大川直人「EPICソニー」からスタートした写真家人生、転機となった「渡辺美里のジャケット撮影」を振り返る


大川直人さん、住吉美紀



住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“プロフェッショナルの素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な方をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。

5月2日(月)のゲストは、写真家・大川直人さん。レコードジャケットや音楽雑誌などで多くのミュージシャンと仕事をしてきた大川さんが、人生の転機となった写真撮影のエピソードや、活動40年を記念した展示「大川直人写真展 GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」について語ってくれました。

大川直人さん



1982年にフリーランスカメラマンとしての活動をスタートした大川さん。以降はレコードジャケット、広告、雑誌など、さまざまな分野で写真を撮影しています。現在は、東京・銀座「富士フォトギャラリー銀座」にて、40年におよぶキャリアのなかで積み重ねられた、ミュージシャンの核心と向き合う仕事の膨大な成果を一望できる写真展「GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」が開催中です(〜5月5日(木・祝)まで)。

大川直人さん




現在開催中の写真展「GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」展示作品の中から(尾崎豊さん)



◆写真家として独立したきっかけは?

住吉:25歳のときに独立されたそうですが、ある方のお言葉がきっかけになられたとか?

大川:そうなんですよ。ある大物女優の言葉がきっかけでした。学生時代に映画のスチール(静止写真)とか演劇の写真を撮っていたら、そこで大物女優さんから「あなたは25歳になったらフリーになりなさい」と言われたんです。

住吉:へええ!

大川:その言葉が呪文のように体のなかに入っていきました。

住吉:(25歳という)理由はおっしゃらずに?

大川:何もなかったですね。でも、「そうなんだなあ」って思ったから、25歳でフリーになりました。

住吉:面白い。独立って「えいっ」と決断しないといけないですもんね。

大川:そういうことだったんだろうなって思います。

◆人生を大きく変えた、渡辺美里のジャケット写真撮影

住吉:大川さんは本当に多くのミュージシャンとお仕事をされています。忌野清志郎さん、渡辺美里さん、大江千里さん、槇原敬之さんなどなど。あとは、私が大好きなTM NETWORKのアルバムの写真も撮られていますね。ミュージシャンを撮影し始めたきっかけは? 

大川:同じ高校の先輩が「EPICソニー」(現エピックレコードジャパン)の創成期に、デザイン室に就職したんです。「これから一緒にジャケットを撮っていこうよ」というのが始まりでした。

住吉:人とのご縁で写真家の道が拓かれたと。

大川:そうですね。

住吉:撮り始めたら楽しくなっていったんですか? どういう形で写真家という仕事に広がりが生まれていったのでしょうか。

大川:音楽は中学生の頃から大好きだったんですけども、「EPICソニー」という新しい会社から、次から次へと大きな才能が出てきたのが大きいです。そこで渡辺美里さんとも出会いましたし。

住吉:渡辺美里さんとの出会いも人生の大きな転機だったのですか?

大川:はい。みさっちゃん(渡辺美里)のデビューアルバム『eyes』のジャケットを手掛けたことで、僕の知名度がすごく上がったんですよ。そこからたくさんの仕事をいただけるようになりました。

住吉:(『eyes』は、美里さんの)顔をアップで撮って、前髪をハサミで切っている途中のジャケットでしたよね?

大川さんの転機となった、渡辺美里さんのデビューアルバム『eyes』ジャケット撮影



大川:撮影前、鏡越しにみさっちゃんと話していたのですが、メイクさんが髪の毛を切る瞬間に「これだ!」と思ったんです。

住吉:へええ!

大川:写真スタジオのストロボのところまで来てもらって、そのままの状態で撮影しました。なので、首にタオルがかかったままなんですよね(笑)。

住吉:これ、小道具ではなくって実際に使っていたタオルだったんですね(笑)。

大川:そうなんですよ。

住吉:何を見て「これだ!」って思われたんですか?

大川:そのときの“眼差し”ですかね。女の子って、前髪を切るときに真剣で不安げな顔になりますよね。その表情が「いいな」と思ったんです。

住吉:今でも美里さんとはお付き合いがあるそうですね?

大川:はい。40年、撮り続けています。

住吉:大切な“同志”ですね。

最近はドローンを使った撮影にもチャレンジされている大川さん



◆“図録付き”写真展開催中!

住吉:現在、開催中の展示「大川直人写真展 GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」に毎日通われているとお聞きしました。91点の写真を飾るまでも大変だったと思いますけども、実際に足を運んでみてどう感じますか?

大川:会場に来てくださるみなさん、ものすごく喜んでくれています。なかには涙を流されている方もいらっしゃいましたね。

住吉:好きだったアーティストっていうのもある気がしますし、やっぱり青春時代の思い入れが詰まっている作品だということもあるのかなと想像します。この写真展の開催のきっかけはコロナ禍だったんですって?

大川:コロナ禍で撮影が中止になってしまって、時間がすごくできたんです。モノクロのネガを保管していたので、倉庫に行って全部(のネガを)を引っ張りだして、(展示用の写真を)再セレクトすることができたんですね。

住吉:40年も撮ってこられたわけですから、すごい数でしたでしょう?

大川:そうですね。

住吉:しかも、1人のアーティストに対しても何枚も撮っていらっしゃいますしね。

大川:1枚を選ぶのは大変な作業なんですけども、時間が経っているので当時の目線とは違ったセレクトができているんですよ。今回の展示は、見たことがない写真が多いと思います。

住吉:なるほど! この服装を着ている写真は知っているけど、展示されている写真自体は今回初めて見る、というのがけっこうあるんですね。

大川:ええ。そういうセレクトです。

住吉:これまでの写真を振り返ってみて、どんなことを感じましたか?

大川:僕はバブルの時期も毎日現像をしていたので、「みんなが浮かれた時代に、よくぞちゃんとしたポートレートが撮れていたな」と思いました(笑)。自分でも感心してしまいました。

住吉:(笑)。「自分は真面目に仕事をしてきたんだな」っていう確認ができたわけですね。

大川:そうですね。

住吉:写真を整理していて思い出したエピソードはありましたか?

大川:写真のなかには亡くなってしまった方もいるので、写真1枚の“重さ”というか、写真には記録性があるんだなと思いましたね。

住吉:止まって写っているだけでも、その人の人間性、性格、雰囲気、空気感が伝わるんだなってことを、展示の図録を見て改めて思いました。

大川:(図録は)ポートレート集ということで、ミュージシャン1人に対して、1枚の写真しか出せなかったんですね。1枚で当時のミュージシャンを表現しないといけないので、非常にセレクトは慎重におこないました。

「大川直人写真展 GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」は、5月5日(木・祝)まで東京・銀座「富士フォトギャラリー銀座」で開催しています。5月31日(火)〜6月12日(日)までは神奈川県・横浜にある「神奈川県民ホール・第1展示室」、8月6日(土)〜11日(木)までは東京都・成増の「成増アートギャラリー」で開催予定です。詳しくは公式サイトをご確認ください。


現在開催中の写真展「GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」展示作品の中から(くるり・岸田繁さん)




現在開催中の写真展「GOOD TIME MUSIC 音楽の仕事40年の軌跡」展示作品の中から(松たか子さん)

----------------------------------------------------
??この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限 2022年5月10日(火)AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です⇒詳しくはコチラ
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月〜金曜9:00〜11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/bo/
特設サイト:https://www.tfm.co.jp/bo/aky/

関連記事(外部サイト)