松山ケンイチ “絶食”して挑んだ食事シーンとは? “食べること”を魅力的に描く、荻上直子監督の最新映画「川っぺりムコリッタ」撮影秘話


荻上直子監督、住吉美紀



住吉美紀がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの生ワイド番組「Blue Ocean」。“プロフェッショナルの素顔に迫る”をテーマに、各界で活躍されている素敵な方々をゲストに迎えて話を伺うコーナー「Blue Ocean Professional supported by あきゅらいず」。

9月12日(月)のゲストは、映画監督の荻上直子さん。今回の放送では、9月16日(金)から全国公開される松山ケンイチさん主演映画「川っぺりムコリッタ」について語ってくれました。

荻上直子監督



1972年、千葉県生まれの荻上直子さん。1994年に渡米し、南カリフォルニア大学大学院映画学科で映画制作を学び、2000年に帰国。長編劇場デビュー作「バーバー吉野」で第54回ベルリン国際映画祭・児童映画部門特別賞を受賞します。以降、「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」「彼らが本気で編むときは、」など数々の話題作を発表しています。

荻上直子監督



◆「一生、映画を作り続けていこう」

映画「川っぺりムコリッタ』のメイキングシーンから



住吉:(人生の)転機だなと思うタイミングは、どのあたりですか?

荻上:アメリカから帰ってきた2000年かな? 自主映画「星ノくん・夢ノくん」を作って、それが「ぴあフィルムフェスティバル」で入選したんです。その映画を作り終わったときに、改めて「映画を作ることが面白い」と思えたんです。

もし商業映画の監督にならなかったとしても「一生、映画を作り続けていこう」って心に誓ったんです。当時27、28歳ぐらいで、みなさんけっこう迷える時期だと思うんですけど、自分もすごく悩んでいて。収入もないし、大学で一緒だった友だちはみんな結婚して、子どももできていて、就職もしていて、立派な大人になっていくのを見ながら自分だけが取り残されている感じがしたんです。だけど、映画を作ったことで「自分はこんなことができるんだ」という自信にもなり、映画監督でいようと思いました。

住吉:ちなみに、荻上さんは映画制作のどんなところが面白いと感じますか?

荻上:実は、脚本を書いているときが一番好きです(笑)。

住吉:そうすると「小説家になればいいのでは?」と思う人もいる気がしますが、それとは違うのですか?

荻上:小説と脚本は全然違うんですよ。小説は文才が必要ですけど、脚本はお話や構成を作ることができれば書けるんです。

住吉:お話を作るのが好き?

荻上:そうですね。脚本は数学的で、パズルのような部分がある気がします。

住吉:(作品の登場)人物との関わりで「この人をどこにはめるか」みたいなことですね。面白い! 賞を取ると、「作品を作った」という自信だけではなく、「この作品を良いと思ってくれた人がいる」っていう自信にもなりますよね。

荻上:はい。「ぴあフィルムフェスティバル」のディレクター・荒木啓子さんが、いつも「映画は作るだけじゃなくて、人に見せて初めて完成する」とおっしゃっていて。さすがだなと思いました。

住吉:今も映画を楽しく、面白く作られていますか?

荻上:面白いですね。ただどうしても毎回、「こうすればよかった!」みたいな後悔がすごくあります。

住吉:そうなんですか!?

荻上:「次はもっと」っていう気持ちです(笑)。

住吉:そうですか! できあがった作品を観るときは、達成感もある一方で……。

荻上:苦しいです(笑)。

◆「たま」の楽曲にインスパイアされたストーリー!?

映画「川っぺりムコリッタ』



住吉:荻上さんの最新作「川っぺりムコリッタ」が、9月16日(金)に全国公開されます。映画のサウンドトラックは(13人編成のアコースティック・オーケストラ「パスカルズ」が担当)9月14日(水)にリリースになりますので、そこから1曲「むこりった」をおかけしたいと思います。オンエアする曲についてお話いただけますか?

荻上:元「たま」の知久寿焼さんに作っていただきました。その曲を(知久さんが在籍する)「パスカルズ」さんが演奏しています。

住吉:パスカルズさんのファンなんですよね?

荻上:はい。知久さんが手がけた30年以上前の楽曲に「夕暮れ時のさびしさに」(作詞:知久寿焼、作曲:たま)という歌があって、それの歌詞を調べたときに、「川っぺりムコリッタ」のお話がバーッと浮かんできたんです。

住吉:えっ!? じゃあ元になっている歌なんですね。

荻上:はい。知久さんにもぜひ映画に出ていただきたいと思って、熱いお手紙をお送りして出演していただき、曲も作ってくださいました。

住吉:映画のなかでご出演されて演奏するシーンがありますね。

◆松山ケンイチが絶食して挑んだ撮影

住吉:映画「川っぺりムコリッタ」では、主人公・山田たけしを松山ケンイチさんが演じています。


<あらすじ>
誰とも関わらずに生きていくことを決め、北陸の小さな町にある「イカの塩辛」工場で働き始めた山田(松山ケンイチ)。社長(緒形直人)から紹介された安アパート「ハイツムコリッタ」で生活をスタートさせたある日、隣室の島田(ムロツヨシ)が「風呂を貸してほしい」とやってきて……。



住吉:築50年のアパートの住人やオーナーなどの面白い人たちが、1人で生きていくことを決めた山田に関わってきて、いつの間にか食卓を囲むようになって……というお話です。ご自身のなかでは、どういったところがスタートとなった映画なのでしょう?

荻上:(あるときに観た)テレビで、行き場を失った遺骨のドキュメンタリーをやっていたんです。遺骨をわざと電車に置き忘れる人がいたりして、市役所に行き場のない遺骨がたくさん並んでいる映像を観たんです。「一つひとつの遺骨にどういう人生があったんだろう」っていうところから、お話を考えてみたいなと思いました。

住吉:映画のなかでキーワードとして“孤独死”というのも出てきますよね。最終的に“人と人は関わってなんぼなんだな”と感じました。私も映画を拝見したのですが、すごく面白かったです。あと、荻上監督の映画はいつも“食べる”ということを魅力的に描かれていますよね。食べることに対してのこだわりがあるのでしょうか?

荻上:今回は、死や遺骨をテーマにしているので、その真逆の“生”が食べることに直結しているような気がしていて。(主人公の山田は)お金がないので、米とお味噌汁、庭で採れた野菜のお漬物、あとは塩辛工場の社長からもらった塩辛だけ、っていうシンプルなご飯しかないんです。(そんな山田役の)松山さんは、最初にご飯を食べるシーンに挑んでくださったので、(撮影前に)何日か絶食してくださったりしました。

住吉:そうなんですか!? おいしそうに召し上がっていましたね。

映画「川っぺりムコリッタ」で南詩織役を演じた満島ひかりさんと荻上監督



映画「川っぺりムコリッタ」は、9月16日(金)全国ロードショーです。詳細は公式サイトをご確認ください。

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聴取期限 2022年9月20日(火)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:Blue Ocean
放送日時:毎週月~金曜9:00~11:00
パーソナリティ:住吉美紀
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/bo/
特設サイト:https://www.tfm.co.jp/bo/aky/

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