薬物依存が発覚した沢尻エリカ 依存症になりやすい人の共通の特徴とは?

薬物依存が発覚した沢尻エリカ 依存症になりやすい人の共通の特徴とは?

沢尻エリカ

 合成麻薬のMDMAを所持していたとして麻薬取締法違反容疑で逮捕された女優の沢尻エリカ被告。取り調べによる供述で、10年以上前からMDMAの他に大麻やLSD、コカインといった複数の違法薬物を乱用していたことを明らかにした。

 今月6日には、東京地検から起訴され、沢尻被告側がすぐに保釈請求し、東京地裁がそれを認めたため、同日中に保釈金を支払って保釈されている。

 沢尻被告が使用していたと供述しているこれらの違法薬物は、身体的にも精神的にも依存をもたらし、使うほど身体に耐性ができるため、次第に使用量が増えていくと言われている。そして、結果的には自己破壊的な行動や自殺、または反社会的な行動に走るようになるとも言われている。

 10年に渡って複数の違法薬物を乱用していたという沢尻被告の供述からは、完全に薬物に依存している状態だったことが窺える。

 このような薬物依存やアルコール依存といった物質に対する依存だけでなく、買い物・仕事・ギャンブル・自傷行為・万引きといった、行為そのものに依存する場合も含めて、経済状態や人間関係などといった自分を取り巻く環境を崩すまでに度を超えたものについては、「依存症」と定義されている。

 現在、福島学院大学副学長であり、星ヶ丘病院心療内科医および福島県立医科大学講師を務める星野仁彦医師の著書『依存症の真相』によると、嗜癖が依存症になるまでにエスカレートする人には、共通する代表的な特徴が2つあるという。

 その一つは「アダルトチルドレン(以下AC)」であり、もう一つは「注意欠如・多動性障害(以下ADHD)」を持つ人である。

 ACは誤解されることが多いが、病名ではない。実際には「機能不全家族で養育された子どもが大人になった人」のことを指すもので、著しい自己肯定感の低さや劣等感の強さといった、パーソナリティに軽度の偏りや未熟性がある人のことをいう。

 例えば、家庭不和の環境や、子どもの人生を支配し、子どもの心理的な発達に悪影響を及ぼすような、俗に言う「毒親」のもとで育ったことが原因で、大人になっても思春期の心理状態を抜けることができず、社会に適応することが難しいといった場合などが代表的な表れ方の一つである。

 ACは、そうでない人に比べて精神的なストレスを抱えやすく、ストレスからの逃避行動として何らかのことに依存し、過度にハマりやすい傾向にあると言われている。実際に、依存症の診察で星野医師の元に訪れる患者の大半がACなのだそうだ。

 近年、認知度が高まりつつあるADHDは、脳の軽度の機能障害であり、多動性や衝動性、または不注意といった症状を特徴とする、発達障害の種類の一つである。

 同著によると、ADHDの人の依存症のリスクが高まる理由には、“退屈を嫌うことから刺激を求めやすい”ため、依存がエスカレートしやすいといった点や、“衝動性を抑制する力が弱い”といった、脳の機能的な問題にあるという。

 現代は「依存症の時代」と言われるほど依存症の種類が増加する一方で、ACやADHDについても、認知度が高まるにつれ、世間やネットでは「自分にも心当たりがある」という人が増え始めている。

 もちろん、依存症にまで至る原因は、ACやADHDのみに限らない。依存症は、気質的に凝り性であったり、心配性で不安が強い人も深い関わりがあると言われている。また、もともとの性格などに関係せず、パニック障害など不安を引き起こしやすい精神疾患を発症したことが原因で依存症を併発することもある。あるいは、依存性の高い依存物質が人並み以上によく反応したことが原因といった場合もある。

 沢尻被告が薬物依存である事実以上のことは分からないが、依存症が現代人の身近なものであることは間違いなさそうだ。

参考著書:『依存症の真相〜アダルトチルドレンとADHDの二重奏〜』(VOICE)著・星野仁彦

文:心理カウンセラー 吉田明日香

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