危険地帯を巡る丸山ゴンザレスの“危機回避術” 「最初から誰も信じない」

危険地帯を巡る丸山ゴンザレスの“危機回避術” 「最初から誰も信じない」

危険地帯を巡る丸山ゴンザレスの“危機回避術” 「最初から誰も信じない」

日本が世界に誇る各界の“知のフロントランナー”を講師に迎え、未来の日本人たちに向けてアカデミックな授業をお届けするTOKYO FMの番組「未来授業」。8月27日(火)の授業講師には、「ジャーナリスト兼情報屋」として、世界の“危険地帯”を巡り、取材を続けている丸山ゴンザレスさん。第2回のテーマは「すべてを疑う」。

丸山ゴンザレスさん



◆「人間とは絶対に嘘をつく生き物」

丸山:メキシコで麻薬の製造販売をしている巨大組織の実態を探りに行くわけですけど、メキシコに入ってから日本に帰るまでの間、誰が味方で敵かを、その場で判断していきながら。その場その場の判断っていうのは、すごい大事になります。

僕の場合“ちょっと”じゃなくて“ずっと”疑ってます。最初から誰も信じていないです。何なら空港の職員から信じてないです。誰も信じてないです。というのも、人間っていうのは嘘をつくんですよ、絶対に。それは良い悪いじゃなくて、嘘を絶対につく生き物だと思っているから、その人の言っていることを素直に信じるんじゃなくて“本当かな”って、ワンクッションがある。

これは、普通の僕がジャーナリストとしてやっている以上、普通の感覚だと思いますね。良い人だから信じるとか、悪い人だから信じないとか、そういうのはなくて。とにかく疑っていく。全部疑っていきます。

全ての学問の基本って、疑問を呈することなんですよ。学問の中で最も古い形態の学問と言えば、歴史学だったり哲学だったりしますが、学問のスタートっていうのは、資料批判。これは果たして本物だろうか。ここに書いてあることは、本当のことなんだろうか。この年代は本当? この固有名詞は? っていうふうに考えていくことが学問のスタートであり、僕のベースにある考え方っていうのは“考古学”なんですね。

僕は大学院まで考古学を専攻して考古学者になろうと思って人生を歩んできたんですが、いろいろあって挫折して、無職などを経てジャーナリズムの世界に飛び込んでいくんですけど。そうなったときに、やっぱり僕の根本にある精神というか物事の考え方、捉え方っていうのは、考古学に立脚するんですよ。そうすると、資料批判のようなイメージで、第1次資料であるその人の発言だったり、行動だったりとかに、批判的に見たり疑ってかかったり、疑問を呈するっていうのが。

◆「嘘を見抜くことは大事じゃない」

――“常に疑いの目を持つことが取材の原則”だと言うゴンザレスさん。その一方で、相手の嘘についてはこんな考え方をしています。

丸山:あんまり見破る必要はないかなと思ってますけどね。例えばスラムに行ってお話を聞いた人は、お礼で取材費みたいなのを渡したりっていうのはよくあります。その時に“妻が歩けなくて病気で病院連れて行きたいから、タクシー代が必要なんだよ”って言ってきたりしたときに、これをどう捉えるかって話になるわけですよ。

騙されてあげてもいいし、本当かもしれないし。そこに対して、僕が嘘か本当かと思うとか、見抜くとかじゃなくて、この人の言ってることに対して、僕が答えるかどうかだけなんですよね。嘘でもどっちでもいいんですよ、そこの場合は。大体の物事っていうのはそういう風になっていると思ってて、相手が嘘をついていることを見抜くことが大事なんじゃないですよ。これは多分、僕のやっているスラム街だとか麻薬中毒者とか裏世界とかの取材だけじゃなくて、どこの世界でも大事なことだと思いますけどね。

コミニケーションを取る上で、いちいち揚げ足を取るように、相手の発想とかを切っていくよりは、引き出した上で“でも、さっきのこことここは面白くなかったけど、ここはすごい良いと思うよね”って言うのって、そっちの会話のほうが絶対広がっていくし、発展的になっていくと思うんですよね。

◆丸山 ゴンザレス 1977年、宮城県生まれ。考古学者崩れのジャーナリスト・編集者。無職、日雇労働、出版社勤務を経て、独立。著書に『アジア「罰当たり」旅行』(彩図社)、『世界の混沌を歩くダークツーリスト』(講談社)などがある。人気番組『クレイジージャーニー』(TBS系)に「危険地帯ジャーナリスト」として出演していた。

◆今年も「未来授業〜FM Festival2019」開催!

“大学生をはじめとする若い世代にこそ、日本人としての誇りと自信を持ってもらいたい!”“彼らの「生き方」の琴線に触れる知的コンテンツを提供したい!”そう考え、当企画をFMの祭典=FM Festivalとして2010年度にスタートさせた番組が「未来授業〜FM Festival」。日本や世界を舞台に第一線で活躍し、時代の礎を築く「知の先達」による公開授業を通じ、 先達たちがこれまでに培ってきた豊かな知見に基づき、学生との対話型討論を通じて、 「知的エンターテインメント」としての場を提供します。

10月3日の東京会場、SESSION1では「<いのち>は一体だれのもの?」をテーマに、京都大学iPS細胞研究所所長・山中伸弥さんと芥川賞作家・川上未映子さんが講師を務めます。

そして同日のSESSION2は「地球が教えてくれること〜THINK SOUTH FOR THE NEXT〜」をテーマに、探検家の舟津圭三さん、写真家の石川直樹さんが登壇。

そして10月5日(土)の大阪会場では「ボクたちはAIなんかにとって代わられない」をテーマに、プロ棋士の加藤一二三さん、『東大王』(TBS系)東大王チーム大将の水上颯さん、大人気のYouTubeチャンネル「QuizKnock」の須貝駿貴さんが講師を務めます。

応募は9月26日(木)まで。応募方法や詳細はコチラから!

<番組概要>
番組名:未来授業
放送日時:毎週月〜木曜19:52〜20:00
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/future/
未来授業〜FM Festival2019 Webサイト:https://www.tfm.co.jp/future/fes/

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