鈴村健一×梶裕貴、人気声優同士がコロナ禍における“声優業界のミライ”を語り尽くす

鈴村健一×梶裕貴、人気声優同士がコロナ禍における“声優業界のミライ”を語り尽くす

鈴村健一×梶裕貴、人気声優同士がコロナ禍における“声優業界のミライ”を語り尽くす

声優としても活躍中の鈴村健一(月〜木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。6月1日(月)と6月8日(月)は、声優の梶裕貴さんをゲストにお迎えし、「エンタメ・ニューノーマル」というコーナーで、2週にわたって鈴村と一緒に新しいカルチャー様式を探っていきました。6月8日(月)の放送では、コロナ禍における“声優業界のこれから”をテーマに、2人の真剣な想いが交差していきました。


(左から)パーソナリティの鈴村健一、梶裕貴さん


◆声優業界を取り巻く“アフレコ現場”の今
鈴村:先週に引き続き、声優の梶裕貴さんをお迎えしています。

梶:よろしくお願いします。

鈴村:さあ、ここからはですね、梶君と「声優業界のこれから」をテーマにお話していきたいと思います。

梶:すごいテーマですね。

鈴村:ねぇ。でも新型コロナの影響がやっぱり出ていて。

梶:そうですね。

鈴村:今、“3密”と呼ばれるものをすべて内包しているのが、声優業界のアフレコ(の現場)なんですよね(笑)。

梶:そうですね。ゲームやナレーションは1人での収録という形も多いですけど、アニメや吹き替えに関しては“全員揃って、リアルタイムで掛け合いのお芝居をする”というところに、美学・魅力がある職業だと思うので、どうしてもね……。

鈴村:梶君は、もうアフレコの現場は始まっていたりするの?

梶:作品によっては始まりました。ただ、始まったとはいえ、通常であれば10人とか20人、30人というキャストが現場に揃うわけですが……今は、スタジオや制作会社さんが徹底したリスクケアをしてくださっているなかでの収録。なので、基本それぞれ個別に、もしくは多くても3〜4人でのアフレコになっている状況で。単純計算で、普段の倍の倍の倍以上の労力をかけて作業をしてくださっているスタッフの皆さんのことを考えると、頭が上がりません。しかし、厳しい環境は、これからもまだ続いていくのかなと思いますね。

鈴村:そうだよね。アフレコって大体、30分のアニメを1本録るのに3時間から4時間ぐらいかかるんですけど、それは全員集まって録った場合ですよね。そうではなくて、1人ずつ録るので、スタジオを1日中押さえて、何人も何回しもしなければならない。これはスタッフさんには大変な労力ですよね。

梶:本当にそう思います。僕たちが関わるのは、製作過程で言えば音響周りだけですが、絵を描いてくださるアニメーターさんを始めとして、他の多くのスタッフの皆さんの努力があるからこそ、作品は出来上がるわけで。それぞれの現場が、それぞれになかなか難しい環境だとは思うのですが……とにかく衛生面の安全を第一に、健康を害さぬように、というのを念頭に置いて。

こんな状況下ではありますが……だからこそ、エンターテインメントに触れることで、癒やされたり、勇気をもらえたり、ということが僕自身にもあるので、自分にやれることはしっかりとやっていきたいです。YouTubeチャネルの開設もそうでしたが、本当に、今までとは違った目線で、自分の仕事や、自分自身についても見つめ直すきっかけになりました。

鈴村:こういったことを経て、それぞれが物を作るっていうことを、もう1回考え直すタイミングが来るんだろうなって、僕は見ていて思っているんですけど。

梶:そうですね。それで言うと鈴村さんは、こういった状況になる前から、自発的に何かを企画して実現する、クリエイティブな印象の強い方でした。常にいろいろと、新しくて面白い仕掛けをされている方だな、と。そういう意味で言うと、今のスタイルの先駆けだったのかもしれませんね。

鈴村:これから、こういうこと(新しい試み)も増えてくるだろうし、それを上手く皆で発信していけば、(声優業界も)活性化していくのかなっていう気もしています。

◆朗読をエンタメに昇華させたい(梶)
梶:僕は声優というお仕事に、責任や誇り、覚悟を持って取り組ませていただいています。何に挑戦するにしても、“声優の仕事にフィードバックさせたい”という思いがあるんです。そんななかで、今までにない新しい挑戦をしてみたりすると、「お前はどうしたいんだ」とか「声優じゃないの?」と言われることも、やっぱり多かったりするんですよね。

鈴村:多いよね、僕もすごい言われた。

梶:ただ結局は、自分が何をしたいのか、自分がどう思っているのかが大事だと思いますし……先週も少し話しましたが、YouTubeを始めてみて、ちょっと悲しくて、ちょっと悔しかったっていうのがあって。

「朗読を聴いて欲しい」という思いで始めたものの……ゲームのプレイ動画と比較すると、再生回数が1桁以上も違うんです。しゃべっているのが、同じ僕だとしても、です。もちろん、僕はゲームが好きですし、ゲームのプレイ動画もすごく楽しみながらやらせていただいているので、ご覧いただけるだけでもちろんありがたいんですけれどね。ここまで差が出るのか、ということに驚きました。

だからこそ“朗読”という文化を、もっと一般の方々にも「魅力的なエンターテインメントなんだ」ということを知っていただき、触れていただくきっかけ作りをしていきたいんです。すごく難しいことだとは思いますけど「今日、映画観に行こうぜ」みたいな感覚で、「近くで朗読劇やってるんだって、行こうぜ」となるような世界に、いつか変えられたら。そこまで持っていけたら、声優をやらせていただいている身としては、この上ない喜びだろうなと思いますね。

鈴村:そういう意味では、声優という仕事自体がもっともっと一般的なものになるべきだし、梶君がやっていること、例えばテレビに出たりする声優以外のことをやっている姿を見ると、この業界のことをすごく引っ張ってくれる人だなって思うし。

梶:いやいや、そんな。恐縮です。でも僕、正直自分では「表に出ることに向いてないな」と思いながらやっているんです。でも……それでも、それ以上に「自分に何ができるのか」のほうが価値があることに思えて。

鈴村:いろんなことをやることで、全部が“声優”に帰結すると思っているんですよね。だからコロナの影響によって、声優という仕事は、YouTubeを始めたりとか、いろんな形で脚光を浴びたと思うんです。だからこそ、こういうことを逆にチャンスに変えて、声優って仕事を僕らも見つめ直したいし、たくさんの人にまた見てもらえるようになって欲しいなって、僕は今日の梶君の話を聞いてますますそう思いました。

梶:うれしいです。僕も、心からそう願っています。

??この日の放送内容を「JFN PARK」でチェック!
聴取期限 2020年7月31日(金)まで

<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:鈴村健一(月〜木曜)、山崎樹範(金曜)、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/

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