あらためて今、「ラジオ」が注目を集める理由とは?

あらためて今、「ラジオ」が注目を集める理由とは?

あらためて今、「ラジオ」が注目を集める理由とは?

さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYOFMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。3月24日(土)放送のテーマは「ラジオ」。「アー、アー、聞こえますか」。これは1925年3月22日に東京放送局(現在のNHK)が流した、日本のラジオ放送の第一声。それから93年、約1世紀にわたってラジオは時代を伝え続けてきました。今回はそんな「ラジオ」の歴史と魅力を、TOKYO FMの番組の中で詳しい方々に教えていただきました。
(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2018年3月24日(土)放送より)


あらためて今、「ラジオ」が注目を集める理由とは?



◆「ラジオでナチュラルハイになる瞬間」
フリーアナウンサー 吉田照美さん


── 吉田さんはどうしてラジオの仕事を?

もともと僕は喋るのがすごく苦手でした。それを直したくて大学でアナウンス研究会に入ったんですが、当時は深夜放送の第二次黄金時代。TBSラジオの小島一慶さんなどを聴いているうちに深夜放送に深入りして、文化放送の入社試験を受けてアナウンサーになったのが、この仕事をするようになった最初です。

ところが、入社してみると、周囲には喋りが上手い人しかいません。これは絶望的でした。ニュースやスポーツ中継の適正がなかったので、バラエティ番組の表回りといって、街の人の声を拾ったり、バカな体験をする仕事をやったんです。目隠しをして女風呂でインタビューをさせてもらったこともありますが、きっと今はできないでしょうね(笑)。

── それをラジオでやったっていうのがすごいですね。

そんなことをしているうちに「変なアナウンサーがいる」ということが社内に広まったんだと思います。それで、27歳のときに「深夜放送をやれ」と言われました。もともと深夜放送をやりたくてこの道に進んだのですから、後にも先にもこのときほど嬉しかったことはありません。『セイ!ヤング』という番組を2年半にわたってやらせてもらいました。

その次が『てるてるワイド』です。この番組は結果的には当たったんですが、夜9時から始まる番組だったので、深夜と違って中高生がメインで、下手をすると小学生の高学年もいる。それで当時は「やる気ねえなぁ」なんて思っていました。けっきょく、そこは聴いてくれてる人が盛り立ててくれたんだと思います。それに、僕が子どもだと思っていた人たちも、意外と大人の心を持っていたんですね。いま思うと僕が非常に失礼な判断をしていただけでした。

── リスナーが吉田さんを盛り立ててくれたんですか。

ラジオは聴いてくれている人と喋っている人の関係性で、どれだけ盛り上がるかが鍵だと思います。「楽しみたい」と思って聴いてくれている人の気持ちがこっちに伝わると、化学反応が起きるんです。それで、ナチュラルハイになれる瞬間が1年間に1回でもあると、すごく幸せな気持ちになれます。でも、その素晴らしい瞬間はすぐに消えてしまう。だからラジオは良いのかなとも思いますが。

ちなみに僕がマイクに向かって喋るときは、もうひとりの自分に向かって話しかけている感じが一番落ち着きます。言い足りないことが絶対にある。それでも生放送だから向かって行かなくてはならない。そういうときは「もうひとりの自分なら言葉足らずでも理解してくれる」という気持ちで喋るしかないだろうと。マイクの前でひとり喋りをするって、どう考えても異常な状況ですから、それが心を落ち着かせる一番のお守りでした。


◆「ラジオが僕の教科書でした」
プロデューサー 秋元康さん


── ラジオと音楽の関係をどう思われますか?

すごく重要だと思います。阿久悠さんがおっしゃっていたのですが、大ヒット曲がなくなったのは街鳴りがしなくなったからではないかと。みんなヘッドホンで個々に音楽を聴くようになって、ラジオに代表される街のあちこちで流れる音楽を聴く機会が失われました。それで昔のような大ヒット曲が生まれにくくなったんだと思います。

それに、かつては深夜放送からもヒット曲が生まれていました。僕も林美雄さんの番組で石川セリさんの「八月の濡れた砂」を聴きましたし。落合恵子さんがマリー・ラフォレを紹介したり、加藤諦三さんが人生を語ったり、深夜放送のパーソナリティが僕にとっては兄貴や姉貴のような存在でした。

