「100人いれば100通りのBEAMSがある」代表取締役社長・設楽洋が考える“最終目標”とは?

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「DIGITAL VORN Future Pix」。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。4月16日(土)の放送は、株式会社ビームス(BEAMS)代表取締役社長の設楽洋(したら・よう)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)笹川友里、設楽洋さん


設楽さんは慶應義塾大学経済学部を卒業後、株式会社電通に入社。イベントプロデューサーとして活躍する傍ら、1976年に「BEAMS」の設立に参加。1983年に電通を退社し、株式会社ビームスの専務取締役に就任。1987年に代表取締役に就任し、ファッションだけでなく、アート、カルチャーなど幅広い分野で最新トレンドを発信し続けています。

◆BEAMS 立ち上げ当時から変わらない“思い”

昨年45周年を迎え、今ではセレクトショップの先駆け的存在として知られるBEAMSですが、1976年にBEAMS 1号店を原宿にオープンさせたときは、「どちらかというとファッションの店というよりもライフスタイルの店で、その時から“日本の若者の風俗・文化を変えたい”という思いがあった」と設楽さん。

当時の店舗の広さは6.5坪(13畳)、しかも、店舗の約半分にあたる3坪は在庫のストックなどのバックヤードで、売り場スペースはわずか3.5坪(7畳)ながら「次の未来、日本をもっとハッピーにしようという思いだった。それは今も変わらない」と語ります。

オープン当初の原宿は、現在のようにたくさんのお店はなく「ラフォーレ原宿」もない時代。1号店の看板には、屋号である「BEAMS」の文字の上には“AMERICAN LIFE SHOP”と書かれていて、今のようなファッションやセレクト中心のラインナップとは異なり、「生活文化を売る店という感覚で、アメリカのUCLAの学生の部屋を再現していた。(来店した人に)“こんな部屋に住みたい”“こんなライフスタイルをまねしてみたい”と思わせるようなプレゼンテーションでした」と振り返ります。

◆設楽洋が感じた“ファッション業界の転換期”

ファッション業界に40年以上も身を置く立場として、大小さまざまなトレンドの波を感じつつも、とりわけ印象に残っている転換期として「2000年代に入って、eコマース(EC)の文化とリアルのものが拮抗して出てきたことが大きなターニングポイント」と挙げます。

ECの台頭によって「BEAMSの店舗がない地域の人たちもBEAMSの情報やコーディネートを見ることができて、お店に行かなくても商品が買える」とメリットもある一方で、「いわゆる手触りや温もり、質感などが伝わりにくいのがeコマースの弱いところ。ただ、(そうしたデメリットの部分も)どんどん進化してきているので、そういう時代ではなくなってきている」と実感を語ります。


最近のBEAMSは、バーチャルショップのオープンをはじめ、アバターの制作など新たな領域にも踏み出しており、「BEAMSは“時代を映す鏡”でありたい」と設楽さん。「時代の変化に対して“次のちょっと先”を掴んでいたい。今後、デジタルの世界がどんどん進化して、人のライフスタイルも絶対に変わってくると思うので、そのトライアル(試行)は先鞭(せんべん)をつけてやっている」と語ります。

「ECでもリアルの接客に近いことをしたい」という思いは見事に顧客の心を掴み、現在BEAMSの購入のうちECがおよそ30%を占めるようになり、コロナ禍では約43%まで増加。その背景には、個性的なスタッフによるデジタルでの情報発信や、商品購入から決済までワンストップでできる「ライブコマース」のシステム開発などが影響しています。

また、「驚くことに自社サイトの売上の6割以上が、コーディネートやブログといったスタッフ投稿を経由する。つまり“人”についているファンがいて、スタッフの投稿コンテンツがお客さまの心を動かすというのは、リアル店舗に非常に近いと思った」と設楽さん。

◆BEAMSの最終目標

今でも1号店をオープンしたときと思いは変わらず、「オーナーが自分の好きなものを集めて、『それを好きな人、この指止まれ』というのが本来のセレクトショップの業態。BEAMSは大きくなったけど、100人いれば100通りのBEAMSがある。それは非常に正しい姿で、お客さまと“同好の士”みたいな、人とコミュニティをつくるのが最終目標。会社名でも店名でもブランド名でもなく、面白い集団名がBEAMSで、スタッフそれぞれにファンがついているようなコミュニティブランドになりたい」と語ります。

そんな設楽さんが、人材を採用する際に注視しているポイントは「2つある」と言います。1つ目は、“バランスの良い方ではないけど、ものすごく自転車には詳しい”など、一芸に秀でていて同じ趣味の人の気持ちがわかる人。2つ目は、どの会社でもほしくなるような、それぞれについて深くはないけど、いろいろなことに興味を持って常に情報を集めている人。「その両方が(バランスよく)集まっている感じ。よく『動物園の園長のようだ』と言っていますけど、いろんな人がいて面白いけど、コントロールが大変」と笑顔をのぞかせます。

そんなBEAMSでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略にも着手。「まだ実験段階ですが、グループ会社などを活用してVR(仮想現実)や、NFT(非代替性トークン)などのデジタルを活用した新しい世の中も作っていきたい」と展望を述べ、「NFTは、ファッションやアート、エンターテインメントと相性が良いので、未来趣向を自分たちで考えながら、いろいろなサービスで“いかに世の中をハッピーにできるか”ということにトライしている」と語りました。

次回4月23日(土)の放送も、引き続き設楽さんをゲストに迎え、お届けします。BEAMSの成功の秘訣や設楽さんの仕事の流儀についてなど、貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2022年4月24日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/podcasts/futurepix/

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