地方に「移住」するだけで“支援金”がもらえる!? 東京一極集中の緩和を目指す「デジタル田園都市国家構想」とは?

青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。5月14日(日)の放送では、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局 審議官の布施田英生(ふせだ・ひでお)さんをお迎えして、「地方が日本の主役になる! デジタル田園都市国家構想」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、布施田英生さん、足立梨花



◆「デジタル田園都市国家構想」核となる4つの取り組み

デジタル田園都市国家構想とは、デジタル技術の活用によって、地域の個性を活かしながら、地方の課題解決や魅力向上を実現し、“全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会”を目指す構想のことです。

例えば、地方が抱える大きな課題の1つは人口の減少です。日本全体で見ても少子高齢社会なのに、若者が東京などの大都市圏にどんどん流出してしまい、地方の高齢化が加速しています。それによって働ける世代が減り、後継者不足などで廃業する企業も出てきて働く場所も減ることから、若者はますます都市に流出してしまいます。

しかし、その一方で、地方には豊かな自然や歴史、おいしい食べ物、多様な文化などの魅力に溢れていて、これからの地域の活性化に期待が持てる場所でもあります。さらに、日本の農林水産業を支えてくれている大事な側面もあります。

こうしたなか、過疎化や東京圏への一極集中など、社会の課題をデジタル技術によって解決するだけでなく、地方をもっと魅力的にして活性化を加速していこうというのが「デジタル田園都市国家構想」です。

この構想について、布施田さんは「まず、地方の社会課題の解決や地方の魅力を向上させるための重要な要素として4つの取り組みを進めています」と言います。その4つとは、“地方に仕事をつくる”“人の流れをつくる”“結婚・出産・子育ての希望をかなえる”“魅力的な地域をつくる”です。

既にこれらの重点ポイントをおさえ、デジタル技術を活用した事例があります。宮城県丸森町では、産婦人科や小児科のある医療機関がなく、ちょっとした通院でも長い移動時間をかけなければ診療してもらえない状況でした。

そこで、母子健康手帳をアプリ化した“母子手帳アプリ”の提供を開始。これによって、保護者に必要な情報を最適のタイミングで提供したり、保健師などとオンラインで相談できるシステムを構築するなど、妊娠・出産・子育てをしっかり支援できるようになりました。

また、出産直後は複数の予防接種を受けなければなりませんが、そうしたスケジュールの管理がしやすくなるなど、このアプリが医療サービスの向上に役立っているそうです。

さらに、保護者と自治体がデータを共有することによって、「子育てに関する地域のイベント情報や自治体からの支援金などの情報も提供されますので、保護者にとっても、自治体にとっても役立っています」とメリットを挙げます。

◆東京一極集中の課題を解決するための支援策とは?

続いては、“東京圏へ人が集まりすぎている”という課題を解決する支援策について。新型コロナウイルスの影響でテレワークが進んだことや地方の魅力が再認識されていることなどを背景に、近年は、地方移住への関心が高まっています。内閣府がおこなった調査によると、東京圏に住んでいる人のうち、地方移住へ関心を持つ層は全年齢層で増加しており、特に20代ではその傾向が強く見られました。

デジタル田園都市国家構想では、地方に仕事や人の流れをつくり、さらに子育て環境も改善するなど、課題解決に向けた支援策を打ち出しています。布施田さんは、「テレワークやサテライトオフィスなど、東京圏ではなくても地方から仕事ができる環境づくりを支援しています。また、東京圏の企業が地方に移転する際の支援も“転職なき移住”として支援しています」と説明。

また、一定の条件があるものの、東京圏から地方へ移住して起業や仕事をおこなうなど、地域の活性化に貢献している場合には支援金が支給されます。移住して地域の中小企業などに就職したり、テレワークで移住前の業務を継続するなどの条件はありますが、それらを満たして移住先の自治体に申請すれば、移住支援金として、世帯なら最大100万円、単身者なら最大60万円が支給されます。

この支援事業は今年度さらに拡充されており、今まで18歳未満の子どもと一緒に移住する場合には、子ども1人あたり最大30万円が加算されていましたが、これが100万円に増額。また、これに加えて、移住して地域の課題解決に役立つ社会的事業を起業する場合は別途、起業支援金として最大200万円が支給されます。これらの支援事業は、まさにデジタル田園都市国家構想の重点ポイントと言えます。

布施田さんは、「地方への移住を支援する事業には自治体ごとの取り組みもありますので、お考えになっている移転先の自治体に問い合わせていただくようお願いします」と補足。そして、企業に向けては「地方で地方創生につながる取り組みを検討される際には『企業版ふるさと納税』をご活用ください」と紹介します。

そして、最後に「デジタル田園都市国家構想を推進する取り組みは、今回ご紹介した取り組み以外にも多岐にわたります。まずは、デジタル田園都市国家構想とはどのようなものなのか、ぜひ『デジタル田園都市国家構想』の公式サイトをご覧になってください。これからは地方が日本の主役になる、そんな未来が始まっています!」とアピールしました。

足立は、今回のテーマで印象に残ったこととして「移住支援金の手厚さ」を挙げ、「(地方に)移住するだけでお金がもらえる時代なんてあるんだと思いました」と驚いていると、青木も「(その制度を)知っているか知らないかで全然違いますよね」と大きくうなずきつつ、地方の社会課題の解決や地方の魅力を向上させるための4つの取り組みに着目。「“『デジタル田園都市国家構想』って何だろう?”と思っている方がまだいらっしゃるかもしれませんが、まずは4つの取り組みを進めているということを覚えておいていただきたい」と話していました。


(左から)青木源太、足立梨花



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聴取期限 2023年5月22日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/

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