野口健「怖くて涙がでましたから」エベレスト下山時に感じた“死の世界”を語る

TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。8月4日(水)のお客様は、野口健さんとお笑いコンビ・マシンガンズの滝沢秀一さん。25歳でエベレスト登頂を果たした野口さん。今回は、そこで感じた“生と死”について振り返りました。

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(左から)野口健さん、滝沢秀一さん


◆死を見つめながら登っていく
滝沢:ちょっと衝撃的だったのが、エベレストの頂上付近のところには、凍った死体がけっこうあるっていうのを聞いて……。

野口:大体、毎年(登山者が)亡くなるんですよね。しかも、遺体を(麓まで)下ろすのがなかなか難しくて。

滝沢:そうですよね。

野口:標高が高いと、特に重たく感じますし。しかも(気温は)マイナスの世界ですから、腐敗することはないんですよ。ですから、本当に遺体の数が年々増えていくんです。

(登山中には)その亡くなった方々がちらっと見えますから。例えば、休憩しようと岩に座ってパッと見たら、同じように座ったまま亡くなっている方も……。なので、最初にエベレストに行ったとき、暗闇のなかでヘッドランプの光を頼りに見ているので、“あの人は休憩しているのか、それとも亡くなられているのか……”って状態で、本当に“生と死”っていうのが非常に身近にあるので。

滝沢:一般的にエベレストに登ることはロマンみたいに感じますけど、それだけじゃなくて、“死を見つめながら登っていく”っていうのがすごいですよね。

◆安心は4分の1くらい

滝沢:山頂まで登った瞬間は、どんな気持ちになるのですか?

野口:僕はエベレスト登頂を2回失敗して、3度目で登れたので、“これで胸を張って日本に帰れる!”とは思いましたね。

滝沢:“安心”みたいなことですか?

野口:いや、安心ではないんですよね。頂上にいるときは、感覚的にいうと(安心が)4分の1くらいなんですよ。

滝沢:へえ! 半分もないんですか!

野口:夜中に最終キャンプを出発して(登頂するまでの)12時間は、ものすごく長い時間なんですね。だから、登頂したときに“えらい遠くまで来ちゃった”って普通に思いましたね。

滝沢:あぁ……

野口:要するに、登り切って“これで日本に帰れる”と思ったのは一瞬で、すぐに我に帰って、“ん? ここまで来たっていうことは、またこれを戻るの?"って思うわけですよ。

滝沢:そういう感覚なんですね。すごい過酷な世界ですね。

野口:“帰らなきゃいけないんだ……”と思って。

滝沢:今も泣きそうな顔で言っていましたもんね(笑)。

野口:実際に怖くて涙がでましたから。下りる自信がないんですよ、崖を下りるときの恐怖があって。そして、下りていくときに“死のオーラ”みたいなのが感じるんですよ、モワンと。

滝沢:死のオーラ?

野口:うん。なんていうんでしょうね……モワンと死の世界が来るんですよ。

滝沢:感覚的にモワンと。

野口:それで、死の世界と向き合っちゃうと、死の世界のほうが絶対的に強くて。要するに、人間の心のなかって、どこか疲れているし隙があるじゃないですか。

そこに(死の世界が)入り込んできて、自分の心の奥底を彼らに一気に掴まれてしまう力強さがあるんです。だから、死の世界がきたと感じたら、一度引き寄せてから、パッと軸をずらすんですよね。かわすっていうのかな。

滝沢:まともに向き合わない。

野口:そうです、逸らすんですね。そうしないと下りるときに、フッといっちゃう方もいるんですよね。

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<番組概要>
番組名:TOKYO SPEAKEASY
放送日時:毎週月-木曜 25:00〜26:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/speakeasy/

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