子ども条例制定に若新雄純「子どもたちの“反抗権”を取り戻したい」
2023年01月28日 06時00分TOKYO FM+
市川美絵がパーソナリティをつとめるJFN系列で放送されているラジオ生放送番組「Seasoning~season your life with music~」。1月12日(木)の放送は、木曜レギュラーパートナーの若新雄純(慶應大学特任准教授などをつとめるプロデューサー)が出演。最近起きたニュースを独自の視点で解説するコーナー「若新雄純の『色メガネ』」では、滋賀県が打ち出した「子ども目線の条例策定」について取り上げました。

◆滋賀県、子ども目線を重視した条例策定
滋賀県子ども条例が制定された2006年以降、子どもを取り巻く環境が大きく変化していることを受け、新条例の制定を目指すとしています。旧条例では、「子どもを育てる環境づくり」や「子どもを生み育てることの良さを実感できる社会」といった大人の立場からの文言がありましたが、新条例では実際に子どもたちの意見を聞き、“子ども目線”を重視する意向です。
*
このニュースを「めちゃくちゃ注目している」と関心を示す若新。「“子どもの権利”とは何なのか、声を大にして考えておきたい」と切り出した上で「この国は、子どもにはちゃんとした人権はないなと、ずっと感じて生きてきた。でも、子どもと言われる年齢の人は、“子どもだから”と優先してもらえるなど手厚い保護の対象でもあった」と言います。
そして、「子ども条例や“子ども目線”の社会というのは、子どもを大切にしようとか、“守ってあげよう”という話ではない」とし、「人権という言葉が適切かどうかはわからないけど、これまでの社会では子どもに与えられた人権なるものは半分で、保護者が子どものほとんどのことを基本的に決めることができた」と説明。
小学校高学年ぐらいになると、いろいろな物事を自分で見通したり、感じたりするようになります。中学校の進路や習い事などを例に挙げ、子どもの「こうしたい」という決断を「親が『ダメ』『こっちにしなさい』などと言って(その決断を)変えられてしまっても子どもは訴える場所がなかった」と話します。
続けて「子どもには子どもなりの『それを続けたい』『選びたい』ということをちゃんと主張して、間違った選択をしてしまうことも含め、それをもう少し大切にされる権利があるんじゃないか」と若新。だからといって、多感で判断能力が十分ではない10代半ばぐらいの時期に「子どもを突き放して、子どもたちに権利があるのだから選択を間違ったとしても、すべて自分で責任を取れということかというと、それはできない部分もある」とも。
そして若新は「親や大人や社会がある程度子どものことを守りつつも、そういった(子どもが)自分で何かを決めるとか選ぶということを、もっと重視していくような社会のあり方を、いま議論し始めている」とし、今回の“子ども目線”の話とセットになって盛り上がってほしいこととして挙げたのは、「“反抗権”みたいなものを取り戻したい」ということ。
例えば、「この学校に進学したい」など、子ども側に決意があったとしても、学費を払う立場の親に反対されて「それならお金を出しません」と言われてしまうと、子どもたちが自分の意見を主張するにも限界があるため、「子どもたちの間で“反抗はコスパ(コストパフォーマンス)が悪い”となってしまったのだと思う」と若新。
一方で、若新にはこのような発想も。「もし社会に“反抗権”なるものがあり、子どもたちが自分の主張をしても(親に反対されて)納得がいかなかった場合、子どもたちは第三者を交えて、親に反対されたことを(議論して)実現できるような場があるなら、変わってくるかもしれない」と持論を展開します。
改めて若新は「10代の頃からきちんと自分の意見や選択と向き合うことをもっとやっていくと、“若者のあり方”みたいなものが変わってくる。それにつながるすごく大事な問題。日本の未来のためにも、ぜひ思春期の反抗権みたいなものを盛り込んでほしい」と主張しました。
番組Twitterには、リスナーから早速メッセージが寄せられ「『コスパが悪い』はめちゃくちゃわかる。親に言ったって、『ダメ』と言われるのがわかっていたから、言わなかったなぁ」という共感の声が。
若新は「もちろん正解はないのだけれど……」と前置きしつつ、「子どもたちが反抗すれば(主張する)すべてが認められるということではなくて、反抗する権利がある上で、その主張が妥当かどうかを閉じ込めてしまわないこと。そういったことを模索し続けることが社会にとって大事だと思う」と主張します。
続けて「とはいえ、子どものことを親の保護下に置けないことのほうがむしろ危険。子どもたちは経済的にまだ自立できていないから、主張しても自分の思い通りにならないことはわかっているけど、『それでもこうしたい!』と言える権利を親の保護下に置きつつも認めてあげることが大切ではないか」と提言しました。
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<番組概要>
番組名:Seasoning~season your life with music~
放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、副島淳(水曜)、若新雄純(木曜)
