【漢字トリビア】「嫌」の成り立ち物語

【漢字トリビア】「嫌」の成り立ち物語

【漢字トリビア】「嫌」の成り立ち物語

「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今日の漢字は「嫌う」「嫌(いや)」、「嫌悪する」の「嫌(ケン)」。
(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年10月26日(土)放送より)



女へんに「兼ねる」「兼用」の「兼」と書いて「嫌う」。
この「兼ねる」という字は、2本の稲穂を手であわせ持つ様子を表しています。
2本の縦棒が、実のたわわについた稲穂で、カタカナの「ヨ」の字に似た部分が人の手。

つまりこの「兼ねる」という字は、1本の稲では満足できず、2本の稲を手に持つ様子を示しています。
そこに女へんを添えた「嫌う」という字は、もともと女性が決断できずに思い悩むことを表していましたが、
のちに、誰もが不満に思う気持ち“きらう、にくむ”という意味になりました。

「嫌だ」という意思表示は、ときにわがままだと非難されます。
正直な気持ちと、他者を気遣う気持ち。
稲を2本とも手放さず、握りしめるように2つのことを両立させるのは難しいもの。

近年、日本で注目を集めている心理学者、アルフレッド・アドラー。
彼は、人間の自由とは「嫌われる可能性を怖れず前に進んでいくこと」だと説きます。
さらにアドラーは、警鐘を鳴らすのです。
「他者の期待を満たすために生きるのは、自分自身の人生を生きることにはならない」と。

「嫌われる勇気」を出して「好き」を選び取り、
自分の人生を自分の足で、潔く歩いていけたら本望ですね。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。
その想いを受けとって、感じてみたら……。
ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献『常用字解(第二版)』(白川静/平凡社)
     『字源の謎を解く』(北嶋廣敏/イースト新書)
     『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎・古賀史健/ダイヤモンド社)

11月2日(土)の放送では「器」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。


----------------------------------------------------
【??この記事の放送回をradikoタイムフリーで聴く??】
聴取期限 2019年11月3日(日) AM 4:59 まで

スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ)
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用頂けます。
----------------------------------------------------

<番組概要>
番組名:感じて、漢字の世界
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜6:40〜6:45(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/kanji/

関連記事(外部サイト)