常盤貴子「“グレー”のほうが、いいことがいっぱいあるのかな」

常盤貴子「“グレー”のほうが、いいことがいっぱいあるのかな」

常盤貴子「“グレー”のほうが、いいことがいっぱいあるのかな」

ミュージシャン、デザイナー、作家、俳優、職人など、異なるフィールドを舞台に活躍する“ふたり”が語らうTOKYO FMの番組「三井ホーム presents キュレーターズ〜マイスタイル×ユアスタイル〜」。11月8日(金)放送のゲストは、女優・常盤貴子さんとアーティストの鈴木康広さん。芸能界と美術界……“正解のない世界”で、それぞれの道を切り開いているお2人に、これからの時代に“もっとも必要とされる力”についてうかがいました。

常盤貴子さん、鈴木康広さん



1991年に女優デビューした常盤さん。数々の人気ドラマで主演をつとめるほか、CMや舞台など多岐にわたる活動をされています。一方、鈴木さんは、国内外の芸術祭や展覧会に参加し、現代アート界で活躍。今年9月に発売された常盤さんの初エッセイ集「まばたきのおもひで」では、表紙や挿絵のイラストも担当しています。

◆「“確実”っていらなくない?」

常盤:最近、器用な人が多くないですか? 何でもできる人が多い。

鈴木:やっぱり、道具が揃っているんだと思うんです。道具は、使い道が決まっているものですよね。そのなかで、勝手に遊び方を見つけて、全く違う使い方をするのが、意外と難しいのかなと思います。

常盤:ものにあふれているから、きっと、そこを見落としがちなんですよね。

鈴木:そうですね。楽しみ方が強烈に用意されている気がしますね。だから、まずそれで時間を使ってしまう。時間は限度があるから、足りなくて。いろんな道筋があるっていうことを、ちょっと忘れがちと言うんですかね、そもそも知らないことも多いのかなと思います。

常盤:私達の世界、特に私の世代は、ドラマや映画では“リアル”を教えられてきた世代なんですよね。全てリアルであるべき。だから芝居も、本当に会話をしているように演じるべき、と当たり前のように教えられてきたんです。

でも最近、鈴木さんの影響もあると思うんだけど、私の夫・長塚圭史もそうだし、よく映画に使ってもらっている大林宣彦監督とかは、“リアルはそんなに重要なことなのかな”って思い始めてきて。もしかしたら、リアルはすごく危ないことなんじゃないかなって。

鈴木さんと初めてお会いしたときに観ていただいた、寺山修司さん最後の遺作と言われている舞台「レミング」の私のセリフに「リアルを持ち込まないで」というのがあったんです。演じているときは、あんまりわかってなかったんだけど、そのことがどんどん身にしみるというか、現実を持ち込まれた瞬間に、すべてが消えてなくなってしまうと思うようになって。そういうのはありません?

鈴木:わかります。本当にちょっとしたことなんでしょうね。ちょっとしたことで、自分のなかに自然に生まれてきた考え方や感じ方の糸口みたいなものが、すっと消えていくみたいな。そういう怖さがあるな、って思います。

常盤:そうなの。

鈴木:たぶん空気や気配みたいなぐらいのことだと思うんですよ。

常盤:でも、頭の中に浮かんだそれは、実は宝物みたいにすごく大切なものだったりするんだけど、目の前にある“現実”というものによって消されてしまう。“確実”っていらなくない? みたいな。グレーのほうが、いいことがいっぱいあるのかなって思ったりもして。

鈴木:本当にそうです。

<番組概要>
番組名:三井ホーム presents キュレーターズ〜マイスタイル×ユアスタイル〜
放送日時:毎週金曜 17:00〜17:25
ナビゲーター:田中麗奈
番組ホームページ: http://www.tfm.co.jp/curators/

関連記事(外部サイト)