村上春樹 パリ公演で感じた“観客の反応”

村上春樹 パリ公演で感じた“観客の反応”

村上春樹 パリ公演で感じた“観客の反応”

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるラジオ番組「村上RADIO」第5弾、「村上RADIO〜愛のローラーコースター〜」が4月21日(日)にTOKYO FMで放送されました。それに先駆け、4月14日(日)に特別番組「村上RADIOプレスペシャル」をオンエア。パーソナリティの坂本美雨が、村上春樹さん原作の舞台「海辺のカフカ」に出演する岡本健一さん、木場勝己さんをゲストに迎え、村上さんはコメントを寄せました。


蜷川幸雄さんが演出し、村上さんとの“奇跡のコラボ”として注目されている舞台「海辺のカフカ」。5月21日(火)からTBS赤坂ACTシアターで始まります。

主人公の「僕」は「世界で最もタフな15歳になる」ことを決意し、父親と住む家を出ます。そして、岡本健一さん演じる「大島さん」が司書を務める、四国の個人図書館に身を寄せることに。一方東京では、猫と会話ができる不思議な老人、木場勝己さん演じる「ナカタさん」が、近所の迷い猫の捜索を引き受けます。2つの世界が、次第にシンクロしていく物語。まさに“村上春樹ワールド”です。

舞台「海辺のカフカ」は、2012年の初演、2015年の再演でロンドン、ニューヨーク、シンガポール、ソウルと世界ツアーを行った。今年2月、初めてパリ公演を行った。
あまり自身の作品を観ることがないという村上さんが、このパリ公演での感想を語ります。

村上:パリで蜷川さんの「海辺のカフカ」の芝居をやるので、それを観に行ってきました。僕が行ったのは千穐楽で、すごく盛り上がってました。席は全部売り切れで、カーテンコールは5、6回やりましたね。ものすごくウケてました。

感じたのは「フランスの文化的成熟度」だそう。実際に役者の方々に聞くと、世界各国、言語によっても、劇場の反応は全く違うそうです。ニューヨークでは猫が言葉を発した瞬間に笑いが起きたが、パリではそれほどではなく、むしろ思わぬところで笑いが起きたとか。

村上:フランス人って、芝居の見方が深い。芝居を見慣れているというか。そういうところの文化的成熟度が特別みたいです。例えば芝居の中で、哲学的な(アンリ・)ベルクソンの引用なんかが出てくると、すごくウケるんですよ。そういう“打てば響く”というところがあって、役者のみなさんもすごく楽しかったみたいですね。

出演した2人の演技についても触れます。

村上:「大島さん」(岡本)、雰囲気がすごくありましたね。トランスジェンダーというか、けっこう難しい役だけど、それなりの雰囲気をすごく出していて、うまいなあと思いました。あと、木場さんの「ナカタ老人」はハマリ役というか。“これ以外の役は、もうできないんじゃないか”っていうぐらい、ハマってますね(笑)。

実際、木場さんには、こんなエピソードがあります。

キャスティングを知らされる前に、蜷川さんから「海辺のカフカ」を渡されます。一読した木場さんが「(役は)ナカタですか?」尋ねると、返答は「その通り」。蜷川さんが演出するうえで、イメージが完成していた“ハマリ役”だったということですね。

村上さんのコメントには「この役しかできないらしいよ(笑)」。岡本さんも「“それなりの雰囲気”出してるらしい(笑)」と応じ、スタジオ中が笑い声で包まれました。

<番組概要>
番組名:村上RADIOプレスペシャル
放送日時:2019年4月14日(日)19:00〜19:55
パーソナリティ:坂本美雨
出演:小川哲(作家)、木場勝己、岡本健一
コメント出演:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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