── 秋元さんがこの業界に入ったきっかけは、ラジオと伺いましたが。

土曜日の深夜に放送していた、せんだみつおさんの『足かけ二日大進撃!』に投稿したのが最初でした。受験勉強の合間に聴いていたんですが、特に募集があったわけでもないし、ハガキ職人だったわけでもないのに、平家物語のパロディを書いて送ったら、放送作家の奥山p伸さんが「おもしろいから遊びに来ないか」と。

それが高2の夏で、その年の冬にはレギュラー番組を持っていました。『あおぞらワイド』という昼の番組で、コーナーのアイデアを出したりクイズを作ったりしていたんです。もちろん、高校生なので「あいつを入れて好きなことを言わせよう」みたいなブレーン的なポジションでしたが。

── その後はどんなラジオ番組を手掛けられたんですか?

大学生になる頃には、ニッポン放送でタモリさんの『オールナイトニッポン』や、『ザ・パンチ・パンチ・パンチ』。さらに文化放送でも、ふとがね金太さんの『セイ!ヤング』や、ささきいさおさんの『ペパーミントストリート 青春大通り』などの番組に携わり、そのうち放送作家として原稿も書くようになって、僕の青春はラジオ一色でした。

高3の夏なんて、ほとんどニッポン放送のレコード室にこもって、『タコ社長のマンモス歌謡ワイド』で流す往年の歌謡曲のイントロの口上を書いていましたから。そこで美空ひばりさんの「お祭りマンボ」や、青島幸男さんが作詞した「五万節」を聴いたのが、後にとんねるずのコミックソングを書くヒントになったのかもしれません。


◆「あらためて今、ラジオが注目を集める理由は」
博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 加藤薫さん


── ラジオは今後、どう進化するのでしょう?

スマートフォンの次、と言われているのがスマートスピーカーです。去年の10月くらいから「Amazon Echo」や「Google Home」が話題になっていますが、こういったスマートスピーカーがラジオを聴く新しいデバイスとして注目されています。

というのも、スマートスピーカーはアプリを入れて動かすことができるのですが、そのアプリで実際に使われているものを調べると、日本国内でもっとも使われているアプリが「radiko」なんです。

スマートスピーカーに「radikoをかけて」と言えばポンとラジオが流れます。スマートフォンのロックを解除してアプリを起動して……という手順に較べれば、とても手軽にラジオを聴くことができます。

── 確かに、それは手軽で便利そうです。

さらに、スマートスピーカーに「ニュースを聴かせて」と言えばニュースを聴くことができるのですが、実はこれもラジオ局のニュースが向いています。

今、スマートフォンを経由した情報への接触がだいぶ飽和しているので、引き算をした情報が生活者に刺さりやすくなっています。インスタグラムの「1枚の写真だけの情報」などが典型なのですが、ラジオの「音声だけ」という情報もそのひとつです。

耳から入ってくる情報をどうわかりやすく伝えていくか。それは、映像もある状態とは作り方が異なります。具体的に言えば、テレビ局が作ったニュースをスマートスピーカーで聴くと、ラジオ局が作ったニュースとは全然違うことに驚かれるでしょう。読み上げるテンポも、事実が入ってくる順番も違いますから。そんな耳からの情報を作るプロがいるラジオは、あらためて今おもしろいと思います。


TOKYO FMの「ピートのふしぎなガレージ」は、《サーフィン》《俳句》《ラジコン》《釣り》《バーベキュー》などなど、さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介している番組。案内役は、街のはずれの洋館に住む宇宙人(!)のエヌ博士。彼のガレージをたまたま訪れた今どきの若者・新一クンと、その飼い猫のピートを時空を超える「便利カー」に乗せて、専門家による最新情報や、歴史に残るシーンを紹介します。

あなたの知的好奇心をくすぐる「ピートのふしぎなガレージ」。3月31日(土)の放送のテーマは「チューリップ」。お聴き逃しなく!


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【??この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く??】
聴取期限 2018年4月1日(日)AM 4:59 まで

スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ)
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用頂けます。
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<番組概要>
番組名:ピートのふしぎなガレージ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国37局ネット
放送日時:TOKYO FMは毎週土曜17:00〜17:50(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/garage

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