三浦春馬さん 自死の前に心揺れた「樹木希林さんの言葉」

三浦春馬さん、若者の自殺を抑止する活動に共感した樹木希林さんの著書を取材で引用も

記事まとめ

  • 1月の『週刊女性』で「よりよく生きる」ことに興味があると話していた三浦春馬さん
  • 若者の自殺を思いとどまらせるための言葉を残し続けていた樹木希林さんの著書を引用も
  • 樹木さんは2018年9月15日に亡くなり、この秋に三回忌を迎える

三浦春馬さん 自死の前に心揺れた「樹木希林さんの言葉」

三浦春馬さん 自死の前に心揺れた「樹木希林さんの言葉」

思いが綴られたノートが部屋から見つかったという

 9月4日、三浦春馬さん(享年30)の四十九日にあたるこの日、亡くなるまでの経緯の詳細を所属事務所が公にした。そこには、三浦さんの死が“自死”であったこと、遺書はなく、思いが綴られたノートが部屋から見つかったこと、未公開作品の公開へ向けて調整が行われていることなどが明らかにされた。

「来年、HuLuで配信される予定だったドラマ『ボーカリスト』では、歌手の夢を追う会社員として主演が決まっていましたが、撮影前だったため、“幻の主演作”となりました。公開が遅れている主演映画『天外者』、来年公開予定の映画『ブレイブ-群青戦記-』は公開の方向で調整されているようです。ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)も、撮影が済んでいる分はすべて、放送すると決まっています」(テレビ局関係者)

 こうして未公開の遺作を眺めるだけでも、三浦さんがさまざまな役を生きようとしていたことがよくわかる。それが、子供の頃から芸能活動をしてきた三浦さんの生きがいでもあった。高校生の頃に、親しい親族に仕事は楽しいのかと聞かれた際には、ぽつんと一言、「いろんな人格になれるのが楽しいんだ」と答えている。

 三浦さんはその言葉の通り、常に、演じること、役を生きることに正面から向き合ってきた。殺人を犯し、その罪に苦しむ役を演じるときは教会に通い詰めて牧師を質問攻めにし、ドラァグクイーンを演じる際には肉体改造を自ら進んで行うほどの熱の入れようだったのだ。

 亡くなって間もなく放送されたNHKドラマ『太陽の子』でも、その姿勢を貫いた。原爆の開発をテーマにしたこの作品で三浦さんが演じた青年は、一時帰宅中に入水自殺を図り、最終的には戦場で帰らぬ人となる。

「この撮影をしていた昨年秋、三浦さんは日記帳に、“散ることを見据えてどう過ごすべきか”という言葉の後に、“壮絶な体験を顔に出すこと無く、作った笑顔で日々を過ごすべきか。苦悩する姿に自分を重ねている”と記していました」(捜査関係者)

 自死を選んだ三浦さんと、死に場所を探すように戦地へ赴き、戦死した青年の姿を重ねると、この言葉はいっそう重みを増す。

 さまざまな役になりきっている間、三浦さんは自分が三浦春馬であることを忘れることができた。役者仕事は三浦さんにとって自らの人生からの逃避の場でもあったのだ。

「とにかく仕事が好きな男という印象でした。ただ、三浦さんが引き寄せていった役柄は、人生や命と向き合う青年の役が多かった。時には、難病を患った役に自ら名乗りを上げたこともありました。いろんな人生を演じていくうちに、彼自身の死生観と俳優業が切り離せないものになっているように見えた。役柄の悩みなのか自分自身が抱えている悩みなのか、境界線が曖昧になっている雰囲気もありましたね」(三浦さんの知人)

 心に闇を抱える脱獄犯を演じた今年、俳優として何に興味があるかとのインタビューに、

《変に思われるかもしれませんが、よりよく生きること》(『週刊女性』2020年1月1日号)

 と答えていたのも、役柄と自分自身の境界線の曖昧さゆえだったのかもしれない。

 このインタビューで、三浦さんは樹木希林さん(享年75)の著書で出合ったという言葉を挙げている。

《“しっかり人の痛みに触れるとか、誰かの思惑をしっかり考えてあげて、そこに寄り添ってあげるっていうことが役者には必要だ”ということが書かれていて》

 2018年9月15日に亡くなり、この秋に三回忌を迎える樹木さんは、俳優活動の傍らで若者の自殺を抑止する活動に共感し、死の直前まで、思いとどまらせようとする言葉を残し続けていた。

 三浦さんは、他人の命に向けた樹木さんの優しい言葉に触れていたのだろうか。その上で、それでも自死を選んだのなら、彼の心は想像を絶するほど揺れ動き、最後の選択を下したのかもしれない。精神科医の片田珠美氏が語る。

「三浦さんのように前日まで普段と変わらない様子なのに突然……というかたは少なくないです。無理に励ましの言葉をかけるのではなく、寄り添ってあげることが何よりも大切ですね」

 一線で活躍し続けた三浦さんと樹木さんは、共演作品が1本もない。四十九日を過ぎると、故人の魂は極楽浄土へいくという。そこで対面する三浦さんと樹木さんは、どんな初共演を果たすのだろうか。

※女性セブン2020年9月24日・10月1日号

関連記事(外部サイト)