番組Webサイト:https://audee.jp/program/show/38286

木曜レギュラーパートナーの若新雄純
◆滋賀県、子ども目線を重視した条例策定
滋賀県子ども条例が制定された2006年以降、子どもを取り巻く環境が大きく変化していることを受け、新条例の制定を目指すとしています。旧条例では、「子どもを育てる環境づくり」や「子どもを生み育てることの良さを実感できる社会」といった大人の立場からの文言がありましたが、新条例では実際に子どもたちの意見を聞き、“子ども目線”を重視する意向です。
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このニュースを「めちゃくちゃ注目している」と関心を示す若新。「“子どもの権利”とは何なのか、声を大にして考えておきたい」と切り出した上で「この国は、子どもにはちゃんとした人権はないなと、ずっと感じて生きてきた。でも、子どもと言われる年齢の人は、“子どもだから”と優先してもらえるなど手厚い保護の対象でもあった」と言います。
そして、「子ども条例や“子ども目線”の社会というのは、子どもを大切にしようとか、“守ってあげよう”という話ではない」とし、「人権という言葉が適切かどうかはわからないけど、これまでの社会では子どもに与えられた人権なるものは半分で、保護者が子どものほとんどのことを基本的に決めることができた」と説明。
小学校高学年ぐらいになると、いろいろな物事を自分で見通したり、感じたりするようになります。中学校の進路や習い事などを例に挙げ、子どもの「こうしたい」という決断を「親が『ダメ』『こっちにしなさい』などと言って(その決断を)変えられてしまっても子どもは訴える場所がなかった」と話します。
続けて「子どもには子どもなりの『それを続けたい』『選びたい』ということをちゃんと主張して、間違った選択をしてしまうことも含め、それをもう少し大切にされる権利があるんじゃないか」と若新。だからといって、多感で判断能力が十分ではない10代半ばぐらいの時期に「子どもを突き放して、子どもたちに権利があるのだから選択を間違ったとしても、すべて自分で責任を取れということかというと、それはできない部分もある」とも。
そして若新は「親や大人や社会がある程度子どものことを守りつつも、そういった(子どもが)自分で何かを決めるとか選ぶということを、もっと重視していくような社会のあり方を、いま議論し始めている」とし、今回の“子ども目線”の話とセットになって盛り上がってほしいこととして挙げたのは、「“反抗権”みたいなものを取り戻したい」ということ。
例えば、「この学校に進学したい」など、子ども側に決意があったとしても、学費を払う立場の親に反対されて「それならお金を出しません」と言われてしまうと、子どもたちが自分の意見を主張するにも限界があるため、「子どもたちの間で“反抗はコスパ(コストパフォーマンス)が悪い”となってしまったのだと思う」と若新。
一方で、若新にはこのような発想も。「もし社会に“反抗権”なるものがあり、子どもたちが自分の主張をしても(親に反対されて)納得がいかなかった場合、子どもたちは第三者を交えて、親に反対されたことを(議論して)実現できるような場があるなら、変わってくるかもしれない」と持論を展開します。
改めて若新は「10代の頃からきちんと自分の意見や選択と向き合うことをもっとやっていくと、“若者のあり方”みたいなものが変わってくる。それにつながるすごく大事な問題。日本の未来のためにも、ぜひ思春期の反抗権みたいなものを盛り込んでほしい」と主張しました。
番組Twitterには、リスナーから早速メッセージが寄せられ「『コスパが悪い』はめちゃくちゃわかる。親に言ったって、『ダメ』と言われるのがわかっていたから、言わなかったなぁ」という共感の声が。
若新は「もちろん正解はないのだけれど……」と前置きしつつ、「子どもたちが反抗すれば(主張する)すべてが認められるということではなくて、反抗する権利がある上で、その主張が妥当かどうかを閉じ込めてしまわないこと。そういったことを模索し続けることが社会にとって大事だと思う」と主張します。
続けて「とはいえ、子どものことを親の保護下に置けないことのほうがむしろ危険。子どもたちは経済的にまだ自立できていないから、主張しても自分の思い通りにならないことはわかっているけど、『それでもこうしたい!』と言える権利を親の保護下に置きつつも認めてあげることが大切ではないか」と提言しました。
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<番組概要>
番組名:Seasoning~season your life with music~
放送日時:毎週月曜~木曜 13:30~15:55
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国20局ネット
パーソナリティ:市川美絵、角田陽一郎(月曜)、副島淳(水曜)、若新雄純(木曜)
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