甚大な被害のトルコ・シリア大地震…「日本」でも起こる可能性アリ!? 専門家が解説
2023年03月05日 06時00分TOKYO FM+
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。2月18日(土)の放送では、地震地質学の専門家で東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授に「トルコ・シリア大地震」について伺いました。

2月6日(月)にトルコ南部を襲った大地震。トルコ・シリア当局によると、亡くなった方は、2月15日(水)までに両国で合わせて4万人を超えました。また、トルコでは900万人以上が被災し、約4万7,000棟の建物が倒壊または損壊、シリアでは1万1,000人以上が家を失うなどの甚大な被害が出ています。
今回の大地震は、長さ250kmの長大な活断層が90秒かけて次々と破壊する“連動型”であることが分かってきました。遠田教授は、「余震域も含めて、実に広大なエリアで被災が起きています。地震そのものが、阪神淡路大震災や熊本地震よりも相当大きな規模ですし、日本で例えると、中央構造線の大部分が動いたような巨大な地震だったと思われます」と解説します。
そして、今回の地震は日本にとっても他人事ではありません。なぜなら、似たような長大断層が日本にもあるからです。例えば、長野県から山梨県に延びる糸魚川−静岡構造線断層帯や近畿から四国、九州に及ぶ中央構造線断層帯です。
また、被災地域周辺は、連日最低気温が氷点下となっています。災害医療国際協力に詳しい東北大学災害科学国際研究所の佐々木宏之准教授は、低体温症の危険について、現在の被災状況と照らしながら、次のように話します。
「震源に近いトルコ・カフラマンマラシュ県の(地震発生時の)最低気温は、マイナス4℃・風速2mですので、あっという間に低体温症、もしくは凍傷になっても全然おかしくない環境です。このままの状態が続けば、当然短時間で命の危険にさらされます。この対応として、屋内へ退避する際は、冷たい床、コンクリートなどから体熱が奪われてしまいますので、断熱マットや段ボールを敷いて、そういった場所から回避する。
とはいえ、暖が取れて、避難できる場所が十分になく、テントや毛布、暖房器具、生きていくために必要な水や食料も足りていない印象を受けます。なので、助かった命が失われないようにする支援もリンクしてやっていく必要があると考えています」
現地では、今も懸命な救助活動が続いています。トルコ大使館では、専用の口座を開設して義援金での支援を呼びかけています。義援金は、トルコ災害緊急事態対策庁に届けられ、現地の人道支援などにあてられるということです。
その他、国連難民高等弁務官事務所や日本ユニセフ協会なども寄付金を呼びかけています。遠く離れた日本でできることの1つが“募金”です。あなたの行動が、現地の支援につながります。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/

※写真はイメージです
2月6日(月)にトルコ南部を襲った大地震。トルコ・シリア当局によると、亡くなった方は、2月15日(水)までに両国で合わせて4万人を超えました。また、トルコでは900万人以上が被災し、約4万7,000棟の建物が倒壊または損壊、シリアでは1万1,000人以上が家を失うなどの甚大な被害が出ています。
今回の大地震は、長さ250kmの長大な活断層が90秒かけて次々と破壊する“連動型”であることが分かってきました。遠田教授は、「余震域も含めて、実に広大なエリアで被災が起きています。地震そのものが、阪神淡路大震災や熊本地震よりも相当大きな規模ですし、日本で例えると、中央構造線の大部分が動いたような巨大な地震だったと思われます」と解説します。
そして、今回の地震は日本にとっても他人事ではありません。なぜなら、似たような長大断層が日本にもあるからです。例えば、長野県から山梨県に延びる糸魚川−静岡構造線断層帯や近畿から四国、九州に及ぶ中央構造線断層帯です。
また、被災地域周辺は、連日最低気温が氷点下となっています。災害医療国際協力に詳しい東北大学災害科学国際研究所の佐々木宏之准教授は、低体温症の危険について、現在の被災状況と照らしながら、次のように話します。
「震源に近いトルコ・カフラマンマラシュ県の(地震発生時の)最低気温は、マイナス4℃・風速2mですので、あっという間に低体温症、もしくは凍傷になっても全然おかしくない環境です。このままの状態が続けば、当然短時間で命の危険にさらされます。この対応として、屋内へ退避する際は、冷たい床、コンクリートなどから体熱が奪われてしまいますので、断熱マットや段ボールを敷いて、そういった場所から回避する。
とはいえ、暖が取れて、避難できる場所が十分になく、テントや毛布、暖房器具、生きていくために必要な水や食料も足りていない印象を受けます。なので、助かった命が失われないようにする支援もリンクしてやっていく必要があると考えています」
現地では、今も懸命な救助活動が続いています。トルコ大使館では、専用の口座を開設して義援金での支援を呼びかけています。義援金は、トルコ災害緊急事態対策庁に届けられ、現地の人道支援などにあてられるということです。
その他、国連難民高等弁務官事務所や日本ユニセフ協会なども寄付金を呼びかけています。遠く離れた日本でできることの1つが“募金”です。あなたの行動が、現地の支援につながります。
<番組概要>
番組名:防災FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/
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