「ミニマリストしぶ」こと澁谷直人。モノを持つ基準は「手間を減らしてくれるかどうか」

ファッションデザイナー、起業家、インフルエンサーなどマルチに活躍するハヤカワ五味がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「マスメディアン 妄想の泉」。この番組では、さまざまなフィールドで活躍する起業家やクリエイター、アーティストをゲストに迎え、未来を面白くするヒントを“妄想しながら”探っていきます。10月17日(土)の放送は、Minimal Arts代表の“ミニマリストしぶ”こと澁谷直人さんが登場しました。


澁谷直人さん、ハヤカワ五味



◆ミニマリストになったきっかけ
持ち物を減らし、必要最低限のモノで暮らすミニマリストとして、ブログやYouTube、執筆などの幅広い活動で知られる澁谷さん。モノが多いと掃除が大変だったり、それを置くためのスペースが必要で余計にコストがかかったり……といったデメリットを挙げ、「“なくていいモノは、なくてもいいよね”という基準で、モノを持つ・持たないを決めている」と言います。

そして、「最低限のモノで暮らすほうが生活も楽だし、広い部屋に住む必要がないので(家賃などの)生活コストも抑えられるし、理にかなっている。合理的な考え方のもとにモノを減らしている感じ」と胸を張ります。

現在25歳で福岡在住の澁谷さんが、「ミニマリスト」というライフスタイルに目覚めたきっかけは、「大学受験の失敗」。当時、福岡の進学校に通い、地元の国公立大学を目指していましたが、試験当日に運悪く体調を崩してしまったこともあり不合格に。高校卒業後、浪人生活が始まります。

受験のためにかかる費用を自分でまかなわなければならず、アルバイトをして捻出していました。しかし、そこで手にしたアルバイト代は高校を出たばかりの少年にとっては大金でした。そのため、アイドルの追っかけの費用に使ってしまったことも。「そんな生活をしていたら、再び大学に受からず(苦笑)。実家暮らしをしながらフリーターをするという(悪循環の)生活にモヤモヤしていた」と振り返ります。

そこで澁谷さんは「1人暮らしをしよう」と一念発起します。フリーターでもたくさんシフトを入れて働けば1人暮らしが可能ではあるものの、「根が怠け者なので、少ないお金で1人暮らしをできないか」と考えたそう。

1人暮らしにかかる費用を調べてみると、入居する際の家具や家電代に少なくとも10〜20万円程度かかることを知りました。そして、「ここを減らせるのではないかと。スーパーやコンビニもいっぱいある。だから、必要な量だけ買ってその日のうちに使い切ったり、外食をしたりすれば冷蔵庫がなくてもいいのではないか」と思い立ち、「(インターネットで)“冷蔵庫なし”で調べていたら、ミニマリストのブログにたどり着いて。“こういうモノを持たない暮らし方ってあるんだ!”と、自分のなかで革命というか衝撃を受けた」と話します。

◆ミニマリストしぶ流「モノを持つ基準」
父親は投資家を生業としていて、比較的裕福な家庭で育ったという澁谷さん。父親の収入は右肩上がりで生活水準がどんどん上がっていったそう。そのため、小学生のときにノートパソコンを買い与えてくれたり、新作のゲームソフトが出るたびに「これが欲しい」と頼めばすぐに買ってくれたり、不自由のない暮らしだったと、澁谷さんは語ります。

しかし、リーマンショックに見舞われ、父親は自己破産。離婚した母親、妹と一緒に家を出てアパート暮らしを余儀なくされるなど、生活は一変します。それまでは「欲しいものは基本的に買ってもらえて、家も広くて、たくさんモノがあった。だから、なおさら僕自身が“たくさん稼いで、モノに囲まれた物質的豊かさこそが幸せだ”と考えていた」と言います。

もともとはモノが多いタイプだっただけに、「逆に“モノを持たない”ことで掃除や片づけが楽になったり、部屋がスッキリして見えたり、旅行などのモノよりも経験にお金を使うなど。それらのような、ミニマリストの哲学的なところにもすごく惹かれて、どんどんモノを減らしていったのが、僕のミニマリストとしての始まり」と経緯を語ります。

そんな澁谷さんがモノを持つ基準は「手間を減らしてくれるかどうか」。例えば、ドラム式洗濯機を手放したとします。そうすると、なくても生活は成り立つものの、洗濯のたびに自宅から離れたところにあるコインランドリーに通い、洗濯・乾燥が終わるのを待たなければなりません。「モノが減るメリットと、それによって手間が増えるデメリットを天秤にかけたときに、(ドラム式洗濯機は)“買ったほうがいいよね”となった」と結論づけます。

極力、モノは持ちたくないという思いはあれど、ドラム式洗濯機やロボット掃除機のように「モノを持つことで家事(の手間など)を削減してくれるものに関しては、お金を使う」と自身がモノを持つ基準について説明してくれました。

◆コロナ禍で生じた変化とは?
スマートフォンの普及に伴い、さまざまなモノのシェアリングエコノミーサービスが盛んになりました。また、スーパーやコンビニがたくさんあるなど、普段の暮らしがどんどん便利になっていることもミニマリストの増加に一役買っています。

これまでは「街をシェアする生き方」をし、「自分の住んでいる家の外、周囲の環境も家の間取りとして捉えてきた」と話す澁谷さん。例えば、「自宅に作業環境をつくらなくても、近所のカフェやワーキングスペースに行けば仕事ができるという考えだった」ものの、新型コロナウイルスの影響で、そうした自身の働き方や生活にも変化が生じたと言います。

コロナ禍においては、外出も自由気ままにというわけにもいかず「真っ先に見直したのは、仕事の環境と備蓄」。これまではデスクのない生活をしていたなか、この機にスタンディングデスクを購入したと言います。「高さの調節ができて、折り畳めてとても便利。立って作業するので、椅子を買う必要もないしスペースを取らない。健康的で、集中力も上がるし、眠くなりづらいし、買ってすごくよかった」と語ります。また、「外に出なくても最低限、家のなかで仕事や食事ができる環境を整えることを考えるようになった」とも。

続けて、自身の感覚値的には、コロナの影響で「家のモノを見直す人やミニマリストに興味を持つ人がすごく増えたと思う」と話します。というのも、多くの人が自宅で過ごす時間が増えるなか、「ミニマリストとか関係なく、家で過ごすのにモノが散らかっている状態は誰しもが気持ち悪い(と感じる)。家にいるのがつらい人って、片づけが苦手で、家にいるよりも外にいるほうが居心地がいいと感じる場合もある。だから、自宅をスッキリ片づけて心地がいい環境をつくろうと(いう人も増えた)」と背景を説明します。

それはプライベートに限ったことではなく、リモートワークをする人が増えるなど働き方にも変化が生じていることもあり、「(自宅での)働きやすさもそうだし、家が散らかっていたら居心地が悪くて“外出しよう”という動機になってしまう。実際、コロナ禍で僕のYouTubeチャンネル(「ミニマリストしぶ」)の登録者数が増えて、『コロナ禍でモノを減らしたくなった』という視聴者さんもいて、そういった変化は感じますね」と実感を語っていました。

次回10月24日(土)の放送も、引き続き澁谷さんをゲストに迎えてお届けします。どうぞお楽しみに!

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聴取期限 2020年10月25日(日) AM 4:59 まで

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<番組概要>
番組名:マスメディアン 妄想の泉
放送日時:毎週土曜 24:30〜25:00
パーソナリティ:ハヤカワ五味
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/mousou/