」

 午後のワイドショーからの撤退がフジテレビにどんな影響を与えるか。

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