大ヒット書籍「漫画 君たちはどう生きるか」著者が、今後描きたいマンガとは?

大ヒット書籍「漫画 君たちはどう生きるか」著者が、今後描きたいマンガとは?

大ヒット書籍「漫画 君たちはどう生きるか」著者が、今後描きたいマンガとは?

脳科学者の茂木健一郎がパーソナリティをつとめ、日本や世界を舞台にチャレンジしている人をゲストに迎え、その“挑戦”に迫るTOKYO FMの番組「Dream HEART」。12月9日(土)の放送では、書籍「漫画 君たちはどう生きるか」がヒット中の漫画家・羽賀翔一さんがゲストに登場。自身のスタイルを確立したきっかけや、本作の主人公との共通点などについて語ってもらいました。

漫画家の羽賀翔一さん



茂木:羽賀さんはどんなマンガに影響を受けたんですか?

羽賀:僕は「ドラゴンボール」や「ワンピース」といった王道を読んできて、小学校のころはそのマネばかりしていたんです。それが中学生くらいになってくると“人のマネでやっているだけじゃん。どうやったら自分にしか書けないものができるんだろう”と思うようになって、描くのが楽しくなくなっちゃったんです。

茂木:はい。

羽賀:それから大学生のときに初めてたくさん本を読むようになって、村上春樹さんとかがすごく好きになったんです。マンガからインプットしたものをマンガとしてアウトプットするのではなく、自分が触れた文学作品で考えたことをマンガに変換して出したらどうなるんだろう?と思って描いたのが「インチキ君」というマンガだったんです。

茂木:そこで自分のスタイルを掴んだんですね。

◆スタイルを確立し、念願の漫画家に

羽賀:(講談社の新人賞「MANGA OPEN」に)「インチキ君」を出したときは清々しいというか、結果がどうなろうが自分としては納得できたマンガだったんです。

茂木:それを(編集者の)佐渡島(庸平)さんが拾ってくれた。そのときは嬉しかったですね。

羽賀:めちゃくちゃ嬉しかったですね。大学卒業間近に知らない番号から電話がかかってきて、「君のマンガを読んだよ、担当編集になる佐渡島だ」って。入選して担当が付くことになったから、講談社で打ち合わせをしようとなったときに“これで自分の漫画家としてのスタートが切れるぞ”と思ったんです。

茂木:そこまで辿り着けない人がほとんどですからね。

羽賀:僕の場合はそこからが……出す本が全然売れなくて(笑)。

茂木:佐渡島さんに案を持っていくとどんな感じなんですか?

羽賀:面白がるときは面白がってくれるんですけど、最初は箸にも棒にも引っかからないので。

茂木:最初はどれくらい持って行ったんですか?

羽賀:かなり(笑)。僕は大学を出て教職課程をとっていたので、先生になろうとしていたんです。それをやめて、マンガだけでやろうと。佐渡島さんも、まさか就職をやめたと思っていないから、「君、なんで昼間に打ち合わせ来れるの?」って(笑)。(「モーニング」に掲載された)「ケシゴムライフ」のネームが全部出来上がるまで、5話作るのに1年くらいかかりましたね。

茂木:マンガ界の地図に「羽賀翔一」という名前が載ったわけですけど、今後の方向性は?

羽賀:僕は正直、「漫画 君たちはどう生きるか」は、僕が解釈してマンガとして作ったという自負はあるんですけど、あくまでも吉野源三郎さん(※1937年「君たちはどう生きるか」著者)が生み出した物語だと思っています。

茂木:でも、マンガの構図とか台詞とか、コマ割りは非常にオリジナリティが高いですよ。次はゼロから?

パーソナリティの茂木健一郎



◆羽賀翔一として今後やりたいこと

羽賀:自分のオリジナルのストーリーというものもやりたいですね。とはいえ、必ずしもオリジナルにこだわらなくても自分が楽しんでマンガを描くこと、いろんな人と繋がれる形で漫画を描くっていうことが一番理想だと思っています。今、僕は「宇宙兄弟」のアシスタントに入っているんですけど。

茂木:そうなんですか!

羽賀:(著者の)小山宙哉さんは宇宙というはるか遠くの舞台を描いているにも関わらず、自分の身の回の出来事とか、人たちを観察して物語を作っているんです。そういう形で、僕も肩肘はり過ぎずに自然体で、でも、真剣にマンガを作っていくということができたらなと思っています。

茂木:では、羽賀さんの今の夢を聞かせてください。

羽賀:長く読まれる本、マンガを作りたいという思いがあります。例えば夏目漱石を読んでも、漱石はこの世にいないのに、その心の有り様や魂が近しく感じられるのが本の魅力だと思います。自分もそんなものを残したいですね。

茂木:すでにアイデアはあるんですか?

羽賀:今すぐにこれをやろうというものはないんですが、手に取ってくれる方がいる状況のうちに、次を届けられたらいいと思います。

◆主人公コペルを描き感じたこと

茂木:「漫画 君たちはどう生きるか」では、主人公コペル君の叔父さんがメンター(相談役)として重要な役割を果たしています。羽賀さんにとってのメンターは?

羽賀:コペル君と同じ母子家庭だったので、伯母や従兄弟ですね。従兄弟がマンガを描いていたので僕も描き始めたというのもありますし、一緒にキャッチボールや野球をして遊んだのは温かい記憶として残っています。僕のバックボーンと重ね合わせると、コペル君は父親の不在に対して何か寂しい気持ちがあって、メンターの言葉を求めているように感じました。作品に、表面的には出てきていないんですけど、実は微妙な寂しさがあると思いながら描いたんです。

茂木:羽賀さんによってマンガ化されたのは運命的なものを感じます。格差や母子家庭の問題もありますが、子どもたちが孤立しないでメンターを得られればいいですね。たまたま周りにメンターが居なければ、この作品を読むことがある種メンター的なものとの出会いになるかもしれない。そういった子どもたちにもぜひ読んでほしいですね。

羽賀翔一さん(左)と、パーソナリティの茂木健一郎



なお、12月16日(土)のゲストは、SEKAI NO OWARI のSaori さんこと、藤崎彩織 さんをお迎えして、現在ベストセラーとなっている、藤崎さん初の小説「ふたご」の執筆秘話や、小説家としての今後に迫ります。スマートフォンアプリ「radiko」でも聴くことができます。お楽しみ!

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聴取期限2017年12月17日(日)AM4:59まで

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<番組概要>
番組名:Dream HEART
放送エリア:TOKYOFMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週土曜22:00〜22:30
パーソナリティ:茂木健一郎
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/dreamheart

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