元陸上選手・為末大 息子から「何で金メダルじゃなかったの?」と言われて…

元陸上選手・為末大 息子から「何で金メダルじゃなかったの?」と言われて…

元陸上選手・為末大 息子から「何で金メダルじゃなかったの?」と言われて…

脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台に活躍しているゲストの“挑戦”に迫るTOKYO FMの番組「Dream HEART」。10月5日(土)の放送は、元陸上選手の為末大さんをゲストにお迎えしました。


為末大さん


1978年広島県生まれの為末さん。幼少期より陸上競技で頭角を現し、法政大学卒業後、大阪ガスを経て2003年にプロ転向。2001年、世界陸上選手権エドモントン大会・男子400mハードルで日本人初の銅メダルを獲得し、3度のオリンピック(シドニー・アテネ・北京)に連続出場しました。(男子400mハードルの日本記録保持者:2019年10月5日放送日時点)

2012年に現役を引退し、現在は、スポーツとテクノロジーを掛け合わせた課題解決プロジェクトをおこなう株式会社Deportare Partners(デポルターレパートナーズ)の代表と、“アスリートが社会に貢献する”ことをめざす一般社団法人アスリートソサエティの代表理事をつとめています。

◆“自分に勝つ”ことを繰り返していかないと……
茂木:為末さんは陸上に対するアプローチを考えて、感じて、模索して……“走る哲学者”と言われていますね。10月5日(土)に発売された著書「生き抜くチカラ ボクがキミに伝えたい50のことば」も、まさに為末さんの真骨頂ですね。

為末:陸上競技は全てタイムで出るので、やったことが上手くいったかどうかが、すごくわかりやすいんです。球技はみんなでやるので、自分がちょっと上手くいかなくても周りが頑張ってくれて勝つこともあると思うんですけど。陸上は結果がはっきり出るので、余計に考えやすいのではないかなと思います。

茂木:この本には“50の刺さる言葉”が書かれていますが、「オンリーワンには落とし穴がある」とか。すごい言葉ですね。今の時代、“オンリーワン”は褒められる言葉じゃないですか? ダメなこともあるんですね。

為末:“ダメなこともある”というよりも、“物は言いよう”みたいなオンリーワンのやり方もありますよね? でもやっぱり、似ている者同士は競争して。オンリーワンという言葉に寄りすぎても、よくないよねっていう感じですかね。

茂木:他の誰かと比べることもしないで、“自分はオンリーワンだ!”と言うのはカッコ悪いよと。

為末:そうですね、これは陸上の経験が大きいかもしれないです。

茂木:今の時代、“比べるのはよくないよ”とは言いますが、安易に“オンリーワン”と言うと、むしろ逆に可能性が……。

為末:みんなが同じことを競う競技をやって競争した結果、個性が見えてきて “やっぱり、自分はこういうところがあるんだ”となってくると、オンリーワンのような気がしますけど。

茂木:自分らしさというものは、そんな簡単にはわからないし、むしろ競争するなかでわかることもあると。深いですね。
あと、著書のなかにあった「負け癖をつけない」という言葉にもドキッとしましたね。

為末:小さくていいので“自分に勝つ”ことを繰り返していかないと、負け癖がついてしまいます。癖がついてしまうと、“そういうものか”と思い込んでしまうようなこともありますよね。繰り返して“こうやったらいいんだ”と、自分に暗示をかけていくようなことができると思うので。

茂木:「勝つことを諦めて、初めから勝負をしない。勝負はするけれども大事なところで実力を出せない。どちらも負け癖」と。これに陥ってしまっている人、多いですよね。

為末:多いと思います。日本だからかもしれないけれど、“負ける”ことは、すごくよくないことだと思われがちですよね。“負けるぐらいなら、やらないほうがいい”と、ならないほうがいいなと思います。

茂木:為末さんは、こういうことを考えながらハードルをやっていたんですか?

為末:正確には自分の失敗談が多いですね。“こういうことに早く気を付ければよかったな”とか。当時は耳に入らなかったことが、あるきっかけで、“こういうことだったんだ!”とわかったというのもあるんだと思います。

◆子どもに聞かれて「すごくドキッとしたことが……」
茂木:為末さんの言葉は大人にも刺さるんですけど、当然、お子さんにも読んでいただきたいということで。4歳の息子さんがいらっしゃいますよね? 息子さんに、こういうことを伝えたいっていうのもあるんですか?

為末:大きいですね。子どもって本質的なことを聞いてきますよね? すごくドキッとしたのが、周囲が僕がメダルを獲った話をするので、息子のなかで話が膨らんできたんですけど。

あるとき「何で金メダルじゃなかったの?」って言われて(笑)。それは面白い質問だなと思いました。確かに、最初から金メダルを狙っていたら違ったかもしれないな、とか。そういうことをいろいろ考えたりしたので。

今回、本を書くにあたり、強く思っていることがありました。子どもだからわからないと言って隠すのではなくて、全て全力を出してみる。わからないかもしれないけど、なるべく子どもがわかる言葉で書く。本を読んでわからなかったら、“お父さんとお母さんと話をしてみて”というような感じで書きました。

茂木:スプリント競技でメダルを獲るということが、いかに大変なことだったかというのは、4歳だと、まだわからないですもんね。

為末:そうですね。それは、ぜひ茂木さんからうちの息子に伝えてください(笑)。

番組で紹介した為末さんの著書「生き抜くチカラ〜ボクがキミに伝えたい50のことば〜」(図書センター)は絶賛発売中です。今回は、為末さんの直筆サインを入れて3名の方にプレゼントいたします! 詳しくは番組Webサイトをご確認ください。

次回10月12日(土)の放送も、引き続き為末さんをゲストにお迎えします。どうぞお楽しみに!

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聴取期限:2019年10月13日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYOFMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00〜22:30
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/dreamheart/

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