海抜ゼロメートルに100万人超が暮らす東京…「大水害」の被害想定は?

「未来授業」に水・土砂防災研究部門長・三隅良平氏が登場「東京はもっと被害が出る」

記事まとめ

  • 「未来授業」に水・土砂防災研究部門長・三隅良平氏が登場、「西日本豪雨」を語った
  • 三隅氏は「7月の西日本豪雨では狭い範囲に大雨が降る状況が、数日間続いた」と話した
  • 東京は「海抜ゼロメートル地帯」が広く豪雨災害が起きるともっと被害が大きくなるそう

海抜ゼロメートルに100万人超が暮らす東京…「大水害」の被害想定は?

海抜ゼロメートルに100万人超が暮らす東京…「大水害」の被害想定は?

海抜ゼロメートルに100万人超が暮らす東京…「大水害」の被害想定は?

日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。9月3日(月)の授業講師には、国立研究開発法人 防災科学技術研究所の水・土砂防災研究部門長・三隅良平さんが登場。今夏の「西日本豪雨」と都市災害について話しました。



9月1週目の「未来授業」は、防災科学技術研究所の水・土砂防災研究部門総括主任研究員であり、防災のスペシャリストとして活躍する三隅良平さんを迎え、気象災害と「都市と防災」について話していただきました。未来授1時間目のテーマは「西日本豪雨と都市災害」です。

この夏は、豪雨や崖崩れといった気象災害が日本を襲いましたが、なかでも甚大な被害を受けたのが、西日本でした。三隅さんによると、7月の西日本豪雨では、“線状降水帯”と呼ばれる、雲が帯状に並んで次々に新しい雲が生まれ変わることで狭い範囲に大雨が降る状況が、数日間続いたそうです。また、「普通、集中豪雨は1ヵ所で起こるが、たくさんの場所に次々と起こった」と解説します。

各市町村で、自然災害の想定被害範囲を示す「ハザードマップ」が作成されていますが、今回、岡山県倉敷市で起こった大規模な水害は、「改めてハザードマップを見ると、大雨で水に浸かるとあらかじめ予想されていた場所」だったそうです。ハザードマップに書かれていることが実際に起こりうるのだと、証明される形になりました。

さらに三隅さんは、関東圏、とくに東京は、豪雨災害が起きると、もっと被害が大きくなるだろうと解説します。その理由のひとつは、「海抜ゼロメートル地帯」が非常に広い範囲に及んでいるからです。東京におけるゼロメートル地帯の広さは、100平方キロメートル以上で、そこに100万人以上の方が暮らしています。「雨が降ると、水は必ず低いところに集まってきますから、大規模な洪水が起こった場合、100万人以上の人が避難できるかというと、非常に大変です」と予想します。

ちなみに、東京に海抜ゼロメートル地帯ができたのは、比較的最近のことだそうです。70年代の高度経済成長期に、地下水を汲み上げたことで地盤沈下が起こりました。「今は規制され、それ以上は地盤沈下していませんが、一度沈下すると元には戻らない。非常に危険な状態のまま放置され、たくさんの人が住んでいるため、川が氾濫するととても危険な状態になるだろう」と語ります。

なお、内閣府が2010年におこなった首都圏の大水害についての調査・発表によると、「230万人ほどが避難が必要で、最大で2,600人ほどが亡くなる可能性がある」という、非常にショッキングな報告がされているそうです。首都圏を流れる荒川、利根川などの河川も、“200年に1度”の大雨に耐えられるように改修工事が進められていますが、三隅さんは「最近とくに強い雨が頻繁に観測されるようになっているので、“1,000年に1度”の雨が降ると、やはり氾濫する可能性があります。首都圏は水害に弱い構造。大規模な被害を受ける可能性があります」と警告しました。

次回記事では、「ゲリラ豪雨にあったとき」をテーマに、近年増加するゲリラ豪雨に見舞われたときの注意事項を語った、未来授業2時間目の模様をお届けします。

<番組概要>
番組名:未来授業
放送日時:毎週月〜木曜19:52〜20:00
番組Webサイト: http://www.tfm.co.jp/podcasts/future/

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