「東京問題」「国の問題」…不協和音が広がると「致命的な問題になりかねない」元経産省官僚の見解は…?

声優としても活躍中の鈴村健一(月〜木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。7月15日(水)放送の「リポビタンD TREND NET」のコーナーでは、元経済産業省の官僚で制度アナリストの宇佐美典也(うさみ・のりや)さんに「政府と東京都の間で生じている不協和音」について伺いました。

※写真はイメージです



東京都の新型コロナウイルス感染者が急増していることをめぐり、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は7月11日(土)に「東京問題」と発言。これを受け、東京都の小池百合子都知事は「(感染対策は)むしろ国の問題だ」と話し、不快感をあらわにしました。発言したことをきっかけに、政府と東京都の間に不協和音が生じています

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鈴村:お2人の発言をどうご覧になっていますか?

宇佐美:菅さんは、地方議会の議員から自民党一筋でやってきた組織人の叩き上げ。小池さんは、政党をいくつも変えつつ、ある意味、個人で勝負してきた人。もともと向いている方向が違います。相性が悪い2人が違う立場に立ってしまうと、こうなってしまうのかな、というような印象です。

鈴村:なぜ、政府側からこのような発言が出てしまうのですか?

宇佐美:国と東京都の連携が取れていないですよね。結果からみれば、両方に責任があるのですが……。例えば、“都外への移動自粛”のような形で、“東京都が国に相談せずに独自政策を次々に出すので、国がフラストレーションをためている”という見方と、一方で“そもそも東京は感染症対策で一番大事なところ。国の有識者会議に東京都を積極的に参加させるなど強い連携が必要なのに、そういうこともしていない”……なのでお互いのすれ違いが大きくなっています。

鈴村:実際に東京は感染者が多いので、さまざまなケースのデータがあるわけですよね?だから国と東京都が連携しながら、いろいろ深めていきたいというところだと思うのですが、関係が悪いといろいろ滞ったりするのか……と勝手にイメージしてしまいます。

宇佐美:そうですよね。首都圏や都市部、東京や大阪、福岡、札幌……などは、もっと積極的に国の会議に参加できる仕組みにしたほうがいいと思います。

鈴村:東京の感染者が増加していますが、他の都道府県に広がる可能性があるということですよね? 東京都ではなく、政府主導で対策をとっていかなくてもいいのですか?

宇佐美:あくまでも今の制度上では、国が大枠の対処方針を出して、各都道府県が実務をおこなう制度になっています。そういう意味では、制度上、政府が前面に出ることはありません。ただ、今のままだと東京都と国の関係が悪すぎる。このままでは問題なので、国がある程度前にも出られるように、見直しが必要なのかもしれないなと思います。

鈴村:このズレがどんどん広がると、マズいことになりますよね?

宇佐美:そうですね、致命的な問題になりかねません。

鈴村:今、政府により経済政策「Go Toキャンペーン」が注目を集めていますが、心配されている方もすごく多いですよね。「Go Toキャンペーン」に対し、小池都知事は「冷房と暖房を両方かけるようなもの」だと批判しました。こちらはどう思われますか?

宇佐美:冷房と暖房の例で言うと、今の日本には“暑い部屋”も“寒い部屋”もあるのに、全国一律で観光キャンペーンをおこなうということは、やっぱり無理があると言わざるを得ないと思います。

ただ、このままだと旅行と交通業界が産業として本当になくなってしまうくらいのインパクトが出ています。予算の使い方という意味では“間違えているのかな”と思いつつも、何かしらのキャンペーンはしないといけないと思います。

鈴村:東京だけではなく、各地で感染者が増加傾向にある今、延期を求める声もあがっています。延期というわけにはいかないものなのでしょうか?

宇佐美:結論から言うと、延期という選択肢は“ない”と思います。スペイン風邪(1918年〜1921年に世界各国で多くの死者を出したインフルエンザによるパンデミックの俗称)などから学ぶと、むしろ今から感染症拡大する可能性が高くて、今延期すると、今年度……いや、今年度に限らず、もしかして来年以降も観光キャンペーンができないことになると思います。

そうなると、観光業界は壊滅的な打撃を受けることになります。今でも、旅館では90%以上、交通では70%以上の需要減少が起きています。今夏の収入がなければ、全国の会社が次々に潰れていくことになると思います。なので、政府の方針としては、東京を中心とした感染拡大の核をなんとか抑えて、なおかつ経済活動を続けていくことになると思うのですが、これが正しいかと言うと、私も言い切れないわけです。観光産業や交通産業を生き延びさせるためには、これしかないというのも事実だと思います。

鈴村:苦しい状況なんですね。「Go To キャンペーン」に関しては、ガイドラインをどうすればいいのか? など話さなければならないことが、たくさんある気がするんですけどね。今の内容では、旅先で問題が起きたときの対策がわからないままスタートしている感じがします。個人的には“ガイドラインをもう少し整えてから始めたほうがいいのでは?”と感じているところです。

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聴取期限 2020年7月23日(木・祝)AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:鈴村健一(月〜木曜)、山崎樹範(金曜)、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/one/

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