音楽のプロとは? “作詞”と“執筆”の違いとは?

音楽のプロとは? “作詞”と“執筆”の違いとは?

音楽のプロとは? “作詞”と“執筆”の違いとは?

10代向けのTOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」。11月27日(水)の放送では、11月10日(日)に開催された『未確認クリニック2019』を特集。作詞家で音楽プロデューサーのいしわたり淳治さんを講師に迎え、全国から集まった音楽のプロを目指す10代に講義を行いました。
その中編では、MCを担当したパーソナリティのとーやま校長が質問した「音楽のプロとは?」についての回答や、歌詞について語った部分をお届けします。
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――音楽のプロって何?

いしわたり:(苦笑)。

とーやま校長:プロとして、音楽を作るということはどういうことなのか……ちょっとざっくりとしたテーマかもしれませんが。

いしわたり:皆さんがアマチュアだとして、一番分かりやすく考えたら、“プロみたい”が誉め言葉なうちがアマチュア、“プロみたい”という言葉が戦力外通知みたいに聞こえたらプロということですね。プロに「プロみたい」と言うのはディスじゃないですか。だからこの違いの中に、“プロとは何か”ということが隠れているんじゃないかなと思います。

例えば、皆さんが家を建てたいと思ったときに、ものすごく手が器用なDIYの達人に自分の家を建てて欲しいか、一級建築士に建てて欲しいかって言ったら、みんな一級建築士のほうがいいと思うんですよ。なんで違いがあるのかというと、一級建築士のほうが知識も技術も経験もあるだろうと思っているし、それに裏づく確かなものを作りたいんだと思うんです。DIYの達人は、自分の好きなものしか作れないんじゃないかと思います。自分の好きなスタイルの家、みたいなものはジャンジャン作るかもしれないけど、自分(依頼者側)がこだわった「こういうものを作って欲しい」というのは、うまくいかないかもしれない。それをうまくいかせるのが、プロということ。そこには何があるかというと、やっぱり技術や知識、経験がしっかり提供できるレベルにある、ということだと思います。それが、たぶんプロとアマの違いなんじゃないですかね。



――歌詞の講義

いしわたり:歌詞の講義ね……(苦笑)。

とーやま校長:テーマごとにむわ〜っと笑われるのは……?

いしわたり:空気が張り詰めているから!(笑)。

とーやま校長:それはみんな、淳治先生の話が聞きたいから!

いしわたり:いや、皆さん自分で音楽を作っているから……心の奥では尖っているわけですよ。そんな人たちに、歌詞の書き方を言う気持ち……!

とーやま校長:(笑)。

いしわたり:じゃあ、始めましょうか。作詞ってどういうものなのか、どうやればいいのか……みたいなことを、ざっくりわかるような話をしたいなと思います。
まず一番基本的なところから……『作詞』って辞典で調べたら、何て書いてあると思いますか?

参加者1:言葉を紡ぐこと。

いしわたり:では『執筆』を調べると、何て書いてあると思いますか?

参加者2:意味はわかるんですけど、言葉にするのが難しいのでイメージで伝えると、『作詞』より改まっているというか、敷居が高い感じがします。

いしわたり:なるほどね。『作詞』はもっとカジュアルなイメージ?

参加者2:そうですね。

いしわたり:……みたいに、『作詞』って何なのかというのは、ざっくりしているんですよね。実際に調べてみると、『作詞』は“歌詞を作ること”と書いてあります。『執筆』は“文章を書くこと”と書いてあります。似ているけど、ここには結構違いがあって、『作詞』は“歌詞を作る”って書いてあるんですよね。つまり、皆さんが日記を書いても『執筆』、作文を書いても『執筆』、小説を書いても『執筆』。文章を書くだけでは、『作詞』ではないということですよね。なぜなら歌詞を作らないといけないから。

だから文章を書いているだけではダメで、そこには作り方だったり技術があるんじゃないかなと思います。“作りもの”だってことなんですよね、歌詞は。“作るものだ”と言ったほうがいいかもしれないですけど。でも『作詞』は、自分の体験だったり思いみたいなものを、自分の言葉で自分らしく言う、みたいなことだと思っている人が多くいると思います。僕はその書き方は間違いではないと思います。本当に正しいと思います。でもそればかりを繰り返していると、そのやり方が自分の首を絞めていくんじゃないかなと思います。なぜかというと、自分が本当に言いたいことなんて10個も20個も30個も40個もあるわけじゃなくて、たぶん1つか2つ。多くても3個か4個しかなくて、それをうまく書いてしまったら、5曲ぐらいしかできないことになってしまうんじゃないかなと思います。

それ以上の曲数をライブでやりたいなら、やっぱり(歌詞で)同じことは言えないから、何かそこに技術を持ってきて、違う曲に聞かせる努力は必要なんじゃないかなと思います。
なので今日は、歌詞を“書く”から“作る”に発想を転換するような話をしていきます。


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聴取期限 2019年12月5日(木)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:とーやま校長
放送日時:月〜木曜 22:00〜23:55・金曜 22:00〜22:55
番組Webサイト ⇒ http://www.tfm.co.jp/lock/

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