連ドラ主演の桜庭ななみ 20歳から続ける「10年日記」

連ドラ主演の桜庭ななみ 20歳から続ける「10年日記」

桜庭ななみは海外でも活躍中

 無表情でじっとケーキを見つめ、生唾を飲み込むと手掴みで貪り始める──。

 女優の桜庭ななみが主演ドラマ『13(サーティーン)』(東海テレビ制作/フジテレビ系)で新たな姿を見せている。同作で桜庭は13歳で誘拐事件に巻き込まれ13年間行方不明になっていたヒロイン・百合亜を演じる。冒頭の奇異な行動は13歳で止まったままの百合亜が衝動的にとった、失われた月日の重みを感じさせる強烈な一幕となっている。

「本心を露わにせず相手によって態度を変える百合亜は捉え処もなくどこか不気味で、今までにない難しい役でした。外出自粛中も役が離れずに百合亜の境遇や感情を考え続けるしんどさがありましたが、監禁された心の苦しみはよりリアルに表現できたと思います」

 煮詰まると実家へ電話して気分転換したと明かす。

「『今日の晩ご飯は何?』なんて他愛のない話でも声をきくとほっと心が安らいで、家族はいちばんの宝物です。『13』はサスペンスですが家族の関係も丁寧に描かれ、特に百合亜とお母さんが絆を取り戻していく様子はとても魅力的です」

 最後の晩餐は母の手料理がいい──。そう語る桜庭にいちばんの好物を訊いた。

「祖母から受け継がれるからあげです! ちょっと甘みがあってジューシーでにんにくも効いていて大好き。実家でしか出会えない母の味に幸せをかみしめています。昔はからあげで太っちゃったほどで大きな声では言えませんが(照れ笑い)、何十個でも食べられます」

 少女に戻ったような無邪気な表情で元気に答えた桜庭。今作しかり、高度成長期の関西の集落で逞しく生きる家族を描く映画『焼肉ドラゴン』、三姉妹の次女を演じたNHK朝ドラ『スカーレット』など、近年は意志の強い女性の役どころも増えた。女性の持つ強さに惹かれ、お芝居で様々に演じられるのは嬉しいと語る、彼女自身の強さとは。

「母からの手紙に『悪いことは悪いと言えるあなたの強さが大好きです』と書いてあって、そういう強さはずっと持ち続けていきたいです。また一度決めたら曲げない性格でもあります」

 その言葉通り、20歳で始めた10年日記も7年間毎日欠かさず続けている。

「『お休みだった』だけの日もあるけれど(笑い)、同じ日の日記が同じページに重なるので、過去の自分を振り返れて面白いんです。悩みや課題も書くので成長を感じられると嬉しいですが、基本はあまり変わっていないかも(苦笑)。今の私はやりたいことが溢れて余裕がなく、70点。日記帳が終わる頃には100点満点になっていたいです」

 そして次なる10年へ進んだらリセットして、30代の自分に1から点数をつけたいという。そんなふうに前だけを向いて進むまっすぐな生き方も、彼女が内に秘めた強さなのだろう。

●さくらば・ななみ/1992年生まれ、鹿児島県出身。2008年にデビューし、『最後の忠臣蔵』(2010年)でブルーリボン賞・日本アカデミー賞の新人賞を受賞。中国語、韓国語に長け、国際派女優として海外でも活躍。現在は英BBC放送の人気作をリメイクした『13(サーティーン)』(東海テレビ制作/フジテレビ系土曜深夜23時40分より放送『オトナの土ドラ』)で主演を務める。

撮影■鈴木ゴータ 取材・文■渡部美也

※週刊ポスト2020年8月14・21日号

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