【漢字トリビア】「尊」の成り立ち物語

【漢字トリビア】「尊」の成り立ち物語

【漢字トリビア】「尊」の成り立ち物語

「漢字」、一文字一文字には、先人たちのどんな想いが込められているのか。時空を超えて、その成り立ちを探るTOKYO FMの「感じて、漢字の世界」。今日の漢字は「尊い」、「尊敬」「尊重」の「尊(ソン)」です。(TOKYO FM「感じて、漢字の世界」2019年11月30日(土)放送より)

「尊い」という字の古い字体は、漢数字の八の字の下に「酉の市」の「酉(トリ)」、その下に「寸」という字を書きます。「酉」の字は酒樽を描いた象形文字で、「八」の形はその酒が香りを発している様子。「寸」の字は人の手をかたどっています。

つまり「尊い」という漢字は、香り高い酒樽を両手で神前に捧げて置く様子を表し、「とうとい、とうとぶ」という意味をもつようになりました。

日本の祭祀の特徴は「神人共食(しんじんきょうしょく)」。「神と人が共に食する」と書き、神に供えた食事のお下がりを、参列した人々がいただく行為です。そこで人々は神との結びつきを強め、力を分け与えられるのです。

先日行われた「大嘗祭の儀」もそのひとつ。今年は栃木県と京都府の水田が選ばれて、そこで収穫した新米でにごり酒が造られ、両陛下とともに、参列した人々はその尊いお酒を口にしたといいます。

ではここで、改めて「尊い」という字を感じてみてください。

職場の仲間と気軽に一杯、という機会も少なくなった昨今、せめて忘年会くらいは一同に介し、笑顔で乾杯したいもの。厳しい上司の温かさに気づいたり、大人しい若者の気骨に触れたり……、お酒は人と人とを結びつけて新たな力を授け、暮らしを潤す文化のひとつなのです。

漢字は、三千年以上前の人々からのメッセージ。その想いを受けとって、感じてみたら……。ほら、今日一日が違って見えるはず。

*参考文献 『常用字解(第二版)』(白川静/平凡社)
『白川静 文字学入門 なるほど漢字物語』(小山鉄郎/共同通信社)

12月7日(土)の放送では「人」に込められた物語を紹介します。お楽しみに。


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聴取期限 2019年12月8日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:感じて、漢字の世界
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時 :TOKYO FMは毎週土曜6:40〜6:45(JFN各局の放送時間は番組Webサイトでご確認ください)
パーソナリティ:山根基世
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/kanji/

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