コロナ禍の地震災害発生時は“在宅避難”が基本…自宅の防災対策を見直そう

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。4月10日(土)の放送では、東京大学地震研究所の古村孝志教授に「熊本地震」について伺いました。


※写真はイメージです



4月14日(水)で、熊本地震から5年。熊本地震の大きな特徴は、観測史上初めて“震度7の激しい揺れ”が2度観測されたことです。よくある、「本震」と「余震」ではなく、1度目が「前震」、2度目が「本震」とされました。その後も、余震が多かったことも特徴的でした。

そんな熊本地震について、古村教授はこう振り返ります。

「大きな地震が起きて、その後、さらに大きな地震が起こることは稀な現象ですが、何度かあるんです。熊本地震の後に、国の地震調査委委員会が過去に起きた内陸地震を調べたところ、地震が起きた1週間以内に、より大きな地震が起きた例は、十数回に1回ぐらい、そんなに多くはないのですが、たまにあるんですね。

大きな地震が起きると影響を受けて、まわりで別の地震が起きることがあります。まさに熊本地震もそのタイプで、強い揺れが2度起きたことで被害が拡大した。地震はこれで終わりではなく、この後も1週間、特に2、3日は警戒を続けてください。そういう注意喚起を続けるようになってきました」

熊本地震では、4月14日〜16日までに震度1以上を観測する地震が1,909回発生しています。そうしたなかで、「家のなかにいるのが怖い」と車で寝泊まりする被災者が相次ぎました。

熊本県が実施した被災者アンケートによると「自宅被害やインフラ被害がなかった被災者」のうち、約6割が「自動車のなか」に最も長く避難したとのデータがあります。基本は避難所を利用し、1日もしくは数日だけ車中泊をおこなった避難者も含まれますが、多くの避難者が避難手段として車を利用していました。一方で、車中泊による避難者の把握ができなかったほか、エコノミー症候群による死亡事例なども問題となりました。

いまは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、被災生活の手段の1つとして考えられている車中泊。

古村教授は「より自分にとって生活しやすい、安全な空間選択肢の1つとして、車のなかでの避難は十分に考えられます。熊本地震でも新潟県中越地震でも、生活環境の悪い体育館ではなく、校庭に車を停めて避難生活を送ったという方は多いんですよね。もちろん車中は寒いから、エンジンをかけていると排ガスが入ってこないかとか、車のなかでは足を伸ばせないため、縮こまった状態でいると血栓ができてしまったり、エコノミークラス症候群になる可能性がありますので、十分に注意する必要はあります」と警鐘を鳴らします。

エコノミークラス症候群を防ぐためには、水分摂取と適度な運動が大切です。また、トイレに行かなくても済むように、水分補給を控えるのは危険です。妊婦さんや高齢者生活習慣病の方は特に注意が必要になります。

車での生活は選択肢の1つになると話した上で、古村教授は、耐震性能がしっかりしている家を作り、在宅避難することが基本であると話します。現時点で、国をはじめとして、車中泊を推奨している自治体はほとんどありません。なぜなら、被災時もできる限り自宅で普段通りの生活をするほうが、心身に負担がかかりにくいからです。

新型コロナ感染拡大の状況下では、さまざまな避難方法を考えるべきですが、まずは、自分の家の防災対策をしっかりと見直していきましょう。

<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25〜8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

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