危険地帯を巡る丸山ゴンザレスの“危機回避術”「予想外のリスクは何も考えない」

危険地帯を巡る丸山ゴンザレスの“危機回避術”「予想外のリスクは何も考えない」

危険地帯を巡る丸山ゴンザレスの“危機回避術”「予想外のリスクは何も考えない」

日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。8月26日(月)の授業講師には、「ジャーナリスト兼情報屋」として、世界の“危険地帯”を巡り、取材を続けている丸山ゴンザレスさん。第1回のテーマは「危険はあくまで“通過点”」。


丸山ゴンザレスさん



◆「ゴールがあるからこそ、通っていく」

丸山:僕の場合、危険を体験しに行く仕事をしているわけじゃなくて、取材したいターゲットがあってそこを取材するために行っていて。その通過点で危険があるだけの話なんですよ。危険だなって思ったとしても、そのまま一気に駆け抜けていくっていうイメージがスタンスとしてあるんですね。

過去に実際どういうことがあったかというと、例えばケニア。ビクトリア湖っていう湖があって、岸から2時間ぐらい行ったところにってミギンゴ島っていう島があるんですけど、島全体がスラム化しているっていう話だったんで、ちょっと行こうと思ったんですね。

で、僕はその島の生活実態を知りたいんだけど、生活実態を知るためには島の警察の許可を得なきゃいけないわけですよ。そうすると島の警察の許可を得るために交渉に入るんですが、もちろん事前にいろいろ準備はしています。ところが、警察というかその島は、割と治外法権的なところがあって、警察の独断で取材を認めないと。なんなら、今すぐ出ていかないんだったら、このまま拘束すると言う話になるわけですね。

その時に危険は危険なんだけれども、僕がその生活実態を知りたいから、当然残るほうを選ぶという。ゴールがあるからこそ、通っていくっていうのは、何とも思わないですよね。たまたま世間からちょっと危ないとかって見られてるだけですね。

◆「可能な限り生存確率を上げていく」

――あくまで取材で知りたいことを知るというゴールへの通過点に危険があるというのがゴンザレスさんのスタンスだといいます。では、実際に危険を通過する時、そしてそれでも危険に出会ったしまった場合、どうやって切り抜けているのか。考え方を伺いました。

丸山:そういうところに突っ込むときは、その現場に入る前に可能な限り生存確率というか、無事に取材が終わる確率を上げていきます。関係各所、公的な機関へのアプローチはもちろん、その地域の有力者だったりとか、その地域にコネクションのある人だったりとか、そういう人に接触を図ったり、必要があればペーパーを出したりとか。

その上で飛び込んでいっているので、予想外のリスクに関しては正直、何も考えないほうがいいです。理屈と現実が起きたときに理屈で考えちゃうんですね。そうすると失敗しますし、パニックになるんですね。来たものを来たものと受け止めないと、現実に即してないちょっとパニクったおかしなやつに見えてしまうんで、僕は何か起きたときも現実を優先して、そこをくぐりぬけていくっていう感じですね。だから正直何もあんまり考えないです。

僕がやってることは特別な人じゃなくても出来る事だと思ってるんですね。だから僕に何か特殊な能力があるわけじゃなくて、そうだな、なんだろう。1つあるとしたら僕の基本的なマインドとして“割に合わないところっていうのは、ライバルがいない”っていうふうに思っているんですね。ずっとこういう仕事を続けてきたのも、尊敬するライターの吉田豪さんという方がいるんですが、昔やってたネットラジオで“割に合わないところに、ライバルいないよね”って言ってたんですね。その時に自分のやってたこともそうだし、今からやろうと思ってることもそうなんだと思って、凄い気付きを得たというか。

実際、僕が行くところって、危険とか何だかんだ皆さんおっしゃるけども、僕はそこが面白そうだなと思っているから、別に割に合わなくてもいいかなと思って飛び込んでいるところはあったんですね。そこでより深い取材をしたいから英語を学ぼうとか、交渉をもっと上手にまとめたいから交渉術を勉強してみようとか、そういうことはあったけども、今みたく色んなスキルとかテクニックとか、そういうものを習得しなくてもできると思います。

◆丸山 ゴンザレス 1977年、宮城県生まれ。考古学者崩れのジャーナリスト・編集者。無職、日雇労働、出版社勤務を経て、独立。著書に『アジア「罰当たり」旅行』(彩図社)、『世界の混沌を歩くダークツーリスト』(講談社)などがある。人気番組『クレイジージャーニー』(TBS系)に「危険地帯ジャーナリスト」として出演していた。

◆今年も「未来授業〜FM Festival2019」開催!

“大学生をはじめとする若い世代にこそ、日本人としての誇りと自信を持ってもらいたい!”“彼らの「生き方」の琴線に触れる知的コンテンツを提供したい!”そう考え、当企画をFMの祭典=FM Festivalとして2010年度にスタートさせた番組が「未来授業〜FM Festival」。日本や世界を舞台に第一線で活躍し、時代の礎を築く「知の先達」による公開授業を通じ、 先達たちがこれまでに培ってきた豊かな知見に基づき、学生との対話型討論を通じて、 「知的エンターテインメント」としての場を提供します。

10月3日の東京会場、SESSION1では「<いのち>は一体だれのもの?」をテーマに、京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥さんと芥川賞作家・川上未映子さんが講師を務めます。

そして同日のSESSION2は「地球が教えてくれること〜THINK SOUTH FOR THE NEXT〜」をテーマに、探検家の舟津圭三さん、写真家の石川直樹さんが登壇。

そして10月5日(土)の大阪会場では「ボクたちはAIなんかにとって代わられない」をテーマに、プロ棋士の加藤一二三さん、『東大王』(TBS系)東大王チーム大将の水上颯さん、大人気のYouTubeチャンネル「QuizKnock」の須貝駿貴さんが講師を務めます。

応募は9月26日(木)まで。応募方法や詳細はコチラから!

<番組概要>
番組名:未来授業
放送日時:毎週月〜木曜19:52〜20:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/future/
未来授業〜FM Festival2019 Webサイト:https://www.tfm.co.jp/future/fes/

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