
三浦春馬さんの“東京の両親”世田谷区のパン店を営む夫妻「彼とファンに救われた」
2021年01月22日 00時28分 NEWSポストセブン
2021年01月22日 00時28分 NEWSポストセブン
2021年01月21日 07時05分 NEWSポストセブン
三浦春馬さんには行きつけのパン店が
東京・世田谷区の閑静な住宅街に、客が3人入ればいっぱいになるほどの小さなパン店がある。創業35年だが、店の外壁はきれいに塗り直されたばかり。近づくと焼きたてパンの香ばしい香りが漂ってくる。ここ「キャッスル」は、昨年7月18日に自ら命を絶った、三浦春馬さん(享年30)の行きつけの店だった。
「春馬くんが好きだったのはシナモンロールとパネトーネ……」
「あとバナナマフィンもよく買ってくれたわねえ」
そうしみじみと話すのは、店を営む安野豊さん(79才)と近江さん(73才)夫妻。三浦さんは10年ほど前からこの店に足繁く通うようになり、2人を「お父さん」「お母さん」と呼んで慕っていたという。
「春馬くんの舞台を見に行こうと思ったらチケットが取れなくて。そうしたら“ぼくが取りますよ”と。楽屋にも招待してくれたんです」(近江さん)
「ぼくがけがをして入院したときは、仕事の合間に病院までお見舞いに来てくれました。本当に優しい男でした」(豊さん)
安野さん夫妻にとって三浦さんは“自慢の息子”、三浦さんからすれば夫妻は“東京の両親”のような存在だった。だが、亡くなる1年ほど前から三浦さんはまったく店に顔を見せなくなった。メールを送っても返信がない。安野さん夫妻が心配するなか、訃報が届いた。
自殺から5か月後、昨年12月11日に三浦さん主演の映画『天外者』が公開されると、安野さん夫妻は幾度となく映画館に足を運んだ。
「何回見ても、涙が出ます。ぼくはそっと涙を拭くくらいに抑えるようにしているんだけど、こいつ(近江さん)は大声で泣いちゃって」(豊さん)
失意の底に沈んでいた安野さん夫妻を元気づけてくれているのは、三浦さんのファンたちだという。
「日本全国どころか海外からも、手作りのカレンダーや写真集などの“春馬くんグッズ”が送られてくるんです。“春馬くんを忘れないで”って。亡くなってから半年経ちますが、いまでもどんどん増えていきますね。それだけ春馬くんは愛されていた。それに、コロナ禍にもかかわらず、皆さんが来てくれているおかげで売り上げも落ちていないんです」(近江さん)
店の外壁は1月頭に塗り替えられたばかりだ。
「お客さんとしても来てくれていた春馬くんの俳優仲間の小川正彦さんがお正月にペンキを塗り直してくれたんです。春馬くんのファンのためにも、店内も外装もきれいにして迎えてあげようって……。春馬くんのおかげで、いろんな人との縁が生まれ、私たちを救ってくれました」(近江さん)
店の中に響くにぎやかなファンの声とシナモンロールの芳ばしい香り。三浦さんにも届いているだろうか。
※女性セブン2021年2月4日号