菅首相の「温室ガスゼロ」宣言、2050年までに実現できる? 今後の大きな課題は?

声優としても活躍中の鈴村健一(月〜木曜)と俳優の山崎樹範(金曜)、フリーアナウンサーのハードキャッスル エリザベスがパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「ONE MORNING」。10月27日(火)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「菅総理が所信表明演説で語った“エネルギー政策”」。ジャーナリストで株式会社メディアコラボの代表・古田大輔さんに話を伺いました。

※写真はイメージです



第203臨時国会が10月26日(月)に開かれ、菅義偉首相は就任後初となる所信表明演説をおこないました。そのなかで菅首相は「わが国は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち 2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」と表明しました。

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鈴村:臨時国会で注目される法案はいくつもありますが、今後、私たちの生活に特に直結しそうな話題としてエネルギー政策を取り上げます。30年後の2050年に「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」宣言しましたが、実現性は?

古田:かなり難しい目標であることは間違いないです。ただ、国際ルールのパリ協定「産業革命以降の平均気温上昇を2℃未満に抑制し、1.5℃未満への抑制が努力目標」とされています。既に今も大変な状況ですが、“これをしないと本当に大変なことになりますよ”と。そのためには、“2050年に排出ゼロ”が1つの目標になっています。

実は既に、世界で120ヵ国がそれを宣言しています。これまで日本は、“2050年までに80%削減”とまでしか言っていなくて、「おい、日本……もうちょっと頑張ってくれよ……」と世界で批判されていました。

そのことに関しては、環境省の小泉進次郎環境大臣などが「(他国から)批判されていますよ」とずっと発言されていて、今回、菅首相がバシッと言ったわけですけど。これ自体は、すごく良かったと思います。

鈴村:目標を掲げるということは大事ですよね。菅首相は、演説のなかで「積極的に温暖化対策をおこなうことが、産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長につながるという発想の転換が必要」と言っています。

この部分は確かにそうだと思います。以前、この番組でも取り上げたのですが、世界的には環境に配慮しない企業は“評価されない”“投資の対象にならない”という風潮があるそうですね?

古田:そうですね。「ESG投資(社会的責任投資)」と言われるもので、「環境(Environment)」「社会(Social)」「企業統治(Governance)」がきちんとできている企業にしか投資しませんよ、そこにお金を出しませんよ、という風潮は急激に強まっています。例えば、“いや、うちはそういう問題とは関係がないし……”と言うような企業にはお金が集まらないし、人材も集まらなくなってしまう。これは世界共通の問題として、“地球は1つしかないから、環境は守らないといけないよね”という意識は、経済界にも確実に広がっています。

菅首相は、今回のこの動きに2人の大臣が関係していると明言しています。1人は環境省の小泉大臣、もう1人は経産省の梶山弘志大臣。経産省は、どちらかというと“二酸化炭素を出す側の人”。でも、経産省の梶山大臣も「これをやるぞ!」と明言していると。しかも、この2人は菅首相に非常に近い大臣ということで、これは強烈なタッグだと思います。

鈴村:なるほど。今後は、ESG投資が当たり前になってくるので、“環境を守ろうね”ではなく、“守ることが前提”になってくる。僕らの日常も、どんどん変わってきますよね。例えば、今年7月からスタートしたレジ袋有料化など。

古田:これから大きく変わるものでは、僕らが日常で使っている物の“裏側”の変化。その1つがエネルギー問題。経産省が大きく関わってくるところです。

まず、再生可能エネルギー。風力や水力、太陽光発電などを増やしていかなければならない。それによって、炭素由来、例えば火力発電のようなものをぐっと抑え込まないといけない。

そこで、もう1つポイントになるのが、“原発はどうするの?”という問題です。経産省の梶山大臣は今、その問題にも触れています。今後はそういった計画が明確になり、具体的な話になっていくと思います。

鈴村:“具体的にしていこう”という動きはあるんですね。ちなみに、“温室効果ガスの排出ゼロ”を明言した、菅首相の一番大きな課題は?

古田:まさに、日本の話になると、原発問題が大きな議論になると思います。“2011年の福島第一原子力発電所事故を乗り越えて、我々はどこに向かおうとしているの?”というところから大きな議論になると思います。

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番組名:ONE MORNING
放送日時:毎週月〜金曜6:00〜9:00
パーソナリティ:鈴村健一(月〜木曜)、山崎樹範(金曜)、ハードキャッスル エリザベス
番組Webサイトhttps://www.tfm.co.jp/one/