高田文夫の明治座企画 「喜劇」と「寄席」の二本立て

高田文夫の明治座企画 「喜劇」と「寄席」の二本立て

「喜劇」と「寄席」のどちらも楽しめる

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、明治座で行われる「喜劇」と「寄席」の二本立てについて。

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 ジャーン! いよいよ情報解禁です。コロナの前から明治座のスタッフと色々考えていた舞台。企画をたのまれたので「この御時世、こうなったら東京は東京風味でとことん笑ってもらいましょう。来年の事を言うと鬼も笑うので発表しちゃいましょう」という訳で、私の提案は今までどんな“エンタメ好き”も“芸能道楽”も見たことのない、お腹いっぱい……なのにまたおかわりしちゃう「喜劇」と「寄席」の連日二本立てです。

 江戸の風がいつも頬をなでる日本橋浜町「明治座」。この近くで生まれ育ったのが、私の心の中の喜劇王・三木のり平です。明治座でたくさんの爆笑喜劇を生み出しました。その辺のところは出版されたばかりの『何はなくとも三木のり平』(青土社)に詳しいです。

 少し足を延ばせば、私の大学生時代まであった寄席「人形町末広」です。靴を脱いで下足札をもらう畳敷きの古い寄席でした。志ん生、文楽、円生、そして談志、志ん朝まで楽しむことができました。江戸っ子にとってのユートピア、てやんでいな小さなディズニーランドです。

 この土地柄から考えつくのはただひとつ。「喜劇」も「寄席」もぜいたくに両方見せちゃえ……という訳で、明治座スタッフから「いま東京喜劇を作れるのは?」「三宅裕司は熱海五郎一座をやってますから、次にできるのは書いて良し、出て良しの宅間孝行でしょ」「決まり」。

 そんなこんなで第一部はのり平芝居の「俺はお殿様」をアレンジ脚色して「こちとら大奥様だぜぃ!」。出演は宅間、抜群のコメンディエンヌ田中美佐子、前川清、原田龍二、そこへ私の「ラジオビバリー昼ズ」より東貴博、松村邦洋、磯山さやか等でドタバタ大コメディー。

 休憩をはさんで日替りのトークショーがあって、「ビバリー昼ズ寄席」です。私がひと声掛けたらアッという間に集まってくれた気のいい連中です(日によって演者が違いますのでおたしかめの上)。

 これぞ今の東京の演芸という顔付けです。〈漫才〉爆笑問題、ナイツ、サンドウィッチマン、〈落語〉文字数足りないので亭号は略。小遊三、昇太、市馬、志の輔、志らく、彦いち、たい平、一之輔、〈浪曲〉奈々福、太福、〈講談〉神田伯山、そしてザッツエンターテイメント、清水ミチコのオンステージです。どうです? これ程楽しめるショーはないでしょ。アッ談春にオファーするの忘れた。まッいいか。

「よみがえる明治座東京喜劇」2021年1月29日から2月14日まで。昼夜の場合もあり。前売発売は12月13日より。売切れ必至。

■イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2020年11月20日号

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