UoCメンバーが語る “メタバースの可能性” 「親密な人とのコミュニケーションに一つの選択肢が増える」

UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

今回のオンエアはMisaがひとりでパーソナリティを担当。6月22日(水)の放送では、UoCテックフィールドディレクターのカズさんこと、須田和博(すだかずひろ)さんとUoCメタバースゼミの担当者・エリカさんがゲストに登場。メタバースの定義や、UoCで実施したメタバースゼミの内容について語ってくれました。

(左から)エリカさん、カズさん、Misa


今回のオンエアでは、UoCで研究している分野の一つ「メタバース」に注目。UoCでメタバースの可能性を探る研究を進めているカズさんとエリカさんをゲストに招き、「メタバースとは何か」「メタバースを通したワクワクする社会創造とは何か」を一緒に考えます。

◆メタバースを定義づけするのは難しい

Misa:リスナーさんのなかには「メタバースってよく聞くけど何なのかわからない」みたいな方がいらっしゃると思うんです。私もメタバースのことは漠然としかわからないですし。NFT、3DCG、VRなど、いろいろありますけども、メタバースとはそもそもどういった定義のものなのでしょう?

カズ:定義は曖昧だと思います。自分の理解では「XR領域」と呼ばれている、AR(拡張現実)とかMR(複合現実)とかVRといった流れのなかに地続きであるもの。かつ、一定の空間のなかでコミュニケーションが発生するものをメタバースと呼ぶことにしようとしているのかなと理解しています。SNSと3DCG空間が合体したようなものみたいな。

Misa:するとSNSはメタバースではない?

カズ:解釈次第なんですよね。エリカさんはSNSはメタバースだと考えていますよね?

エリカ:私のなかでは、インターネットを中心に、自分とは違うもう一つの人格で楽しんで生きている、みたいなことはすべてメタバースなんじゃないかなと思っています。SNSって今のプライベートと地続きでやっている方もたくさんいると思うんですけど、SNSで人格をたくさん作っている人もいます。プライベートと遮断して楽しんだりしていることもあるので、SNSは、けっこうメタバースなんじゃないかなと思っています。顔もわからない方とコミュニティを作っていたりもするので。

カズ:エリカさんはメタバースゼミのなかでも、「SNSのアイコン画像は、アバターと呼ぶべきものである」とも提唱されているんですよ。

Misa:たしかに。自分とは全然違う女の子の顔をアイコンにされている方もいらっしゃったりしますもんね。

エリカ:私はSNSのアイコンってメタバース感があるなあって思っています。

カズ:エリカさんが好きなオンラインゲームももちろんメタバースだし、SNSにもメタバース的なところがある。この前、博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所の発表で、メタバースについて1つのヒントが出てました。エリカさんもユーザーであるDiscord(コミュニケーションツール)などを使って、同じ場所にいない友だちと繋ぎっぱなしでずっと喋っているのも、ある種のメタバース的な生活であると。その話を聞いて、僕はそもそも「電話こそ元祖メタバースなんじゃないの」って思いました。いろんな解釈ができたほうが面白いなと思っています。

Misa:メタバースの定義ってそんなに広いんですね。

エリカ:今のところ、「これだ」ってものがない気がするんですよね。

◆自身のアバターを作るワークショップを実施

Misa:私はオンラインゲームを全然やっていないんですけども、自分の性別とか素性とかをゲーム上で隠せちゃうわけじゃないですか。それって実際やった人はどういった感覚になるんですか?

エリカ:メタバースというよりかは、オンラインゲームとしてアバターや人格を作っているとは思うんですけど、得られる感覚は何種類かあります。自分のリアルを等身大に描きたい人もいれば、なりたかった自分を(ゲーム上で)作る人もいます。あとは、自分が好きなタイプの人を作る方もいますし、本当に多種多様です。それをみんなが認め合って交流できるのも、オンラインゲームという世界の良さかなと思います。

Misa:なるほど。

カズ:エリカさんがメタバースゼミで、自分のオリジナル3Dアバターを作るワークショップをやってくれたんですね。スマホアプリでアバターを作りました。僕もついつい女性のアバターを作ってしまいましたね。

Misa:おお!

カズ:いろんな素材を使って、耳もあれば角もあってヒゲもあってピンク色で、みたいな。面白い体験でしたね。「自分って、こういうのになってみたかったんだ?」っていう感じです。

◆VTuberとのコミュニケーションはメタバース?

Misa:SF映画とかを観ると、最初に風景のシーンが出てくることってあるじゃないですか。そのときに見たことがない看板がよく映っているような気がしますね。(作品の世界が)未来だってことを理解するのは看板のような気がします。

カズ:そうですね。看板という限られたスペースのなかに世界像が凝縮されるみたいですね。今思い出しましたけど、細田守監督が映画「サマーウォーズ」を作ったとき、OZという仮想空間にリアリティを持たせるために「広告をいっぱい配置しないとリアリティが出ない」と思ったそうなんですね。それで、細田監督は金沢美術工芸大学出身なんですけど、同級生で博報堂のCDで須田の同期でもある鈴木克彦さんに「OZのなかの広告ポスターや看板や標識をデザインしてくれ」って頼んだという逸話が残っています(笑)。

Misa:へええ(笑)!

カズ:看板とか広告とかって、わかりやすい“社会のシンボル”になるんだなって思いました。それがメタバースのゼミで最初にやった、木原共さんの「未来の看板をARでつくる」ワークショップでした。そのあとにエリカさんに「VTuber講座」というものをやってもらったんですけど、その講義を聞いて「いまの現実とメタバースの中間に位置するのがVTuberなんだな」って理解が深まりました。

エリカ:作られた架空のアバターと配信画面を通じてVTuberと視聴者がコミュニケーションをしているところ、その融合感をぜひ一度観ていただきたいです。

カズ:アバターを身にまとって実ユーザーとコミュニケーションしているって意味では、すごくメタバースだと思いますね。画面が2Dか3Dかの違いだけですね。

Misa:たしかに。

◆メタバースは新たな関係性を構築できる可能性を秘めている

Misa:エリカさんは、メタバースにどんな可能性があるとお考えですか?

エリカ:無限の可能性があるとは思うんですけど、私が個人的にこうなるんじゃないかなと感じていることがあるんです。親子とか家族とか親密な人とのコミュニケーションに、もう一つの選択肢が増えるんじゃないかなと思っています。

Misa:うんうん。

エリカ:私はゲームのおかげで母と仲良くなれたんですよ。直接会って話すと現実問題の話になって険悪になったりすることもあったんですけど、ゲームを通してだと話がいい意味で逸れるというか。
ゲームのなかの話も踏まえて、コミュニケーションができるんですよね。新しい形で関係が育まれるのって、もしかしたら家族以外にも広がっていくんじゃないかなと思ったりしています。

Misa:なるほど。ありがとうございます。
では最後に恒例の質問を投げかけたいと思います。カズさんにとって、ワクワクする社会創造のタネって何でしょうか?

カズ:ちょっと硬い言葉かもしれないですけど「解放」だと思っています。メタバースのような新技術がもたらす「開放」。現実に捉われない新しい人間関係を得られたり、現実ではできっこないことができたりする。メタバースは、「人生が二度あれば…」っていう願望が実現可能になる仕組みだといえるので、これはワクワクする社会創造のタネなんじゃないかなって思います。

次回6月29日(水)は、ハ?ーチャル美少女ねむさんがゲストに登場します。お楽しみに!

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聴取期限 2022年6月30日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト:hhttps://www.interfm.co.jp/mandala

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