山口一郎が語る “サカナクションらしさ”が作られた過程とは

山口一郎が語る “サカナクションらしさ”が作られた過程とは

山口一郎が語る “サカナクションらしさ”が作られた過程とは

サカナクションの山口一郎が、TOKYO FMのレギュラー番組に出演。周りの人にはなかなか話せない相談として、画家になりたいというリスナーのメッセージを取り上げ、直接電話でアドバイスをしました。その後編では、サカナクションの音楽スタイルが形成されていった過程を語った場面を紹介します。
(TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY サカナLOCKS!」11月29日(金)放送分)



山口:何か聞きたいことはある?

リスナー:一郎さんは、どうやって今の表現というか、スタイルになったんですか?

山口:僕は……最初は、本当に1人2人のために曲を作っていたのよ。例えばメンバーの1人だったり、好きな子だったり、父親だったり。身近な誰かに向けて。“この人はこういう曲がいいって言うだろうな”とか、この人のために作りたいとか。すごく少ない人数のために作っていたんだよね。

もちろん、それが自分の中で作りたい表現の一部としてだけど。それを繰り返していくうちに、だんだんキャパシティが上がっていくじゃん。例えば“300人のライブハウスで、パンパンの人たちにこの曲を聴いてもらったらどう思うかな”っていうところから、5千人になったり、1万人になったり、5万人になったりしていったんだよね。

そのキャパシティが上がっていくときに、自分が作っている曲がどう響くのかとか、どう届くのかとか……客観的に感じていって、自分が作りたいものとキャパシティが大きくなっていった人の数に対して、どういう風に作風を変化させていくといいのかとか。状況に合わせて作品を作るっていうのが、自分の表現になっていったよね。人が求めるものと自分が作りたいものを掛け合わせていくっていうのが、自分の表現になっていったのかな。そこに面白さを僕は感じたけどね。

リスナー:あー……。

山口:僕は、フォークソングがすごく好きだったのよ、小さいころから。今もフォークギターしか弾かないし、そのフォークギターで曲を作っていたんだけど。そのうち、歌のない音楽も好きになっていったの。ダンスミュージック……テクノだったり、ハウスだったり、エレクトロニカ。そういうのが好きになって。……すごくざっくり話すとね。そういう、自分が元々好きだったフォークソングとはぜんぜん違うジャンルのものだったのよ。それを混ぜ合わせてみたいなって思ったのね。絶対に混ざらないと思ったけど。でも、どうしたら綺麗に混ざるかな、どうしたら良い違和感を残したまま混ざるのかな……って、どんどん分解して、バラしたりくっつけたりしていくと、自分のオリジナルな作品というか、サカナクションらしさみたいなものを、時間を経て形成できるようになったかな。

そうすると、違和感があるものだから、嫌いっていう人もたくさんいるのよ。フォークはフォークで聴きたい、ダンスミュージックはダンスミュージックでいいっていう人もいるわけじゃん。でも、フォークも好きじゃないしダンスミュージックも好きじゃないけど、これなら好きっていう人が現れるわけよ。だから、自分が好きだっていうものを混ぜ合わせることでいい違和感として生み出すっていうことが、自分の中のオリジナルになっていった。

また、言葉っていうのは別なのよ。歌詞っていうのはね。そこはまた全然違った考え方なんだけどね。僕は、言葉が一番宇宙に近いと思っているから……自分の中では。一番心の中を綺麗に表現できるものは、文学だと思っているんだよね。ビジュアルじゃなく。それも、さらに掛け合わせる感じだね。技術と直感と……かな。

リスナー:はい。

山口:まぁでも、諦めずに、自分が納得できるところまでやってみたらいいと思う。いろんな人に見てもらうことが大事かな。あと孤独を恐れるようじゃ、クリエイティブの道、表現の道には向かえないんじゃないかなと思う。

リスナー:なるほど……。

山口:ゴッホなんて、弟に手紙を書くっていうことしかしていなかったらしいからね。『ゴッホの手紙』という本があるはずだから、読んでみるといいよ。結構リアルだよ。お金の工面を兄弟にしてもらったり、自分の状態を文章にして説明したりしてやり取りをしている手紙の本なんだけど。当時……当時だけどね。どんな人生を送っていたのかが見られて参考になるかもしれない。

リスナー:はい。

山口:じゃあ……負けずに頑張りましょう。

リスナー:はい、ありがとうございます。
(前編はこちら)


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聴取期限 2019年12月7日(土)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK! UNIVERSITY
パーソナリティ:マンボウやしろ教授
放送日時:金曜 23:00〜23:55
番組Webサイト ⇒ http://www.tfm.co.jp/lock/

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