狂言師・茂山千三郎、狂言と健康の意外な関係性に言及「狂言を極めた人って、軒並み90オーバーまで生きているんです」

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」。7月10日(日)の放送では、狂言師の茂山千三郎(しげやま・せんざぶろう)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、茂山千三郎さん、宇賀なつみ



狂言と能の違いについて、茂山さんは「能は悲劇的で歌舞劇、歌い舞うもの。狂言は会話劇で喜劇。それが原則です」と説明。あいさつ代わりに、普段、舞台上でやっている「笑い」をスタジオで披露しました。

宇賀が「狂言にはテーマやルールはあるんですか?」と尋ねると、「何でもありっちゃ何でもありなんですよ」と茂山さん。「男、女、お坊さん、山伏、あるいはカニ、蚊、キツネ、ゴリラ……といった具合に、登場人物の制限があるわけでもないし、何もないです。擬人化するのが得意。もっと広く言うと、『正義』が出てくることもあります。正義くん、悪魔くん、そういう心や概念までも擬人化して狂言ではやっていきます。蚊が人間の姿をして出てきて、相撲取りになって近づいて、思いっきり血を吸うとか(笑)」と話します。

狂言は、自由度が高く身近なことがテーマになっていることもあるのに対し、「能のほうが特別な物語なんですよ。源氏物語とか源平の合戦物語とか。登場人物も源義経や静御前など、有名人が出てくるんですけど、狂言は最初に出てきて、『これはこの辺りに住まい致す者でござる』って言うんですよ。つまり『私はこの辺に住んでいる人です』と、みなさんに一番近い人でいようとするのが狂言の特徴。そこが能と狂言の違い」と解説します。

また、狂言と健康の関係性についての言及も。「狂言を極めた人って、軒並み90オーバーまで生きているんですよ。うちの父は96歳まで現役。おじいちゃんはかなり前ですけど86歳まで現役。今の現役で最高齢は、野村萬先生が人間国宝でいらっしゃいますけど、93歳。萬斎くんのお父さんの万作先生が91歳。舞台でまだ跳んでいるんですよ(笑)。“これって何なのかな?”と思いまして、いろいろな角度から見ていくと、狂言を演じるというなかで、全部健康につながっているんです」と茂山さん。

例えば、先ほど実演してくれた「笑い」は「ストレスが完全になくなります。大きな声を出してストレスをなくす。ナチュラルキラー細胞で免疫力を上げますよね。お腹から声を出していくということは、深い呼吸をしているんです。お腹から声を出すということは、内臓を活性化させているんですよ。ここを動かしながら体を動かして有酸素運動をしているので、それだけで体が元気になってきますよね」と話します。

腰を落として摺り足で歩く動作については「下半身を鍛えるっていうことは、若返りホルモンがすごく出るんですよ。男性も女性も骨盤底筋を鍛える。体を引き締める、足がスリムになる。いいことばかりです。若返りホルモンが活性化していくと、いつまでも若くいられる。摺り足をしていると、アーシングにつながっていくんですね」と話し、期待できるさまざまな効果を紹介しました。


舞台上での「笑い」を実演中の茂山千三郎さん



現在、茂山さんは京都在住。狂言師として、全国津々浦々、海外でも公演をおこなうなど、精力的に活動しています。

宇賀から海外での反応を聞かれ、「ヨーロッパ型、アメリカ型、アジア型、おおよそ3タイプありますね」と茂山さん。「ヨーロッパは、それぞれ自分のところにクラシックを持っているので、帽子をかぶったりドレスアップをしたり、敬意を表して観に来てくれます」と説明。

一方、アメリカでの反応はというと「アメリカは自由なので、ミュージカル的にジーパンにTシャツの人もいるし、ちゃんと正装してくる人もいるし。何がすごいかというと、立って拍手をする人もいれば、途中で帰る人もいます」と話すと、小山は「自分の感情に正直なんですね」と驚きます。

そして、「アジアの人は、お祭りを見るように途中で手を振るわ、声はかかってくるわ(笑)。すべての国がそうではないですけど。一番やりにくいのが日本ですよね」と意外な言葉も。なぜなら、「素直に観ていないから。色眼鏡で観ていますもん。難しいもの、分からないものっていう、能狂言の先入観をすでに持っているでしょ? だから、ここで笑ってはいけないかもしれないっていう感覚。“ここで拍手していいの?”みたいなね」とその理由を語ります。

それを聞いた宇賀は、「確かに、お作法とかが気になってしまって」とうなずきつつ、「もっと気軽に観に行っていいものなんですかね?」と質問。茂山さんは、「僕は両方あっていいかなと思っています」と回答。「フォーマルな催しはひとつの文化として、きちっとした能楽堂の中での公演もあれば、自由に観て“こういうものなんだ”と知ってステップアップしていく形も必要だと思う」と自身の考えを述べました。

次回7月24日(日)の放送も、どうぞお楽しみに!

<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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