申請を怠ると“過料”も…“土地相続の新しいルール”とは? 法務省 大臣官房参事官が解説

青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。8月29日(日)の放送では、法務省 大臣官房参事官の大谷太(おおや・たい)さんに、「土地相続の新しいルール」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、大谷太さん、足立梨花


◆なぜ所有者不明の土地が数多くあるのか…

不動産登記とは、「この土地や建物は自分のもの」ということを法務局に申請して、公に示すものです。申請が認められると、不動産登記簿に土地や建物の詳細や所有者の連絡先となる住所などが記録されます。

しかし現在、不動産登記簿を見ただけでは所有者が分からない土地が、国内でおよそ22%も存在。その面積は、なんと九州本島と同じぐらいに相当し、しかも年々増えているとも言われています。

所有者がわからない土地は、管理が行き届かずに放置をされることが多く、防犯や防災の観点からも、周辺の地域に悪影響を与える可能性が高いため、問題になっています。

例えば、土砂崩れの対策工事が必要な場所に所有者不明の土地があると、工事が円滑に進まず危険な状態のままになってしまいます。そのほか、開発をしたい土地に所有者不明の土地があると、買い取り交渉ができずにいつまでたっても開発が進まず、土地の有効活用ができません。

そもそも、なぜ所有者不明の土地があるのかというと「土地を相続した場合、これまでの登記申請は義務ではなかったため、申請をしなくても不利益を被ることが少ないこともあり、親が亡くなって土地を相続しても、登記申請をしないケースが多くありました」と大谷さん。

そのケースでは、登記簿上は亡くなった親が所有者のままで、実際は子どもなどが所有している、という事態が起こります。なお、所有者不明の土地のうち、およそ3分の2がこのケースに該当し、残りは、所有者が引っ越しをして住所が変わったにもかかわらず、住所変更の登記を申請せずに連絡が取れなくなるケースです。

また近年は、人口が都市部に集中するとともに、高齢化が進んでいるため、「地方の土地を中心に、“所有したい”“活用したい”というニーズが減っており、積極的に登記の申請をしようという意欲が湧きにくくなっている」と指摘します。

◆土地や建物の登記が“義務化”へ…

そこで、土地相続に関する新しいルールが、今後順次変わることに。まず、これまで義務ではなかった、土地に関する相続や氏名・住所変更の登記が義務化されます。また、建物も同様に登記が義務化されます。大谷さんは、「相続登記は2024年までに、氏名・住所変更登記は2026年までに新しいルールが施行される予定」と言います。

このルール改正に伴い、私たちが親などから土地を相続したことを知ってから3年以内に登記を申請しなければ、行政上の罰として10万円以下の過料が科されます。また、住所変更の登記については、住所変更から2年以内に申請をしないと、5万円以下の過料になります。

ただし、例外もあるようで、例えば関係者がとても多くて、登記に必要な書類を集めるのに時間がかかる場合など、「正当な理由があれば過料は科されません」と補足します。

また、新しいルールが定着して登記されるように促すため、簡単に義務を果たせる仕組みも設けられます。さらに、登記の費用を軽減する仕組みも今後検討される見込みです。

そのほか、登記漏れを防ぐための新しい制度も作られる予定で、例えば、親が所有している土地をすべて把握することができずに登記漏れが生じる、ということを防ぐために、親が名義人となっている不動産の一覧の証明書を発行してもらえる制度が設けられます。

◆国に土地を引き取ってもらう制度も創設

そして、相続などにより取得した土地を手放すためのルール「相続土地国庫帰属制度」が新たに創設され、2023年までに施行される予定です。

相続をきっかけに望まない土地を取得することになり、売却をしたくても引き取り手がいない、処分に困っているという方が近年増加。そうした土地を持ち続けていると、固定資産税や管理費ばかりがかかってしまってマイナスの資産になってしまうことから、相続などによって取得した土地であれば、法務大臣の承認を受けることで、国に引き取ってもらうことができるようになります。

ただし、国が引き取ることができるのは、管理や処分に費用や労力があまりかからない土地です。例えば、敷地内に建物などが残っていると解体をしなければなりません。また、土壌汚染がある土地や敷地内に危険な崖がある土地なども対象外となります。

引き取り後、その土地の管理は国へと移行し、発生する管理費などは税金で賄われるため、安易な引き取りを避ける目的で、こうした要件が設けられています。

また、「土地を手放すには、10年分の管理費用に相当する負担金をお支払いいただく必要があります」と大谷さん。その具体的な金額などは、現在、国有地の管理にかかっている費用なども参考に、今後検討されていくそうです。

あらためて、大谷さんは「土地を相続した場合の登記が義務化されるなど、土地の相続に関するルールが大きく変わります。また、所有者不明の土地の解消に向けて、ほかにもさまざまなルールが設けられます。法務省のWebサイトの「未来につなぐ相続登記」というページでは、今回の法改正の内容や、相続登記の促進に関するさまざまな取り組みを紹介しておりますので、ぜひご覧ください」と呼びかけました。

足立は、所有者のわからない土地が多く存在することを初めて知ったそうで、「(相続は)大変だけど大事なことなので、早めに話し合ってほしい。この放送を聴いて、自分がなにからすればいいのかわからなければ、『未来につなぐ相続登記』で調べてもらえたら嬉しい」とコメント。

一方、青木は土地や建物の登記が義務化される新たなルールに着目。「これが、(所有者不明の土地をなくすための)第一歩」と話していました。


(左から)足立梨花、青木源太



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聴取期限 2021年9月6日(月) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30〜7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/

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