福山雅治、51歳の僕が17歳の僕を迎えに行く旅。ニューアルバム『AKIRA』のタイトルチューン「AKIRA」を語る(Part 1)

シンガーソングライターで俳優の福山雅治がパーソナリティーを務めるTOKYO FMの番組「福のラジオ」。

オリジナル・ニューアルバム『AKIRA』がリリースされた週にオンエアとなった12月12日(土)の回では、これまで敢えてオンエアをしてこなかった、アルバム収録のオリジナル楽曲「AKIRA」と「彼方で」がついに初オンエアされました。各楽曲に込められた想い、そしてアルバム『AKIRA』で描こうとした死生観を福山さんが語ります。この記事では、「AKIRA」と「彼方で」、それぞれについて2回に分けてたっぷりとお届けします。


福山雅治



タイトルチューンの「AKIRA」から始まり、ラストソングの「彼方で」まで、全17曲に及ぶアルバム『AKIRA』は、まさに時空を超えた内省の旅と呼ぶにふさわしい壮大な内容となっています。まずはこの作品で描きたかったことについて、福山さんはこのように言います。

「今回描きたかったのは、“血”と“死”。これまで僕が発表してきた多くの楽曲は、生きていくんだ、生きるんだ、という前へと向かう“生”を多く歌ってきました。しかし生命の本質に近づくためには、死も含めて表現すべきかと。“生”によりリアリティーと説得力を持たせるために、今回は“死”そして“血”というものを自分がどのように考えて受け止めているか……アルバム1枚を通じて表現したいと思いました」

アルバムのオープニングチューンでもある「AKIRA」で描かれているのは、まさに“血”と“死”。福山さんが17歳のときに離別した父親について、現在51歳になった福山さん自身が見つめています。

「父が病床で繰り返し言っていたのは『悔しい』という言葉でした。息子である1つ年上の兄と僕が、せめて社会人になって自立するところを見届けるまでは生きていたい、というのが父の願いでした。そして、それをなんとか叶えてあげたいというのが母の願いでした。

結局その願いも叶わず、父は闘病生活の末に亡くなってしまいます。そのときの父の立場になって考えてみれば、それはもう、無念だったと思います。だから、僕が今生きている命というのは、父の無念の延長線上にあるのだと。父が知りたかった明日の続き、未来の旅がそのまま僕の“生”として繋がっている。父の死というのは僕にとっては大きな空白でした。

先ほど父の気持ちを“無念”と表現しましたが、その無念に含まれるさまざまな思いや細かな感情までは僕は知り得ません。“何を大切にしていたのか?”“何が好きだったのか?”じっくりと話したことがないので、本当のことはわかっていないと思います。だから、この空白を“どうやって音楽として表現できるのかな?”ということを、デビュー以来ずっと考えてきました」

そして、17歳で経験した父の死こそが、福山さんの音楽的出発点にあると明確に言います。

「僕は高校を卒業して就職をしました。それは、父に先立たれた母の願いと、父の無念とともに“安心させたい”という理由からでした。でも、自分の本当の気持ちには嘘をつけませんでした。親の想いのためだけに働く、生きるということに耐えられなくなって、わずか5ヵ月で辞めてしまいました。そして、東京に出てきました。

その想いの出発点は父の死であることは間違いありません。17歳のときに体験した父の1年間の闘病生活での家族の苦しみから受けた僕の精神的なダメージを救済することこそが、僕が音楽をやりたい、ソングライティングをしたいと思う源泉だったんです。もちろん、“東京に出よう”と決心した18歳の僕が、そこまで自分の動機を論理的に把握し、言語化できていたわけではありません。もっと本能的なところ……予感とか勘とか……で動いていました」

だからこそ、「AKIRA」という曲には時間が必要だったのだと。

「今回のアルバムで『AKIRA』という楽曲を書くことによって、自分のソングライティングの出発点を1度自分でも確認してみたかった。“なぜ、詞や曲を書こうと思ったのか?”それは先ほども言ったとおり、苦しみ傷ついた精神を救済するにはソングライティングしかなかった。

かつ、それは故郷で生活していてはできないことだと思いました。そこにはやはり、苦悩や無力感、失望感、それと同時に反発心や剥き出しの欲望が脈打っています。そんな17歳の自分を51歳の僕が迎えに行く。今、アルバムを作り終えてそう思います。34年分の時空を遡る僕自身への旅……それがアルバム『AKIRA』なのでは、と」

シンガーソングライター・福山雅治のDNAが深く、鮮やかに刻み込まれたアルバム『AKIRA』。その出発点にある楽曲「AKIRA」から始まる旅をぜひ楽しんでください。【Part2】では、旅の終着点「彼方で」について福山さん自身が語ります。

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<番組概要>
番組名:福山雅治 福のラジオ
放送日時:毎週土曜14:00〜14:55
パーソナリティ:福山雅治
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/fukunoradio/