10X代表が語るネットスーパーの未来…勝ち残るには「どれだけ“指名”で買われる商品があるか」

10X代表が語るネットスーパーの未来…勝ち残るには「どれだけ“指名”で買われる商品があるか」

10X代表が語るネットスーパーの未来…勝ち残るには「どれだけ“指名”で買われる商品があるか」

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。

7月18日(土)の放送は、前回に引き続き、10X(テンエックス)代表取締役CEOの矢本真丈さんが登場しました。


矢本真丈さん、ハヤカワ五味


◆今後、ネットスーパーはどうなる?
前回は、同社が提供している2つの主軸サービスである、献立アプリ「タベリー」と開発不要でネットスーパーを立ち上げ可能な「Stailer(ステイラー)」のことや、矢本さんのキャリアについて伺いました。

コロナ禍で、需要の高まりを見せているネットスーパー。「注文された商品は店舗から配送するので、“店舗と(売っている)価格が違っては駄目”という暗黙のルールがある」と矢本さん。注文商品のピックアップから配送までおこなっているだけに、本来であれば「(ネットスーパーのほうの)価格が上がっていてもおかしくないはずなんですけど、いまは店舗と大体同じ価格くらいで設定されているのが現状」と矢本さん。

しかし、現状の店舗価格と同額の運営は「みんな無理だとわかっているので、これからのプライシング(価格設定)については、ネットスーパー独自の形に変わっていくのでは」と推測します。そこでハヤカワは、需要と供給の状況に合わせて価格を変動させるダイナミック・プライシングを導入することで、「“在庫ロス”をなくしていくことにもつながるのではないか」と意見を述べると、矢本さんも「まさにその通り!」と同意。

矢本さんによると、店舗とネットスーパーでは在庫や価格の調整の仕方がまったく異なるそう。店舗に在庫が残っている場合、「価格調整は、基本的に“惣菜”が調整弁になっている」と言います。

例えば、お肉や大根などの生鮮食品は時間が経過してしまうと価格をさげなければならないため、「惣菜に回すことで粗利を上げて売りさばく。そのため、惣菜コーナーは店頭の奥のほうにあって必ず動線で通るようになっていたり、扇風機を当てて店内に(美味しそうな)香りが充満するようにしていたり、価格や在庫を調整する素晴らしい機能が惣菜なんです」と解説します。

それに対し、ネットスーパーで“惣菜”はあまり需要がないため、「ネットスーパーはネットスーパーなりの価格の調整弁を持つ必要がある」と課題を指摘します。その解決策として、先ほどハヤカワが挙げていたダイナミック・プライシングも「取り入れる形になるのでは」との予見も。

さらに、矢本さんが声を大にしていたのが、「(商品の)写真が勝負」ということ。EC(eコマース)事業において、ネットスーパーも例外ではないそうで、「生鮮食品であってもそれは変わらない」と話します。例えば、正面から撮った写真だけが提供されているNB(ナショナルブランド)商品では、「正直、買う気がそそらない」と矢本さん。

対して、PB(プライベートブランド)商品の写真は、「ネットスーパーですごくいい位置に表示される。そうなると、ますますメーカーさんは勝負しづらいだけに、(今後は)『写真の品質を上げてくれ!』という争いが始まるのではないか」と分析します。

◆「どれだけ“指名”で買われる商品があるか」
また、ユーザーの商品の選び方や、メーカーの取り組みにも変化が生じているそうで、例えば、お味噌汁に使う豆腐を選ぶとき、安い絹の3個パックを無意識に買うことがある一方で、「各メーカーさんが、“意識的に買う商品”にすごく取り組んでいるのが見ているとわかる」と矢本さん。

「例えば、豆腐メーカーの相模屋食料。オリーブオイルで食べる豆腐で値段が3倍くらいするんですけど、すごく売れていて常に品薄なんです。僕らが提供している『Stailer』での検索クエリ(検索窓に入力した語句)を見ていても、“豆腐”と検索されるのではなくて“相模屋”って検索されている」と言います。

このように、「純粋想起を取れる“嗜好品”として扱われるような商品は、それだけで立てるし、検索ワードも取れるので指名で買っていかれる。Amazonなどでも同じだと思いますが、こうした動きは食品の業界でも起きている」と強調します。

スーパーは小さい店舗で約5,000点、大きい店舗だと約2万点もの商品を取り扱っているそうですが、「そのなかにどれだけ“指名”で買われている商品があるかによって、売り上げはガラッと変わるのではないかと。指名で買われる商品をたくさん抱えている会社は強い」と力説し、その最たる例として「セブンプレミアム」を挙げます。

◆創造性を発揮するための“選択肢”
「僕らはモノをつくってナンボの会社なので、創造性を重要視している」と矢本さん。10Xでは、コロナ禍において新たな働き方の模索にも力を入れています。

自宅に小さな子どもがいるなかで在宅ワークをする難しさを痛感したそうで、「子どもと一緒にいる時間では、集中力を必要としないような仕事しかできなかった。だから、在宅ワークの期間中は、朝4時に起きたらすぐに仕事を開始して、“子どもが起きるまでが仕事の時間”という具合に時間割をつくった」と振り返ります。

まだまだ新型コロナの収束が見通せないなか、自身の経験も踏まえ「うちでは3月から“新型コロナ用の休暇”を設けた。保育園などは開園されはじめているけど、新型コロナ(感染)の恐怖が消え去ったわけではないし、子どもを保育園に預けて仕事をすること自体、各家庭の判断になる。

“今日は子どもを預けない”と判断したなら、その日は休みにしていいと、有給休暇とは別に無限に使えるような制度を用意した。創造性って集中力がないと生まれないと思うので、自分の置かれている状況にあわせて集中力をうまく使い分けられるような働き方ができるように、会社として選択肢だけを用意した。そこからどれを選ぶかはそれぞれの自由」と意図を説明。

“選択肢”というキーワードを挙げ、「ネットスーパーは、市井の人々に食品を買うという選択肢を多様化して用意をしてあげる。10Xという会社は、各個人の創造性を10倍高く発揮してもらうための選択肢を提供している」と話していました。

次回7月25日(土)の放送は、メルカリの取締役会長 小泉文明さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2020年7月26日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30〜25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/
番組Twitter:@mousou_tfm

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