土器には虫が500匹…!? 縄文時代の発明をひもとく

土器には虫が500匹…!? 縄文時代の発明をひもとく

土器には虫が500匹…!? 縄文時代の発明をひもとく

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。4月 14日(日)のゲストは、縄文時代についての著書も多数あるフリーペーパー「縄文ZINE」の編集長・望月昭秀さん。縄文時代の人々の暮らしについて高須と語り合いました。


望月昭秀さん、高須光聖



◆「わからない」が面白い

高須:縄文時代にものすごく詳しい、「縄文ZINE」という雑誌を作っている人がいると聞いて、ぜひお話を聞きたいと思って。縄文時代を扱うテレビや雑誌、最近ちょっと増えてきてません?

望月:去年、東京国立博物館で「縄文−1万年の美の鼓動」という特別展があって、増えましたよね。僕が「縄文ZINE」を始めたのは2015年なんですが、当時は縄文のことを話す相手がいなくて、寂しくて出したところはありますね。

高須:なぜ、縄文に興味を?

望月:もともと好きではあったんですけど、勉強してきたわけではなく、遺跡や考古館に行ったら楽しくて。 40歳手前くらいのころですね。一番面白いと思ったのは、縄文時代のことって、実はよくわかっていないということ。文字がない時代なので、文献がないんです。

高須:言葉はあったんですか?

望月:言葉はいろいろあったと思います。

高須:でも文字がないから、記録には残っていないと。

望月:そうなんです。あらゆることが確定的には言えない時代。今は検索すれば何でも調べられますけど、それでも縄文時代に関しては全然わからない。「今の世の中で、これだけわからないものはない!」というのが、すごく面白いなぁと。

高須:じゃあ自分で調べてみようと?

望月:僕は研究者ではないので、調べるというよりは、研究者が発表したことや、遺跡に行った経験からですね。考古館には面白いものがいっぱい置いてあるんです。土器、土偶、石器……そこで人は何を考えていたんだろうな、と考えるのが面白いです。

高須:僕もそういう気持ちはわかります。土器を見て、「大昔、これを誰かが無心で作ったんだ」と想像すると、うっすら楽しい。小学校のとき、担任が城や寺に連れて行ってくれたんですが、誰かが「これはピストルで撃った傷じゃないか!」と勝手に言い出すと、その瞬間ワクワクしたんです。歴史上、誰にも語られることがない弾がここに貫通したかと思うと。

◆旅への憧れは「定住前の記憶」?

望月:この間、北海道の道南に行きまして。道南の縄文文化を国内外に発信する「道南縄文応援大使」に任命されたんです。

高須:あのあたりにも縄文人はたくさんいたんですか?

望月:いました。しかも北海道は弥生時代がなく、「続縄文」という文化が続いていました。

高須:簡単に言うと、縄文時代と弥生時代はどう違います?

望月:縄文時代は狩猟採集が生業で、弥生時代はそこに稲作が入ってきます。ちなみに、それより前の、旧石器時代と縄文時代の違いは、定住生活と土器です。

高須:定住か〜。すごいことですよね。

望月:國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」という名著には、定住という発明によって、初めて暇と退屈が生まれたということが書いてあります。ずっと移動生活を続けていた人類は、移動先の環境に慣れるのにすごく能力を使っていたんです。どこに危険があるかとか。定住によって初めて、新しいこと覚える必要がなくなり、暇と退屈という、文化を作り出す大切なスペースができたんです。

高須:その一方で、子どものころ自転車に乗れるようになったとき、ちょっとずつ家を離れたくなる気持ちってあったじゃないですか。行ける範囲が増える喜びとか。

望月:それはもしかしたら、定住前の記憶が残っているのかもしれない。旅への憧れも、定住前の記憶があるからかなと思ったりします。そして、定住と並んで、土器もまた大きな発明の1つです。道南で土器を見せてもらったんですけど、ちっちゃい子どもの歯型がついているんですよ。きっと、ろくでもない子どもがイタズラで噛んじゃったんだろうなと(笑)。ほかにも、コクゾウムシが500匹練り込まれた土器が見つかってるんですね。さすがに多いので、わざとでしょうね。

高須:バカなやつがいますね〜(笑)。でもたしかに、暇じゃないとやらないですね。「今日暇やな〜、何しよう? 土器焼いてみる? 普通に焼いても面白くないし……」と。

望月:それでたぶん、粘土を練ってるときに入れたんでしょうね

◆縄文人も不倫した?

高須:縄文人の生き方って、どういうスタイルだったんですかね?

望月:よくわからないんですよ。日本のほかの時代と違って、出てくるものが全部、庶民の生活の道具なんです。古墳時代以降は権力者の歴史しか出てこないんですが、縄文時代は、権力者もそんなにいないし、お墓を見ても貧富の差がないんです。

高須:平和な時代だったんでしょうかね。

望月:平和だったと言うと「そんなことない!」と怒り出す人もいるんですけど(笑)、相対的には平和ですよね。

高須:もしくは、敵が近くにいたり、大変なことがまわりにあったりしたから、人間同士で上下を作るより大切なものがあったのかもしれない。

望月:そうですね。生きること自体が大変な時代だったと思うんです、今に比べたら。

高須:縄文人の獲物は何だったんですか?

望月:シカとかイノシシとかウサギとか、小さな動物たちでしょうね。ヤジリに毒などを塗って狩猟していたと思います。

高須:なかなかの知恵があったんですね。

望月:もちろんです。脳の性能としては、現代人と変わらないです。

高須:恋愛観も、今とは違えど、同じように燃え上がることはあったんでしょうね。

望月:“道ならぬ恋”みたいなものも、多分あったと思いますね(笑)。

最近は、江戸から明治の放浪絵師・蓑虫山人に興味があるという望月さん。雑誌「Discover Japan」にて、蓑虫山人についての連載もスタートするそう。来週も望月さんをゲストにお届けします、お楽しみに。


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【番組情報】
タイトル:空想メディア
放送日時:毎週日曜 25:00〜25:29
パーソナリティ:高須光聖
番組HP:https://www.facebook.com/QUUSOOMEDIA/

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