「ローカル線」鉄道廃止、バスに転換の可能性も…現状と見直しの新ルール、メリット・デメリットなどを解説!

モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの朝の情報番組「ONE MORNING」(毎週月曜〜金曜 06:00〜09:00)。7月28日(木)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「ローカル鉄道、見直しの新ルール」。学習院大学 非常勤講師・塚越健司さんに解説していただきました。


※写真はイメージです


国土交通省の有識者会議が7月25日(月)、赤字が続くJR各社のローカル線のあり方について提言をまとめました。国の会議が見直しの具体的な条件を示すのは、国鉄民営化後では初めてのことです。条件を満たすローカル線において鉄道を廃止し、バスに転換するところも出てくる可能性があります。

◆「ローカル線の見直しの条件」の内容は?

塚越:まず、1キロメートルあたりの1日の平均利用者数を「輸送密度」と呼びます。これが平時に1,000人未満の区間が見直しの対象になります。路線全体ではなく、特定の区間です。

対象となった区間は、廃線が前提ではないのですが、バスや高速バスへの転換を検討、あるいは存続する場合でも、観光バスなどのテコ入れ策を考えるなど、遅くとも3年以内に結論を出しましょう、となっているわけです。

現在JRは、全国で61路線・100区間が輸送密度1,000人未満ということで見直し対象になっています。ただ、隣接駅間で1時間あたり乗客が500人以上、つまり通勤・通学の利用者が多いところ、あるいは主要な特急・貨物列車が走る路線は対象外なので、実際に対象となるのはもっと少なくなると考えられています。

ユージ:なるほど。1,000人未満だけど、通学など特定の時間に利用者が多いところは除外されるんですね。でも、赤字が続く理由は?

塚越:一昔前に比べて、マイカーが普及していますし、地方は過疎化が問題になっていて、日本全体の人口もなかなか増えないということで、もともと都市部の“ドル箱路線”で稼いで、ローカル線の赤字を補填していました。

ただ、コロナ禍で都市部もダメージを受け、新幹線やJR以外も含めた今年4月の鉄道の全国乗客数は約17億人となったのですが、2019年4月に比べると約2割減ったようです。やはりコロナの影響があるということで、リモートワークや人口減少を考えると、以前の水準に戻るのは考えられないということです。

◆利用者の声、輸送密度が低いローカル線は?

ユージ:今回の見直しについて、利用者から反発はないのでしょうか?

塚越:自治体の方や、そこに住まわれている方たちは、やはり反発していて、JRも配慮しています。例えば近年、JR西日本は「輸送密度2,000人未満」を目安に不採算路線として公表しています。本来なら今回の1,000人未満よりもっと多い数で見直しをして、バス転換などに図りたいところですが、自治体の反発に配慮しているのでは、ということが考えられます。

ユージ:輸送密度1,000人未満のローカル線というと、例えばどんなところがあるのですか?

塚越:いろいろあるのですが、区間が一番多いのはJR東日本です。一例を挙げると、JR東日本の中央本線・長野県の「辰野〜塩尻」間は、547人。あとは、JR西日本の芸備線・広島県の「東城〜備後落合」間は、11人となっています。なかなか非常に厳しい状況なのかなと。

◆ローカル線、バス転換後のメリット・デメリット

ユージ:こういった路線が、例えばバスに転換するかもしれないということですが、メリット・デメリットで言うと、どういったことが挙げられますか?

塚越:メリットは、バスは電車に比べて運行コストが非常に安いことです。1/6〜最大1/13くらい安くなっています。駅の設置やメンテナンスも楽ですし、増便なども簡単です。

デメリットは、電車に比べて時間がかかること。電車は(次の)駅まで(線路上を走って)真っすぐ行けますが、バスは(他の車両も走行している)実際の道を走るので、いろいろ大変なこともあります。

実際、宮城県の気仙沼では東日本大震災の影響で、場所によっては(災害で不通になった線路跡を舗装して)高速バス(バス高速輸送システム:BRT)が走っています。また、2017年の九州北部豪雨で動かなくなった区間も、来年の夏にバスが運行するということで、柔軟な対応はしているのですが、これもいわゆる“選択肢がなかったから”ということなので、やはり地元の方からは電車を望む声が大きいようです。

ユージ:そうなると、今後はどういった話し合いを進めていくべきだと思いますか?

塚越:やはり先ほどの話のように、住民の方の願いはわかるのですが、実情は難しいというところです。例えば、国交省は、鉄道の設備は自治体が保有し、運行はJRがおこなう「上下分離方式」(※)を検討しています。こういったやり方も、1つ考えられます。

(※)上下分離方式……鉄道、空港などの経営において、上部(運行・運営)と、下部(インフラ)の管理をおこなう組織を分離し、それぞれの会計を独立させる方式のこと。

いずれにせよ、今後は既存の大手企業に頼れなくなるケースも多いので、電車にするにしてもバスにするにしても、自治体でより効率的な利用方法(を考え)、自分たちで頑張って何かを作っていく方法を考えていかないと、なかなか厳しいのかなと思いますね。

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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:ユージ、吉田明世
番組Webサイトhttps://www.tfm.co.jp/one/

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