CMで「お兄ちゃん」人気 コロナ禍でおうち時間増とも関係か

CMで「お兄ちゃん」人気 コロナ禍でおうち時間増とも関係か

CMでの「お兄ちゃん」ぶりが好評の小栗旬

 時代を反映していると言われるCM。コロナ禍で目立つのが、「お兄ちゃん」が登場するCMだ。いったいなぜか? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

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 最近、CM界では「お兄ちゃん」が人気だ。その代表ともいえるのが、「味の素 ほんだし」の小栗旬。

 約2年前の「うちのみそ汁が、一番うまい」篇では、疲れた顔で突然やってきた妹(杉咲花)のため、兄(小栗)は、ありったけの野菜を入れた美味いみそ汁を作ってやる。うーん。いいお兄ちゃんだ…と思っていたら、この秋から、「うちの満菜みそ汁」篇に次男(神木隆之介)も登場。弟もいたんかい。いきなりやってきた兄の部屋に「女の靴?」と興味津々の次男だが、それが妹だとわかると「なんだお前か」。そして、妹と揃って兄に「ごはん、まだ?」と言い出す。

 一方、「コミックシーモア」CMでは、竹内涼真が中条あやみのお兄ちゃんに。ソファに座った妹は、隣の兄がスマホを見つめる気にかかる。「私の兄はマンガに夢中」。読みたいマンガがじゃんじゃん見つかることを兄に教えられると、「そ。」「りょ。」と心の声(?)で会話する。

 そして、妻夫木聡は「ジャンボ宝くじ」で5人兄弟の“ジャンボ兄ちゃん”こと長男サトシに。長女リホ(吉岡里帆)、次男リョウ(成田凌)、三男ユウマ(矢本悠馬)、次女ミオ(今田美桜)とともにワイワイと暮らしている。「ハロウィンジャンボ宝くじ」CM「ジャンボ兄ちゃんルーレット」篇では、「ハロウィンジャンボマーン!」と呼ばれて出てきたリョウが、全身に宝くじがひらひらする不思議過ぎる姿で全員が沈黙…。

 

 お兄ちゃんCMがウケる理由はどこにあるのか。ポイントは、「お兄ちゃんが二枚目」で、「家の中のシーン」になっているということ。アクションもやれば、シリアスもやる。二枚目俳優が、「お兄ちゃん」になって家にいると、途端にリラックスモードでこんにちは。「味の素」では、妹に「彼女にも(みそ汁)作ってんの?」と突っ込まれたり、弟に「うちは食堂じゃねえって言ってんだろ」と文句を言ったり、「お母さん、元気かな〜」と、ホームドラマのような味わいになる。「おうち時間」が増えた今、家の中でのほっこりした内容は、共感を得やすい強みがある。

 遠慮のない兄と妹という関係性だからこそ、言いたいことも言える。このさっぱり感も重要だ。コミックシーモアの竹内・中条のCMでも、よく見ると、後方で母親らしき女性が背中を向けて何かをしている。家でのんびりしている空気がいっぱいだ。別バージョンでは、涼真兄ちゃんがカメラ目線で女性マンガが充実していることを解説。「しょうがないから、妹に教えてあげるわ」と締めくくる。もしも、この2人が恋愛中のカップルという設定だったら、まったく違う空気になったはず。

 CMですっかり三枚目兄ちゃんになった妻夫木聡は、ドラマ『危険なビーナス』でも、失踪中の弟の嫁と名乗る楓(吉高由里子)に「お兄さま」と呼ばれて、困惑しつつも「好みドストライク」の彼女と行動を共にできて、まんざらでもない様子。妻夫木→兄ちゃん→張り切り過ぎて大丈夫?という構図をCMで学習している私たちは、このドラマでも妻夫木お兄さまが痛い目にあうのではと、想像せずにはいられないのだ。

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