“失恋の痛み”を作品にした現代美術家、「ソフィ カル」の魅力とは?

“失恋の痛み”を作品にした現代美術家、「ソフィ カル」の魅力とは?

“失恋の痛み”を作品にした現代美術家、「ソフィ カル」の魅力とは?

ラッパー・KEN THE 390とアーティスト・砂糖シヲリがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「TOKYO SOUNDS GOOD」。旬なアートの魅力を発信する「Art Good With artscape」のコーナーでは、原美術館館長・内田洋子さんを迎え、フランスの現代美術家・ソフィ カルについて伺いました。



◆フランスの現代美術家・ソフィ カルってどんな人?
東京・品川にある原美術館では、フランスの現代美術家・ソフィ カルの展覧会「ソフィ カル ─ 限局性激痛」が開催中です。この展覧会は、1999〜2000年にかけて同館で開催されたもので、20年を経た今、再びフルスケールで開催されています。
内田さん曰く、ソフィは「人間の心のひだを見ていくことで知られる世界的な作家」とのこと。「自分、ときには他人の日々を覗き見て人間の内面を暴いていくという制作で知られています。そう聞くと腰が引けるかもしれませんが、作品としてはフランス人の美意識が詰まったような美しい写真あるいは映像、思わず感情移入してしまうようなテキストで構成されています」と説明します。写真やテキストによるレポート的な作品が知られている作家で、今回展示されている作品以外では、生まれつき目の見えない人々に「美しいものとは何か」を問い、そこから生まれる対話をまとめた《盲目の人々》などが有名です。

◆原美術館館長に聞く! この展覧会の見どころ
今回の展覧会は、ソフィ自身の失恋体験による痛みとその治癒を写真と文章で綴った、一連の作品を展示したものです。内田さんによると、30歳のときに手痛い失恋をしたソフィは、そこから立ち直るための手段として「自分の最も辛かった失恋の話を人に聞いてもらい、その代わりに相手が体験した最も辛かった体験談をしてもらう」という試みを始めます。それを1日に1人、3ヵ月間繰り返したとか。ソフィはそれを15年後に作品化したものが今回の展示作品だそうです。
展覧会は2部構成になっており、まずは、失恋のきっかけとなったという日本への旅行から物語が始まります。日本での孤独や楽しさ、恋人から届く言葉などを写真とテキストなどで綴りながら、破局までの日々をカウントダウンするところまでが第1部。パリに戻ってから他人と交換した不幸話を綴り、立ち直る日までをカウントアップしていくものが第2部になっています。


「ソフィ カル―限局性激痛」1999-2000年 原美術館での展示風景
? Sophie Calle / ADAGP, Paris 2018 and JASPAR, Tokyo, 2018



内田さんによると、テキストは刺繍で綴られており、この刺繍がある変化をしていくのだとか。その「変化」に気づく面白さや、機械刺繍ではあるものの「一文字ひと文字、人間の手で縫っているような、迫ってくるような感覚」も味わえるそうです。展示作品に実際どのような仕掛けがされているのか、20年ぶりの機会に鑑賞をされてみてはいかがでしょうか。

<開催概要>
「ソフィ カル ─ 限局性激痛」原美術館コレクションより
会期:開催中〜2019年3月28日(木)
休館日:月曜日
開館時間:11:00〜17:00 (水曜は20:00まで/入館は閉館時刻の 30分前まで)
会場:原美術館
〒140-0001 東京都品川区北品川 4-7-25
お問合せ:03-3445-0651
展覧会公式サイト: https://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/382/

この番組を放送しているGinza Sony Park内にあるartscape GINZAでは、ARコンテンツのエキシビション「AAAR Vol.1」が開催されています。専用のアプリから、3組のアーティストによるARコンテンツをご覧いただけます。会期は2019年3月17日(日)まで。会場や専用アプリの情報はこちら。

【番組概要】
番組名:TOKYO SOUNDS GOOD
放送日時:毎週金曜14:00〜16:55
パーソナリティ:KEN THE 390、砂糖シヲリ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/tsg/

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