日本の魅力を再発見! 2015年度からスタートした「日本遺産事業」その取り組みとは?

青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMの番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」。9月18日(日)の放送では、文化庁文化観光担当 参事官の飛田章(とびた・あきら)さんに「日本遺産」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、飛田章さん、足立梨花



◆文化庁が認定する「日本遺産」とは?

世界遺産は、建造物や遺跡、文化的景観などの文化遺産、地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物が生息・生育する地域などの自然遺産、また、その両方を有する複合遺産が登録の対象です。

例えば、文化遺産では姫路城やインドのタージ・マハル、「自然遺産」では屋久島やアメリカ・イエローストーン国立公園が登録されており、その両方を満たす「複合遺産」には、ペルーのマチュ・ピチュなどがあります。

一方、「日本遺産(Japan Heritage)」の選考基準は「ストーリー」。地域の歴史的な魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定したものが登録されています。

また、日本の各地域には有形・無形の文化財が数多く存在していますが、それぞれが魅力的でも、個々に保存・活用されているため、飛田さんは「これらを有する地域の魅力が十分に伝わらないという課題があった」と言います。

そこで文化庁は、地域に点在する文化資源をストーリーのもとにパッケージ化し、「面」として地域全体で活用・発信することで地域の活性化などに貢献するべく、2015年度から日本遺産事業をスタートさせました。ストーリーを語るうえで不可欠な有形・無形のさまざまな文化財群を総合的に活用する取り組みを支援しています。

◆日本遺産に認定された“104のストーリー”

日本遺産に認定された地域では、「観光や産業振興に日本遺産のストーリーを活用して“地域のブランド化”を図ることで、(観光客だけでなく)地域住民の皆さまに改めて地域の歴史に親しむきっかけにもなり、地域のアイデンティティの再確認につながることを期待しています」と飛田さん。

現在では104のストーリーが認定されていて、それぞれのストーリーを「日本遺産ポータルサイト」で公開しています。そこで今回は、そのなかから2つのストーリーを紹介しました。

「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群」(福井県小浜市・若狭町)

「日本海をのぞみ、豊かな自然に恵まれた『若狭』。この地域は古くから、海産物や塩などの豊富な食材を都に送り、朝廷の食を支えた『御食国(みけつくに)』の1つでした。御食国とは、奈良時代以降、都の天皇や貴族に食材を供給してきた国のことです。若狭は御食国の時代以降も『若狭の美物(うましもの)』を都に運び、京の食文化を支えてきました。

江戸時代以降、大量の鯖が運ばれたことから、小浜と都とをつなぐ道はいつの頃からか『鯖街道』と呼ばれるようになり、食材だけでなく、さまざまな物資や人、文化を運ぶ交流の道となります。やがてその交流は、地域の人々との生活とも結びつき、街道沿いに神社やお寺、町並み、民俗文化財などによる、全国的にも珍しいほど多彩で密度の濃い往来文化遺産群が形成されたのです。鯖街道を辿れば、古代から現在にかけて1,500年続く往来の歴史と伝統を守り伝える人々の営みを肌で感じることができるでしょう」

このストーリーが日本遺産に認定され、小浜市ではさまざまな地域活性化プロジェクトが始まっています。

小浜は、かつて鯖の一大産地だったものの、近年では漁獲量が大きく減っていたため、日本遺産認定後、鯖の養殖事業「鯖復活プロジェクト」を開始。鯖街道でつながる京都の酒造業者の酒粕をエサにしているため「小浜よっぱらいサバ」という名称でブランド化しました。

こうした取り組みは、日本遺産に認定されたことによってスタートしたことや鯖街道の歴史とあわせて全国に発信されたことで大きな反響を呼び、現在は養殖場のエサやり体験や、鯖の伝統料理である発酵食「へしこ」や「なれずし」の製造場所の見学などとあわせた産業観光としてもプログラム化されています。

「加賀前田家ゆかりの町民文化が花咲くまち高岡 ―人、技、心―」(富山県高岡市)

「高岡は、今から約400年前に加賀前田家二代当主・前田利長が高岡城を築き開かれたまちです。しかし、利長はその5年後に亡くなり、1615年に出された一国一城令で高岡城も廃城になってしまいます。

しかし、三代当主・利常がさまざまな政策を打ち出し、高岡を城下町から商工業のまちに転換、鋳物や漆工芸などの生産力を高めていきます。一方で、農地や港がある高岡の地の利から、米などの取引拠点となり『加賀藩の台所』と呼ばれるほど栄えて『町民が主役のまち』として発展していきます。

そして、町民はその富を地域に還元して『高岡御車山祭(たかおかみくるまやままつり)』など町民自身が担う文化を形成していきます。そのため、今も高岡のまちを歩けば、その町割りや街道筋、生業、伝統行事などに高岡町民の歩みを色濃く感じることができるのです」

高岡には「高岡漆器」や「高岡銅器」といった日本が誇る伝統工芸があり、「近年は、そうした伝統工芸の技法を使った、今のライフスタイルに合う器なども手がけて注目を集めている」と飛田さん。また、鋳物をはじめ漆器や管笠(すげがさ)などの“ものづくり体験”などもおこなっており、「こうした体験を通じて、高岡市の日本遺産ストーリーを肌で感じることができると思います」と話します。

ほかにも「高岡クラフト市場街」という職人たちと交流できるイベントを開催したり、日本遺産認定を機に、すでにあった職人のイラストキャラクターのバリエーションを増やしたり、高岡市のストーリーに関連する「高岡大仏」「鋳物作業をする人」といった新たなイラストキャラクターを追加するなど、一貫したイメージでのプロモーション活動をおこなっています。

最後に飛田さんは、「日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化・伝統を語るストーリーを日本遺産として文化庁が認定するものです。今回紹介した日本遺産は一例で、全国には魅力的な104のストーリーがあります。これを機に、ぜひ日本遺産を知っていただき、日本の魅力を再発見してほしい」と呼びかけました。

足立は、現在“104”もの日本遺産が認定されていることに驚くとともに、「今まで知らなかったのがもったいないと思いました。これからどこか(の地域)に行くときは、まずその地に(日本遺産の)ストーリーがあるか調べてから行くだけでも、(地域の見え方が)ちょっと変わるんじゃないかと思う」と感想を口にします。

青木は、地域に点在する文化資源を「点」としてではなく「面」として捉えることに着目し、「地域活性化地域に点在する文化資源をストーリーのもとにパッケージ化して、『面』として地域全体で活用・発信することはとても大事ですし、そうすることで地域活性化にもつながると思う」と、さらなる広がりに期待していました。


(左から)青木源太、足立梨花



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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/

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