作家・林真理子 若者が恋愛しない理由を分析「ドラマも素敵だけど、頭のなかで妄想することも大切」

アーティストの坂本美雨がお届けするTOKYO FM「坂本美雨のディアフレンズ」。6月17日(水)の放送は、作家・林真理子さんがリモート出演。「風と共に去りぬ」の新訳を手がけた話や、憧れの女性像について語ってくれました。


(左から)坂本美雨、林真理子さん



坂本:林さんの手がけた「私はスカーレット 1」「私はスカーレット 2」(小学館文庫)を読ませていただきました。1936年に出版された小説「風と共に去りぬ」の新訳本なんですね。

林:超訳と言ってもいいと思いますね。ヒロインである、スカーレット・オハラの1人称小説にしてみました。

坂本:まったく新しい読み方になっていますね。

林:原作はお読みになったことはありますか?

坂本:ニューヨークで小・中・高と学校に通っていたのですが、教育課程のなかで「風と共に去りぬ」の読書が組み込まれていたので、中学生までにはみんな読んでいましたね。

林:そうなんですか! 素晴らしいですね。「風と共に去りぬ」は、日本の30代が全然読んでいない作品なんですよね。

坂本:なかなか日本では触れない小説になっているのでしょうか。

林:「私はスカーレット」を読んだ方から、「こんな面白い文庫本を読んだのははじめてです」って感想をいただくのですが、それは私の手柄ではなくて原作のマーガレット・ミッチェルさんのおかげです。本当にすごい小説だと思いますね。

坂本:林さんがはじめて「風と共に去りぬ」を読んだときのこと、覚えていらっしゃいますか?

林:はい。中学2年生の頃でした。あまりにも面白くて、ビックリしましたね。映画版を観たときも、とても心に響いて映画館のなかで泣いちゃいました。

坂本:林さんはあとがきで「今の若者は恋愛小説を読まないから、実際の生々しい恋愛をしないのではないか」と書かれていましたよね。それを読んで「なるほどな」って思いました。小説のなかにあるような“恋に恋する”ということを、失っているような気がしますね。

林:そうなんですよね。ドラマも素敵なんですけど、頭のなかで妄想することも大切だと思っています。そうすることで、恋の第1段階に進める気がします。

坂本:スカーレットの、自信があってちょっと傲慢に見える部分が、林さんの作品のなかではとってもチャーミングで説得力があるんですよね。そういうふうに書くことを意識されたのでしょうか。

林:はい。私も「こういう言い方はあんまりじゃないかな」と思ったのですが、スカーレットはまだ16歳の女の子なんですよ。かわいいなら、これぐらいのことも言うだろうなと思って、愛おしさを込めてスカーレット像を作っていきました。

坂本:小説のなかから、フレーズをちょっと拝借させていただきます。「そうよ、私、スカーレット・オハラは、いつもまわりの女たちに、“負け”を宣告していたのよ」。一度は言ってみたいセリフです(笑)。

林:坂本さんはニューヨーク時代、こういう感じだったんじゃないですか?

坂本:とんでもないです(笑)。真逆の世界をどんよりと生きておりました(笑)。「私はスカーレット」で登場するスカーレット・オハラをはじめ、他のエッセイや小説のなかでも強い女性を描かれていますよね。驕慢(きょうまん)なキャラクターが嫌われないように、魅力的に書くポイントがあるのでしょうか。

林:卑怯なことで蹴落としたり、手段を選ばずに上に登っていく人を書かないようにしています。すごく傲慢で嫌な人なんだけど、同性には好かれちゃうみたいな人を描いていますね。

坂本:1つの筋を通す人を描いているということでしょうか。

林:そう。ブレない女の人っていうのかな。私の近くにも、そういう女性はいますよ。家の隣に住んでいるおばさんとか(笑)。

坂本:(笑)。

林:ものすごく威張ったりする人なんですけど、みんなが「威張っているのは昔からだから。ブレてなくていい」って言うのね。私も「なるほど、そういう捉え方もあるのか」と思ったから、今でもおつき合いは続いています。

坂本:(笑)。林さんご自身が惹かれる女性というのは、そういった方々なのでしょうか?

林:みなさんは「嘘!?」っておっしゃるかもしれないですが、私はとても気が弱いところがあるんです。強い人の言いなりになったり、最後は引いてしまう場面があったりするんですよ。ですので、強い方にはとても憧れます。

坂本:そうなんですね!?

林:みんなは「意外!」って思うかもしれないですね。最後は「あなたって卑怯ね」って言わせてしまうぐらい、人には強く言えないんです。

坂本:それって、やさしいからではないでしょうか。

林:やさしいというよりも、人から恨まれたり嫌われたくないっていう気持ちがとても強いんですね。だけど、本ではけっこうキツいことを書くんですよね(笑)。みんなは私のことを強い人だって思うかもしれないですが、実際は卑屈で弱いタイプです。謙虚って言うよりは卑屈だな、うん。

坂本:堂々と自分を通す女性に憧れているんですね。

林:そうですね。「こんなふうに言えたらいいな」って思います。


「私はスカーレット 1」「私はスカーレット 2」(小学館)


6月22日(月)のゲストは4人組ロックバンド、夜の本気ダンスです。毎回、多彩なゲストとの楽しいトークや素敵な音楽をお届けします。お楽しみに!

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聴取期限 2020年6月25日(木)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:坂本美雨のディアフレンズ
放送エリア:TOKYO FMをはじめとする、JFN全国38局ネット
放送日時:毎週月〜木曜11:00〜11:30
パーソナリティ:坂本美雨
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/dear/

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